50代の女性が「見失った本当の自分を取り戻す」ために選んだ「驚きの場所」とは?日本女性初、8000m峰14座の完全登頂を達成!登山家・渡邊直子さんに聞いた
「成功しなくちゃダメ」ではなく「やってみたけどダメだった〜!」 という経験でもいいんじゃないか
――渡邊さんのヒマラヤ企画に参加する人は、必ずしも登山や登頂が目的ではないそうですね。
そう、むしろ登山には興味ないんだけど、ここで自分を変えたい、悩みを解消したい、何か新しいことやってみたいとか、刺激が欲しいっていう人が来てくれています。ちょっと行き詰まっていて一歩踏み出してみたいとか、メンタルを病んでいるという人もね。他だと経験がないと参加できないかもしれませんが、登頂にトライしたけどダメでした、というのでもいいと思ってやっている。成功しなくちゃダメだっていうのではなくて、やってみたけどダメだった〜! という経験でも全然いいんじゃないかなって。
――失敗をネガティブに捉えてないんですね。一回失敗したらもうダメ、みたいに重く捉えてしまいがちですが。
わざわざ私のところに来る人って、何が起こるかわからない冒険をしてみたいとか、未知の経験で何かを変えたいとか、やってみることに価値があると思って参加している方が多い気がする。だから必ずしも登頂がゴールじゃなくてもいいと思ってやっています。

――なぜ、そういった企画、活動をやろうと思ったのでしょうか?
頼りになるシェルパたちがいるからです。彼らがいなかったら、こういう企画はまずやらないですね。8000m峰にしか行かないシェルパたちの肝の座り方もすごいし、めちゃめちゃおもしろいコメディアンみたいな感じなんです。普通のトレッキングだとネパール人の、シェルパ族じゃないガイドがついて行くのですが、キャラが全然違うので、そこまでおもしろい思い出にはならない。私自身、登ることを目標に行ってるわけじゃないんですよね。シェルパたちと過ごす時間が楽しくて、それをみんなにもおすそ分けしたい。シェルパ一族ってこんなにおもしろいんだよっていうのを体験してもらいたくてやっているんです。シェルパありきの企画なので、ちゃんと働いてくれなかったら、お客さんの一人としてしっかりクレーム入れますから(笑)。私はリーダーとか先生みたいな立ち位置じゃないので、参加者も気が楽だと思います。
――どのような感じで、みなさん楽しまれていますか?
登山には興味がなくて、ネパールの文化に興味があって参加した人だったのに、企画に参加後、次は8000m峰に登ってみたいと改めて参加表明してきた人もいます。登山には興味ないと言っていたのに、なんでそんな方向転換したのか。別に山登りが楽しいわけじゃなくて、シェルパたちと過ごす時間が楽しかったみたいです。シェルパってすごく強靭な人たちっていうイメージがあるんですけど、素朴で可愛いことをしたりするんですよ。そういう彼らとの触れ合いが本当に楽しかったと、みなさん笑顔で帰っていく感じですね。
▶体力の衰えは感じている?
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