40代の顔が一気に老ける「たるみ」。どうして肌はたるむの?どう対策すればいい?
日に日に深刻になっていく40代のお肌の悩み。中でも顔の印象を一気に老けさせてしまう「たるみ」の悩みは深刻です。
オトナサローネの「特集・オトナのたるみケア」では、皮膚科医の友利新先生に「たるみ」の原因からケアまでお話しいただきました。
この前編では「なぜ40代はたるむのか」その仕組みをご説明します。
>>>後編「たるみ対策に何をするか、一般的なケアと友利先生のおすすめ」
「昔に比べて顔が長くなった」のは気のせいではなく本当
こんにちは、皮膚科医の友利です。私からは2回に分けて、医師の観点からたるみについてご説明しますね。
さて、鏡を覗いたとき、「昔に比べて顔が長くなった気がする……」と思った経験はありませんか? それは顔がたるんできた証拠です。
たるみとは皮膚の老化による下垂です。若いうちは皮膚には厚みがあり、筋肉もしっかりとついているので肌にはハリがあってフェイスラインもキュッと持ち上がっていますが、加齢とともに皮膚は薄くなり、筋肉も衰えてしまいます。
また、コラーゲンやエラスチンといった皮膚を支える皮下組織も弱くなるので、肌が重力に耐えられなくなり、下へ下へと落ちてしまう。結果フェイスラインがもたついたように見えるため、全体的に顔が長く見えてしまうのです。
40代のダイエットは危険。痩せれば痩せるほどたるみます!
思い出してみてください。若い頃は顔がパンパンだった人も多いのではないでしょうか? それは若い頃は皮下組織がしっかりしているだけじゃなく、脂肪がついていてハリがあったから。
でもその脂肪は加齢とともに減少し、20代中〜後半くらいでスッキリしてきます。厚ぼったかった目元がスッキリしてきたり、アゴのラインがシャープになったり。その頃が一番綺麗だったと思う人が多いのはそのためです。
その状態をキープできればいいのですが、残念ながら加齢は止められません。そこからさらに脂肪が少なくなり、頬やフェイスラインがゲッソリしてきます。そして脂肪が少なくなればなる程たるみの進行も早くなるので、よりフェイスラインがたるんで見える状態になってしまいます。
「顔が痩せない」と悩む40代の方もいますが、それは間違い。たるんだ皮膚がフェイスラインをもたつかせ、太ったように見せているだけです。むしろ痩せれば痩せるほど顔がたるんで貧相な印象になってしまうので、急激なダイエットは危険です。
両親の似ているほうと、あなたのたるみ度合いは、ある程度相関します
顔のたるみ方はほお骨の大きさにもよりますし、元々の肉のつき方にもよりますが、たるみ方に差はありません。例えば私は頬骨が高いので、そこに肉がついてないと頬がゲッソリして頬の部分が長く見えますし、エラ張りの人はフェイスラインが落ちてしまうので下に延びたように見えがちです。
基本的にたるみが起こってしまうと、顔が長く見えてしまうのは、全員に言えることなのです。ただし、たるみが起こりやすいか、そうじゃないかはある程度ご両親をみて頂ければわかることもあります。まずは自分がお父様かお母様、どちらに似ているかをチェックしてください。
似ている方の肌がたるみ肌なら残念ながら遺伝してしまう可能性が。フェイスライン、目元、ほうれい線などどこかたるんでるかで、将来自分のたるみやすい部分がある程度見えると思います。
原因の7割は「光老化」、つまり日焼けのダメージ蓄積です
誰もが1年1年平等に歳を取ります。その老化のスピードには個人差がありますが、残念ですが老化を止めることはできません。しかし肌を老化させる原因の7割は「光老化」。紫外線が原因なのです。
紫外線は肌のハリを保つためのコラーゲンやエラスチンを破壊するだけでなく、それらを作るための繊維芽細胞までも傷つけてしまいます。
ただでさえ歳を取ることでコラーゲンやエラスチンが生成されるスピードが落ちている上に、作る力まで弱くなってしまったら? 新しいものが追い付かない皮膚はどんどん下がる一方ですよね。
その証拠に、服に覆われている身体はたるみが少ないでしょう?
どれだけ紫外線がたるみを引き起こすか。おじいちゃんやおばあちゃんを思い浮かべて見てください。お歳を重ねて顔がたるみ、シワシワなご老人は多いと思いますが、体全体がだるんと下に落ちたようにたるんではいませんよね?
これは顔に比べて服に覆われている体は紫外線の影響が少ないためです。それだけ紫外線の肌への影響は大きいと言えます。とは言え、おじいちゃん、おばあちゃんになると体全体が小さくなりますよね。すごく太ったご老人はあまり見ないと思います。
それは脂肪が萎縮したから。老化とともに代謝は悪くなり、太りやすくなるはずなのに、脂肪自体が萎縮するので全体が小さくみえるのです。おじいちゃんたちの細くなった腕やお腹周りがシワシワでたるんで見えるのは脂肪がなくなったためなのです。
365日続ける地道な紫外線ケアこそ、一番確実なたるみ対策
日差しの強かった夏が過ぎ、秋になると忘れがちなのがUVケア。ここでしっかりとケアできる人とできない人では3年後、5年後に雲泥の差がつくと覚えておいて下さい。
朝起きたらすぐに日焼け止めクリームを塗り、こまめに塗り直す。そして外出時は日傘や帽子を使うなど紫外線対策を習慣づけましょう。UV ケアは自宅でできる一番簡単で一番確実なアンチエイジングなのです。
後編ではたるみの出やすい部位とそのケア、そしてクリニックでの施術法や私自身のたるみケアについてお話したいと思います。
お話・友利新先生
皮膚科医・内科医
日本内科学会会員、日本糖尿病学会会員、日本皮膚化学会会員、抗加齢学会会員
沖縄県宮古島出身。東京女子医科大学卒業。同大学病院の内科勤務を経て皮膚科へ転科。現在、都内2か所のクリニックに勤務の傍ら、医師という立場から美容と健康を医療として追求し、美しく生きる為の啓蒙活動を雑誌・TV などで展開中。2004年第36回準ミス日本という経歴をもつ、美貌の新進医師。美と健康に関する著書も多数あり、近著に『0歳からのスキンケア』(イースト・プレス)がある。
(取材・文/根本聡子)
後編→ 顔のたるみを感じたら、40代は食事とコレを変えてみて。オトナのたるみのとり方
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