#67 40代独女が男性不信になった、第1の事件【40代編集長の婚活記】
40代独女の婚活はやっぱり大変なのか? 45歳・未婚・独身・恋人いない歴8年のOTONA SALONE編集長アサミが自らのカラダを張ってスタートさせた40代のリアル婚活記。
最初はたいして結婚する気もなく「好奇心」と「仕事」モードで婚活していたが、1年3カ月続ける中で結婚に対する意識が変わりつつあり……。これは40代独女のリアル婚活ドキュメントである。
40代独女が恋人をつくらない理由
私はそもそも、結婚どころか恋人を欲しいとも思わなかった。
もともとあまり恋愛に対して、異性に対して、興味がなかったこともある。しかし、それ以上に、やはり「男性への不信感」からだ。
男性への不信感は、言うまでもなく過去の自分の恋愛経験からだんだん強くなっていったのだと思う。
男性への不信感をもった「第1の事件」
なぜ、男性への不信感が強いのか?
思えばその始まりは大学1年のとき。最初にお付き合いした彼から、スタートしたのだと思う。
その彼とは、大学に入学して1カ月くらいで出会い、それから1カ月くらいしてお付き合いが始まった。これには自分でもびっくりした。高校卒業まで告白したことも告白されたこともない恋愛不行き届きな非モテな女に、まさか大学に入学してたった2カ月で恋人ができるとは!
最初の彼は「3高」だった
しかも、その彼が当時でいう「3高」な男性だった。イケメン、高学歴、高身長。仮に、彼を「サンコウくん」としよう。
サンコウくんは社交的でもあったので、つねに周囲に男女問わず人が集まっていた。当然、その中に彼女がいるものだと思っていたのだが、なぜか私に興味を持ってくれたらしく、頻繁に連絡をくれた。
連絡を取り合ううちに仲良くなって、ある日、サンコウくんから告白をされたわけだが、最初は信じられなかった。それまでの人生でまったくモテなかった女に、こんなイケメンが言い寄ってくるとは!
モテない女は、相手の好意をも訝しむ
正直、冗談だと思った。私には勿体無い相手だとも思った。こんなイケメンに「付き合ってほしい」と言われたことにあまりに驚いて、こんな話をしたことを20年以上経った今でも覚えている。アサミ「また、冗談を!」
サンコウ「マジメだよ」
アサミ「えー、だって彼女いるでしょ?」
サンコウ「いない、いない」
アサミ「〇〇ちゃんとか、違う? 仲いいじゃない」
サンコウ「全然、ただの友達だよ」
アサミ「△△ちゃんは? なんか彼女、サンコウくんのこと好きそうだし」
人生で初めて告白されたのに、なにげに舞い上がらず慎重に確認をする19歳当時のアサミ。というか、モテないデフォルトが出来上がっていて信じられないのと、照れくさいのが入り混じっていたのだが。
サンコウ「連絡もらったりはするけど、別に僕はそういうのじゃないし」
アサミ「彼女いないっていうのが信じられないんだけど」
サンコウ「1年くらい、いないよ」
まったくモテない人生を突っ走っていると、自分が異性から恋愛対象として見られていること自体、不思議でしょうがなかった。しかも、いくらでも相手を選び放題であろうイケメンのサンコウくんに……。
モテ男が、モテない女を選んだ理由
サンコウ「え、ダメ?」
アサミ「いや、そうじゃないけど信じられなくて」
サンコウ「どうして?」
アサミ「可愛い子がまわりにたくさんいるじゃない」
サンコウ「こんなに面白い子、いないじゃない」
アサミ「……面白い?」
サンコウ「ホントに面白いよね。全然、僕が知らない世界の話してくれるから」
アサミ「え、木登りして飛び降りたら栗のイガだらけになった話とか、山から段ボールで滑り降りてるうちに転げ落ちた話とか?」
サンコウ「そうそう(笑)! いやー、こんなに話が面白い子、僕が知ってる中で他にいないよ」
……確か、彼は都会っ子だった。それだけに、私の埼玉の田舎エピソードが相当、新鮮で面白かったようだ。社交的なサンコウくんのまわりには可愛い子がたくさんいたのだが、「面白い」その1点の理由で、私を好きになってくれたらしい。
蓼食う虫も好き好き。私の脳裏をよぎった言葉だ。
そんなこんなでサンコウくんとのお付き合いは始まったのだが、私はどこか自信がなく、たぶん不安だった。「なんでこんな人気者のイケメンが私なんかと付き合ってるんだろう」と……。
不安が不信に変わるとき
その不安は、付き合い始めてから5カ月くらいで不信に変わった。サンコウくんの「浮気」が発覚したのだ。ある日のデート。彼の様子がどこかおかしかった。これはもう、ただの感覚でしかないのだが、いつもと違う空気を感じた。
「なんか、あやしい……」
女の勘というヤツなのだろう。その日の仕草、話し方でなにかあやしさを感じた私は、サンコウくんの家で確実にあやしいモノを発見する。私のモノではない、女性のアイテムを目ざとく見つけたのだ。
「誰か、女性を家に入れたな……」
問い詰めてもロクなことはないと思ったので、その日は何も言わずサンコウくんの家をあとにした。そして、彼の同級生たちに探りを入れた。すると、出てくるわ出てくるわ、彼の浮気バナシ。
まさか、自分が浮気されるなんて
まさか、最初の彼に浮気されるなんて
イケメンでモテ男のサンコウくんだけに、彼女がいようといまいと、言い寄ってくる女性はたくさんいた。浮気相手の女性たちは、いちおうサンコウくんが私と付き合っていると知ったうえで、アプローチしてきたようだった。
浮気の事実を掴んだうえでサンコウくんにこう言った。
「浮気するなんて信じられない。別れる!」
平謝りするサンコウくん。あまりに反省しきりなので実は一瞬、許したのだが(今思えば、これがよくなかった)、その1カ月後にまたあやしい事件が起こったので完全にお別れした。
「男って信じられない!」
世の中に浮気というものが存在するのは、ドラマや小説で知っていたけれど、まさか自分がその浮気に直面するなんて。しかも、初めてお付き合いした彼に浮気されるなんて。
恋愛経験のない当時の私には、とてもショックだった。
本当に傷ついた。
なんでせっかく好意を持ってお付き合いが始まったのに別れるときがきて、しかもこんなにも傷ついてイヤな思いをするんだろう。だったら付き合わなければよかった。それ以降、また恋愛=傷つくものという気持ちが先行してしまい、誰とも付き合いたいとか思わないようになった。
私が男性不信になったのは、いま思えば「最初につきあった彼に浮気されたこと」が、まず根底にあったのかもしれない……。
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