「貯蓄2700万円でも安心できない」60歳女性・夫の急死で年金が月25万円→14万円に⁉ もしも今、夫が亡くなったら「おひとりさま」でも生きていけるお金はある?

配偶者と一緒に迎える老後を思い描いていても、もし突然ひとりになったら、お金のやりくりはどうなるのか――考えたことはありますか?年金や貯蓄がある程度あっても、収入が大きく減ることで不安が一気に現実味を帯びるケースは少なくありません。

こうした50代以降の家計のリスクについて、長年お金と暮らしの相談に向き合ってきたファイナンシャルプランナー・社会保険労務士の井戸美枝氏は、「夫婦前提の資金計画」から早めに視点を切り替える必要があると指摘しています。

本記事では、井戸氏の著書から、ひとりになっても生活に困らないための収入と支出の整え方、老後資金の備え方を紹介します。

※本記事は書籍『ひとりで自分資産はつくれる 52歳からお金を貯める・増やす』(井戸美枝:著/主婦の友社)から一部抜粋・編集したものです

 

夫の急死で資金計画に狂いが。お金を使うのが怖い

斎藤さん(女性・60歳・無職。夫と死別し、ひとり暮らし)

 

60歳の斎藤さんは今年、同い年の夫を心筋梗塞で亡くしました。悲しみにくれる斎藤さんに、追い打ちをかけたのが経済的な打撃です。

夫は65歳まで継続雇用で働いてリタイアし、220万円の年金を受け取る予定でした。専業主婦の斎藤さんの年金と合わせると、年金額は合計300万円(月額25万円)。退職金と合わせた貯蓄は2700万円あり、「ぜいたくはできないけれど、ときどきは旅行も楽しみたいね」と話していました。

ところが、夫の死で、もらえるのは、遺族年金94万円と斎藤さんの年金80万円の合計174万円(月額14万5000円)に減。しかも、斎藤さんが65歳になるまでの5年間は、遺族年金と中高年寡婦加算の合計156万円(月額約13万円)とさらに少ないのです。

離れて暮らす子どもには心配をかけたくなくて元気を装っていますが、将来への不安は募る一方。友人に食事や旅行に誘われても、お金を使うのが怖くて断ってしまいます。

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【ココが心配】夫より妻が長生きする確率は高いが、夫の遺族年金は意外に少ない!
会社員の夫が亡くなると遺族厚生年金を受け取れますが、額は夫の老齢厚生年金の75%で、夫婦2人のときより減少します。65歳未満の妻に加算される「中高年寡婦加算」も、年62万2000円と決して多くありません。男女の平均寿命からいって斎藤さんのようなケースは多く、事前の備えが不可欠です。

 

●Before● 頼りにしていた夫の収入&年金が突然消滅!

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老後をずっと安心して過ごすには、ひとりになったときのプランが不可欠。「夫婦どちらかの収入に頼るのではなく、両方に収入があればダメージは軽減できます。配偶者の転勤などで会社勤めが続けられない人は、フリーランスの道も選択肢に入れて準備を」

 

【見直しプラン】
おひとりさまになっても困らないよう、60歳以降の働き方を考える

 

〈ターニングポイント〉
・老後を前に夫が急死し、資金プランが崩壊
再雇用で働くつもりでいた夫が60歳で急死し、夫婦2人の安心老後プランが幻に。

・自分の年金は、国民年金(老齢基礎年金)のみ
仕事経験は短期パート程度。厚生年金加入期間がないので、年金は約80万円のみ。

・2000万円の一時金が、赤字補てんで消えて行く…
夫の退職金と生命保険で2000万円の一時金が入ったが、赤字で取り崩す一方。

・毎年赤字続きで、75歳で貯蓄がなくなる!
このままでは75歳で貯蓄がなくなり、以降の生活が行き詰まるのは必至!

 

●After● 仕事で、経済力と生きがいを手に入れる

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現時点でできるのは、生活費を見直して赤字を縮小すること、働いて収入を増やすこと、の2つ。「60歳で仕事を始めるのは大変ですが、主婦のスキルを生かせば働く場は見つかるはず。体力があるうちは、趣味を生かした仕事とのパラレルキャリアも◎」

 

〈黒字化のためにやれること〉
・生活費を見直して、月22万円→17万円に
サプリメントなどの定期購入をやめ、買い物回数を減らすなどして5万円カット。

・65歳までパラレルキャリアで、収入&経験を得る
自分の年金が受け取れる65歳までは、パラレルキャリアで年収200万円を目指す。

・65歳以降はゆるフリー”で、楽しく働く
65歳以降は〝ゆるフリーの自分のペースで働いて、収入&生きがいをゲット!

・70歳まで黒字で、後期高齢期も安心
70歳まで、黒字で貯蓄も微増。100歳まで生きても、安心して過ごせる家計に。

 

▶おひとりさまで亡くなるまでにかかる費用はいくら?

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