否定され続けた日々の先で…「おかしかったのは私じゃなかった」気づいた妻が取り戻した自分の感覚
外面の良い夫。「あんないいご主人のことが不満だなんて」と言われてしまって
夫は、外での評判が本当によい人でした。誰もが「優しそうなご主人ですね」と言うのです。その言葉を聞くたびに、Fさんは、夫に対して不信感を抱く自分の方がおかしいのではないかと思うようになりました。みんなが優しいと言う人のそばで、なぜ自分だけがこんなに苦しいのだろう。
友人に相談しても、「あんないいご主人のことが不満なんて、おかしいんじゃない?」と言われてしまうのです。外面のよさは、モラハラの構造の中で、とても重要な意味を持っています。外での評判が高ければ高いほど、被害を受けている側は孤立していきます。妻がいくら夫の問題を話しても、誰にもわかってもらえない。だから相談することもできなくなる。そして、その孤独が、さらにFさんを追い詰めていくのです。
転機が訪れたのは、ふとしたときに読んだ記事がきっかけでした。そこに書かれていた「サイレントモラハラ」の特徴が、自分の日常とまったく同じだったのです。
・無視。
・ため息。
・冷たい視線。
・外ではいい人。
・言ったことを「言っていない」と否定する。
……これ、全部うちの夫だ。おかしかったのは、自分じゃなかった。
Fさんは、やっと救われた気がしました。
この気づきが持つ意味は、とても大きなものです。自分の感覚がおかしいと思い続けてきた人が、「おかしくなかった」と知る瞬間、何かが確かに変わり始めます。それまで「自分を責めるため」に使ってきたエネルギーが、初めて「自分を守るため」に使われ始めるのです。
ただ、夫の行動がサイレントモラハラだと気づいただけで、すべてが解決されるわけではありません。「おかしかったのは自分じゃない」とわかっても、長い年月をかけて刷り込まれてきた「自分が悪い」という感覚は、すぐには消えないのです。
Fさんも、すぐに自信を取り戻せたわけではありません。それでも以前とは違い、「夫のやっていることはサイレントモラハラだ」と理解したことで、自分を責めることをやめられるようになっていきました。Fさんが変わることができたのは、意志が強かったからではありません。自分の感覚を取り戻したからです。
夫の「できないんだね」という言葉を聞いても、以前のように胸が痛むことはなくなりました。「気にしすぎ」と言われても、「そう思うんだね」と受け流せるようになりました。夫に話を打ち切られても、自分が間違っているとは思わなくなったのです。夫が変わったわけではありません。Fさんが、自分の軸を取り戻したのです。
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