「脚の冷え」に隠れた警告サイン!冷え症でも更年期でもない、閉塞性動脈硬化症とは

Q.脚の冷えがつらいです。以前はこんなに冷えなかったのに……。やはり更年期の影響でしょうか?

イラスト/lely

おっしゃる通り、更年期症状には冷えや手足のつりなどの自覚症状が見られる場合があります。
しかし、更年期症状とひと言で言っても、「のぼせと冷えが合わさっているタイプ」や「低体温でエネルギー不足なタイプ」など、個人差もさまざまです。

更年期症状の原因は、女性ホルモンの急激な分泌低下です。
ホルモンバランスが乱れると、自律神経が乱れ、冷えやのぼせなどの症状が出やすくなります。

更年期は、閉経を挟んだ前後10年間くらいの期間を指します。
更年期症状はずっと続くわけではなく、50代後半から60代前半ごろに落ち着く場合が大半です。

しかし、これらの自覚症状の原因は更年期ではなく、ほかの病気にある可能性もあるので注意が必要です。

 

 

Q.手足の冷えが起こる病気にはどんなものが考えられますか?

イラスト/lely

手足の冷えにはさまざまな原因が考えられますが、「閉塞性動脈硬化症」という病気が原因の場合もあります。
脚の動脈の壁にコレステロールがたまり、血の巡りが悪くなる病気です。

閉塞性動脈硬化症は脂質異常症、高血圧、糖尿病、メタボリックシンドロームなどに深い関わりがあり、これらの病気・病態で危険因子が増加するといわれています。
また、閉塞性動脈硬化症は50歳以上の男性に多いとされますが、女性も発症する場合があります。

閉塞性動脈硬化症の初期症状は冷感やしびれなどで、痛みで歩けなくなる間欠性跛行(かんけつせいはこう)、安静時の痛みを経て、最終的には潰瘍、壊死に発展するのです。

冷えだけでなく、こむら返りや脚のしびれなど、更年期症状と同じような自覚症状があらわれます。
ただの更年期と思い込んで適切な処置を受けないと、症状が進行してしまうので注意が必要です。

 

 

Q.手足の冷えで病院を受診してもいいのでしょうか?


女性にとって冷えは一般的な悩みで、比較的誰でも感じるため、受診をためらう方もいるかもしれません。
しかし、たとえ手足の冷えでも更年期以外の原因が隠れていることがあるため、まずは病院の受診をおすすめします。

閉塞性動脈硬化症の対応診療科は循環器内科です。
症状の疑いがある場合はまず循環器内科で診察を受け、原因を特定してもらいましょう。

もし閉塞性動脈硬化症だった場合は、生活習慣の改善、運動療法、薬物療法、血行再建療法などで治療を行っていきます。

 

 

【前編】では、なぜ更年期に冷えを感じやすいのか、更年期が原因でない場合に手足の冷えが起こる病気にはどのようなものがあるのかについてお伝えしました。

▶つづきの【後編】では、更年期からくる冷え症は、どのように対策したらいいのか? おすすめの漢方薬は?…についてお伺いします。__▶▶▶▶▶

 

 

<この記事を書いた人>

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)

薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学) 
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。

世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

 

●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/

 

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この記事は
薬剤師 碇純子

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