3時間で32万円相当の反則金に⁉自転車の罰則が厳しくなったのはナゼ?違反のリスクを弁護士が解説
今年4月から、自転車を取り巻く道路交通法が大きく変わりました。「まだ何が変わったのか分からない」という人も多いのではないでしょうか。
本記事では、弁護士法人ATB代表弁護士で、YouTubeでも道交法についてわかりやすく解説している藤吉修崇氏の著書から、実際の事例や「なぜルールが厳しくなったのか」という背景をお伝えします。
<<関連記事傘さし運転で5,000円の罰金!「自転車の反則金制度」2026年4月から何が始まった?違反ごとの金額は?【弁護士 YouTuberがまとめて解説】
※本記事は書籍『交通トラブル六法 「知らなかった」では済まされない道路の新常識』(藤吉修崇:著/ KADOKAWA)から一部抜粋・編集したものです
【実際の事例と違反のリスク】驚愕!3時間で32万9,000円の違反
2024年11月1日から自転車の罰則が大幅に強化され、関西テレビが大阪・梅田で実施した検証では、その実態が明らかになりました。
関西大学社会安全学部の伊藤大輔教授とともに行った3時間の調査査で、自転車の違反件数はなんと合計61件確認されました。これは実際に摘発されたわけではなく、取材班が独自に違反行為をカウントし、2026年4月から導入予定の反則金額で計算したものですが、仮に全て取り締まりを行った場合、反則金の合計は32万9,000円という驚愕の結果となったのです。
特に多かったのがイヤホンをしながらの運転で、3時間で41件も確認されました。1件あたり5,000円の反則金なので、合計20万5,000円。取材班が声をかけても逃げる人、「5,000円? どっちでもいいかな」と開き直る人まで現れました。
逆走(通行区分違反)も8件確認され、1件6,000円で合計4万8,000円。中には5分間で逆走と信号無視を繰り返し、一人で2万4,000円(逆走6,000円×2+信号無視6,000円×2)の反則金計算となった男性もいました。
ちなみに最も高額なのは「ながら運転」で1万2,000円。スマホを操作しながらの運転は、自転車でも車と同等に重い処罰が待っています。
この検証結果は、実際の取り締まりではありませんが、いかに多くの自転車利用者が違反行為を行っているかを示す貴重なデータとなっています。
【弁護士からひと言! 知って得するポイント】なぜ今、段階的に厳しくなるのか
逆走は正面衝突の危険性が非常に高く、速度が合算され衝撃も大きくなります。車の運転者は右側からの自転車を予想していないことも多いため、重大事故につながりやすいのです。
なぜ今、自転車の罰則が段階的に厳しくなるのかというと、近年、自転車事故の件数が高止まりしているからです。2024年には自転車関係の事故が6万7,531件も発生し、交通事故全体の約4 分の1を占めました。
特に亡くなった自転車乗車中の人の約82%に法令違反が確認されており、違反が重大事故につながっている実態があります。2024年11月からは特に危険な「ながら運転」と「酒気帯び運転」に刑事罰を導入し、見せしめ的な効果を狙っています。
そして2026年4月からは幅広い違反に反則金制度を導入することで、日常的な違反も含めて実効性のある取り締まりを行う方針です。
意外と知らない人も多いのですが、自転車運転者講習として、危険な違反を3年以内に2回繰り返すと、講習の受講が義務化されます。講習時間は3時間、受講料6,150円。受講しない場合、さらに5万円以下の罰金となります。「ながら運転」と「酒気帯び運転」も2024年11月から講習対象の危険行為に追加されました。
「結局どうすればいいの?」
▶2024年11月から特に危険な違反(ながら運転・酒気帯び運転)に刑事罰導入
▶2026年4月1日から幅広い違反に反則金制度が導入される
▶取り締まりが強化され、「自転車だから大丈夫」とは言えなくなった
▶16歳以上が反則金の対象(高校生も青切符を切られる可能性)
▶逆走は法律違反であり、事故の危険が非常に高い
▶違反を繰り返せば講習義務が発生し、受講しないとさらに罰金
自転車の逆走は単なるマナー違反ではなく、重大な交通違反です。安全のためにも、自転車の交通ルールを正しく理解し、快適なサイクルライフを送りましょう!
イラスト/春花春奈
※本記事に掲載された情報は2025 年9月現在のものです。記載されている内容は、執筆時点で入手可能な法令・判例・実務慣行等に基づいていますが、最新の法改正や個別の事案に必ずしも適合するとは限りません。また、本書の記載は特定の事案に対する法的助言を行うものではなく、実際のトラブルについては、必ず弁護士その他の専門家にご相談のうえ、適切な対応を行ってください。
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■著者略歴:藤吉修崇(ふじよし・のぶたか)
東京都出身。慶應義塾大学経済学部卒業。弁護士法人ATB代表弁護士。大学時代に演劇に没頭し、スコットランドへ留学後、舞台演出や空間プロデュースに携わる。30歳を過ぎてから一念発起し、猛勉強の末、司法試験に合格。弁護士法人ATBを設立。YouTubeチャンネル「二番煎じと言われても」では、道交法の理不尽な状況を法律の観点から解説し話題となり、登録者数は20万人を超える。
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