「すい臓がんで余命3ヶ月」と宣告された父との別れは、突然だった。遺族に、悲しみより先に押し寄せた「意外な感情」とは
父を看取ったあと、悲しみより先に押し寄せた意外な感情
目の前では母が大粒の涙を流しながら、「ありがとう」「よくがんばったね」と父に語りかけ、いつもは冷静な夫も、目を真っ赤にして泣いている。もちろん、私も悲しい、寂しいといった気持ちはありました。「もっと早く来たら、最期に話ができたのに」「昨日は帰らず父の傍にいれば」といった後悔も。
でもそれ以上にあったのは、「痛みがなくてよかった」という安堵と、駆けつけてくれたホスピスの皆さんや医師の温かい言葉に対して抱いた「ここが最期の場所でよかった」という感謝の気持ち。また、約5ヶ月という短い期間でありながら、どこかで「父の看護をやり切った」という思いがあったのかもしれません。
そこからの半年間は、慌ただしい日々が続きます。役所や銀行、保険会社などへの必要な手続きや名義変更、実家に弔問に来られた方への対応などに追われながら、気付けば時間が過ぎていきました。
「遺族はやるべきことが多くて、忙しい。でもそのおかげで、悲しみに囚われず過ごすことができる」とは聞いていたけれど、今がその状態なのだろうか? 確かに月命日ともなれば、父がいない現実を感じて突然寂しくなることはあった。でも、「涙が止まらず、感情が抑えきれないほど辛い」といったことは一度もなかったのです。
おそらく、そんなふうに過ごすことができたのは身近な家族や友人、父が亡くなったあとも話を聞いてくれたホスピスの皆さんや、緩和ケア認定看護師さん(※2)の存在があってこそ。今振り返っても、ありがたい気持ちでいっぱいです。
(※2)日本看護協会の認定を受け、緩和ケア分野における熟練した看護技術と知識を持つ看護師。 看護師として5年以上の実務経験と、認定看護分野における3年以上の経験が必要。
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この記事は
ライター
小林真由美
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