【ADHD女子#51】共感できない相手の言葉もどこかに「真実」がある

じっとしているのが苦手、集中が続かない、衝動的に行動してしまう…ADHDと診断されていなくても、このような特性をかかえることで「生きにくさ」を感じている人は多くいます。今回は、臨床心理士による著作「ADHD脳で困っている私がしあわせになる方法」から、「ツライ」を「楽」に変えるヒントをお送りします。

相手の共感を得るために 相手の心のゆとりをつくり出す

そうは言っても人間相手のことですから、 理想どおりにはいきません。

第1段階でどんなに言葉を尽くしたつもりでも、

「そうだよ。 おまえが100%悪いんだよ」

というスタンスを相手がくずさないこともあります。

「おまえがつらいのは自分のせいだろ? こっちはいい迷惑なんだ。 そうやって自分を甘やかすんじゃないよ!」 と。

はぁ? こっちはここまで下手に出てるのに、 この人サイテー、と思うことはままあることです。

 

再びその場を離れることが必要になるかもしれませんが、 同じことを繰り返してもおもしろくありません。

作戦変更です。自分に共感してもらうために、相手に共感していきましょう。

「こんなひどい人に共感できるわけない」

と思う気持ちはわかりますが、 自分を理解してもらうための 「ゆとり」 が、 相手にはないのです。

それをつくり出すために共感するのです。

 

コツは、相手の(けっこうひどい)言葉の中から、事実だけを抜き出してそこに共感することです。

「確かに部屋は散らかっているよね。 仕事で疲れて帰ってきているのに、 くつろげないよね」

と、 できるだけ相手の状況を想像して言葉にします。

これが第1段階。 相手の言葉の中の「事実」 だけに着目し、 さらに想像力を駆使して相手の現状を整理します。

とくに謝る必要はありませんよ。

そして 「ほんとうにイヤになっちゃうよね。 イライラしちゃうよね。 でもガマンしてくれてたよね。 ありがとう」 と共感します。

これを繰り返すうちに、 相手の表情がゆるんでくることが見てとれると思います。

相手の心情に変化を起こしているのは、あなたからの共感です。

相手もあなたにわかってほしかったのです。

「私もね、 あなたにこんなふうに言われて悲しかった」

その言葉を伝えることができるのは、 そのあとなのです。

 

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