急激に老いる「要注意年齢」は「34歳」と何歳?老化に待った!をかける、不足すると肥満、糖尿病、がんを招く可能性があるものとは【森永乳業の研究本部フェローが解説】

ゆっくり少しずつ老けると思ってない? 急激な“老い年齢”は34歳、60歳、78歳

 

近年、老化研究が進歩する中で、「ペース・オブ・エイジング(老化速度)」が注目されています。これは、人によって違う老化のタイミングと速度を指す概念です。これまで、老化は年齢とともに進み抑えられないと考えられていましたが、最新の研究では老化を予防・治療可能な「病気」として捉え、「老化は予防できるのでは」という視点でさまざまな研究がされています。

 

ここで、老化速度に関する研究をいくつか紹介しましょう。

 

・スタンフォード大学で、18~95歳の4263人を対象に、タンパク質の変化を観察した。すると、34歳、60歳、78歳に血液中のタンパク質の急激な変化が観察された。これにより、体の状態が大きく変化する年齢があり、加齢に伴って少しずつ一定の速度で進むわけではない可能性があることが分かった。

 

・ニュージーランドで行われた研究では、26~45歳までの約1000人の老化速度を調査した。すると、1年で0.4年分しか歳をとらない人もいれば、2.4歳分も歳をとってしまう人もいて、その差は約6倍にもなっている。

出典:Elliott ML et al. Nature Aging.2021;1(3):295–308.

 

・南デンマーク大学が双子の調査をしたところ、遺伝子が同じであっても生活習慣によって老化速度が変わることが判明。外見の印象が異なり、老けた印象があるほど死亡リスクも高かった。

出典:Christensen,K. et al. (2009). BMJ, 339, b5262.

老化は遺伝による影響も受けますが、それだけでなく、生活習慣などが老化の速度に影響を与えることは明らかです。つまり、生活習慣や食事などを見直すことで老化もコントロールができる可能性があるといえるのです。

 

▶不足すると肥満、糖尿病、がんなどを招く可能性が

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