#8陰キャの少女が、何人ものセフレを持つ女性に【40代、50代の性のリアル】
自分のことを話したがる男たち
会うとふたりでラブホテルに行く。セックスに一切の愉しみを見出そうとしなかった夫と違い、ホテル選びから一緒にあれこれいい合うと気持ちが浮き立った。けれど、お酒だけで終わる日もある、タエコさんの女友だちも交え賑やかに食事をするときもある。
まさに、セックスフレンド。といっても「セックスしかしない」友だちではなく「セックスもする」友だちだ。
「お互いの近況は必ずじっくり話します。彼女ができたと聞いて『早く籍を入れなよー』と背中を押したこともあります。複雑な事情があったようですが、いまは結婚してすっかり落ち着いていますね」
この男性にかぎらず、タエコさんと関係をもつ人たちはみずからの身の上や家庭の事情を打ち明ける。
「仕事関係の人は、たまに電話をくれたと思ったら高齢のお母さんが今年に入って急に具合が悪くなって、特別養護老人ホームに入っているとか、いま病院の送り迎えをしてきたところだとか、そんな話ばかり(笑)。ほかの男性も、いまは別々に暮らす息子が大学に入学するからスーツを送りたいんだけどどこで買えばいいのか相談してきたり、重病の娘さんがいる人はその入院生活のことを話してくれたり……なんでしょうね、こちらから聞くわけでもないのに、みなさんすごく話してくれるんです」
サードプレイスとしての不倫
話題のなかにはヘビーな家族事情も含まれる。手で数えれば足りる回数だけセックスする関係なら、その場で欲望を分かち合い、互いの人生には踏み込まずに別れるだろう。タエコさんの場合は、10年、20年と関係をつづける。そのあいだお互いに、人生の次の局面が訪れることもあるだろう。タエコさんは、それを男性と分かち合う。
タエコさんにはつい話したくなる雰囲気があるのだろう。不倫であることは間違いないし、男性側の家族からすればそうした女性に家庭の事情を話されるのは決して気分がよくないものだということもわかる。
ただ、男性たちにとってはタエコさんは“サードプレイス”のような存在になっているのではないかと。居心地がよく、だから一過性の関係に終わらない。その善し悪しは、他人が簡単に判断できるものではないだろう。
そんなタエコさんがこれまで何人もの男性と付き合うなかで、どんなセックスをしたのかにも俄然興味がわいてくる。最もセックスがよかった人の話、教えてください!
「同じ系列の会社で働く男性で、私よりも11歳年上でした。彼の下で働いていたこともあるのですが、別々のところに配属されてからはごくたまに連絡を取り合う程度。でも彼はずっと私のことを気にかけてくれていたらしく、出会ってから10年経って男女の関係になりました」
その人とほかの男性のセックス、何が違うんでしょう?
「まず身体と身体の相性が合っていたと思います。知り合ってからの期間が長くてお互いに気心も知れているので、安心して心身を開けたというのもあるでしょうね。好奇心が強い人で、いろんなプレイをしたがりました」
私、これでいいんだ!
タエコさんには、夫がセックスに対してまったく愉しみを見出そうしなかったという苦い過去がある。
「今日はこんなことをしよう、次はあれに挑戦してみようっていうのを話し合える関係でしたね。それから私に、自分の性器を舐められるという経験を初めてさせてくれました。それまでつき合ってきた男性たちからは、においが気になるとか気持ち悪いとかいわれて、してもらったことがなかったので」
人体であるかぎり、性器も無味無臭であるわけがない。それに気持ち悪いというなら、お互いさまではないのか。それでいながら男性たちは、タエコさんに男性器を口で愛撫することを求めたという。
「性器を舐めてもらう、っていうのは私にとってひとつの壁でした。彼は、その壁をやすやすと越えてきた。実は、経験してみて『そんなに気持ちいいものではないかも』と思ったのですが(笑)、でもすごく大事に扱ってくれたこと自体がうれしかったです。ずっと私はかわいくない、太っている、モテない……と思って生きてきました。それを、私、これでいいんだ! と思わせてくれた経験ですね」
タエコさんはこの男性とさまざまなプレイを経験し、その後は別の男性と新たな性の世界の扉をあける。そのエピソードの数々は回をあらためて紹介したい。
【編集部より】
■40代、50代の性のリアル by 三浦ゆえ
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