自分は、こんなにも呼吸のことを知らなかった。理系住職の「健康と精神の話」
職業と寿命、こんなデータがあります
職業別長寿ランキングというのがあって、過去江戸時代から調べたものもあるのですが、どの時代も僧侶(宗教家)がトップでした。その中でも禅宗の僧侶が断トツだったのです。僧侶の場合、それを職業と言えるか疑問も残りますが、長生きができる生活を送っている様です。
長生きといえば、僧侶の中で言い伝えられている言葉があります。それは、「息長ければ、命長かれ。」というものです。
どうも長寿と呼吸の関係は、なんとなくではあるが、分かっていた様です。
最近、アメリカのGoogle社などで取り入れられている「マインドフルネス」という心の整え方があるのは、みなさん耳にしたことがあるでしょうか。
もともとは、ベトナムの僧侶でティク・ナット・ハンさんが広めた言葉で、ジョン・カバット・ジン(マサチューセツ大学医学大学院教授)によって慢性的な痛みの軽減やストレス低減法を指す言葉となり、東洋に逆輸入された心の整え方です。
現代人は、必要以上に過去や未来の情報に頭を占領されて、それをいつも気にしながら生活しています。そうすると常に荷物を抱えながら立ちすくんでいる様なもので、体は動かなくても脳だけは常に動いている状態となります。
若いうちは、それでも体力でなんとかなりますが、30代も後半になるとそんなに体力でカバーできなくなってきます。
出来れば上手く脳を休ませてあげるべきなのですが、予定は次から次へと頭を巡ってきます。
こんな時に、脳を休めることができて、さらには集中力や気づきといった効果ももたらしてくれるのが、東洋が生んだ瞑想、つまりマインドフルネスなのです。
アップル社のジョブスと禅の意外な関係
皆さんも、iPhoneの生みの親、スティーブ・ジョブズをご存知と思います。
彼は、日本の禅寺の僧侶に付いて坐禅をし、結婚式も仏前で行ないました。本当に矛盾のない大切な真理とは、とてもシンプルであるという考えのもと、製品はシンプルで誰もが使いやすいものとなりました。
呼吸に注意を向けるということがどの様な効果があるか、次回は呼吸と身体のことについて取り上げたいと思います。
(つづく)
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