白い歯はキモい⁉ 平安の人々が「お歯黒」にしたのは、美容のため以外に「ある目的」があった!
平安時代の人たちも虫歯や口臭に悩まされていた
平安時代の人たちも虫歯や口臭、歯の黄ばみ、歯茎の出血などに悩まされていました。現代社会に属する私たちの多くが歯にまつわる悩みを抱えていますが、平安時代の人たちも同じだったんですね。
当時において虫歯は「齲歯(むしかめば)」と呼ばれていました。また、虫歯による痛みは「齲歯痛(うしつう)」と表現されていたようです。
虫歯の痛みに悩み、苦しむのは時代を問わずだれもが同じです。また、人びとが痛い思いをしないためにも、虫歯予防を心掛けているのもいつの時代も変わりません。平安時代に編集された医学書『医心方』(いしんぽう)では「朝夕歯をみがけば虫歯にならない」「食べたら必ずうがいをする」と書かれています。
平安時代の人たちは「歯みがき」をどのようにしていたの?
現代における日常的なデンタルケアは歯ブラシを使って歯をみがき、デンタルフロスなどで歯間の汚れを除去するのが一般的です。
平安時代には今でいう歯ブラシのようなものはありませんでした。当時は楊枝を使って汚れを拭う、口をすすぐくらいしか方法がなかったよう。簡易なケア法しかなかったこともあり、虫歯に悩む人は多く、歯が黒く溶けた子どももいました。
「お歯黒」の意外な効果とは?
平安貴族の女性の外見的特徴といえば、黒い歯ですよね。白く塗った顔を引き立てるために、お歯黒を好んで行っていました。また、お歯黒は男性の間でも平安時代後期になると広まったといわれています。
お歯黒には虫歯予防の効果や虫歯の進行を抑制する効果があるようです。お歯黒をしている人は虫歯になりにくかったと言われています。
ちなみに、お歯黒の液は腐った食べ物や酒でつくった酢の中に鉄片を入れて酸化させ、ヌルデの葉茎にできる虫こぶの粉末を混ぜて作ります。現代人の中にはこうした液体を歯に塗ることに抵抗がある人もいるでしょう。しかし、平安時代は白い歯こそ気持ち悪いと考えられていました。
参考文献
八條忠基『詳解『源氏物語』文物図典: 有職故実で見る王朝の世界』 平凡社 2024年
河合敦 『外国人がみた日本史』 ベストセラーズ 2015年
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