
すい臓がんで余命3カ月。「残された時間があと3ヶ月だとしたら?」父の「治療はしない」選択を受け入れられず、私が取った行動とは
父の隣で聞いた「余命3ヶ月」という言葉
翌日、総合病院で検査を受けることになった父。検査は多岐にわたるようで、母が各検査室の前まで付き添い、私は紹介状を提示した消化器内科の受付ロビーで待つことにしました。健康診断でも受けるかのような“平常運転”で、「行ってくるね」と手を振る父を見ていると、「何かの間違いかもしれない」とさえ思えてきます。
テレビに映るワイドショーをぼんやりと眺めていると、1時間程で少し疲れた様子の父と母が戻ってきました。「このあと、先生から検査結果の話があるから」とだけ言って、父はそっと目を閉じます。
名前が呼ばれたのは、さらにそれから1時間が経ったころ。父に寄り添うようにして診察室へ入る母。私は祈るような気持ちで2人を見送ったのですが、すぐに「娘さんも一緒に聞いてほしいって」と、母が私を呼びに来ました。
そして告げられたのは……。
父は「すい臓がん」だということ。がんは広がり、主要な血管や神経に浸潤しているため、今の段階で大きな手術は難しいということ。年齢的に手術や化学療法は体の負担になることから、「何もしない」という選択肢もあるということでした。
「あぁ……そうですか」と、父は恐らくこの日一番大きな声を出し、母は小さく頷いて、そのまま医師の顔を見るのが精一杯。そして私は、「どうしても知りたいこと」を聞く決意をし、その言葉を医師に告げました。
私:「先生、もしこのまま何もしなければ、あとどれぐらい……」
医師:「そうですね。はっきりとは言えませんが、3ヶ月、かもしれません」
これは、私が予想していたよりも遥かに短い時間でした。そして、すぐに隣に座る父がショックを受けていることを感じ、私は「とんでもないことを聞いてしまった!」と後悔するのです。
すると、その状況に気付いたかのように「幸い、今のところ他に転移は見られません。抗がん剤治療をして、がんが小さくなれば手術する、という道もあります」と医師。
そして、さらに私たちを気遣うような優しい口調で、「まずは、黄疸の原因となっている部分を処置しましょう(※1)。すぐに入院の手続きをとりますね。今後については、ご家族でゆっくり話し合っていただいて……」と言い、父はこの日から1週間ほど入院することになりました。
(※1)がんが、胆汁(脂肪を消化するために必要な液体)の通り道である胆管を閉塞。これにより、胆汁の流れが滞っていたことで黄疸の症状が出ていた。内視鏡を用いてステント(管)を留置することで、胆汁の流れが改善される。
>>余命を告げられた父の、治療の選択とは
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