「このまま夫は在宅で死ぬのかも」コロナ感染で覚悟を決めた直後の奇跡

ワクチン接種1回目の直後にご主人が新型コロナウイルスに感染、家庭内感染で自身も陽性となってしまったヨシコさん。そのエピソードを聞きました。

前編はこちらから

もう夫はダメかも…家族に救援を求めたところ、漢方が

自分の発症から5日目、万が一の場合も覚悟して、ヨシコさんはご自身の弟さんに感染を報告しました。すると、弟さんの奥さんと、そのお母さんが救援物資を持ってきてくれたのです。この二人が医療関係者なのは知っていましたが、この救援は予想外の嬉しい転機でした。

 

「夫はこれでも医学的には重症ではないのですが、横で見ていて無理だなと思うような症状でした。ずっと咳き込んでいますが、普通の咳ではなく、深いところから苦しそうに続く切れ間のない咳。そんな夫の症状を伝えたところ、二人が漢方薬を持ってきてくれたんです。これが夫には合ったようで、そこから細切れでも睡眠が取れるようになり、体力が少しずつ戻っていきました」

 

編集部より/漢方薬については日本感染症学会の考え方をご参照ください

 

6日目には弟さんがパルスオキシメーターも届けてくれました。計測したところ、ご主人の血中酸素はすでに93だったそう。ですが、自宅療養フォローアップセンターに問い合わせたところ、90を切ったら連絡してくれと言われたそうです。

 

「医療関係者である弟の奥さんからすると信じられない、90なんてもう呼吸不全を起こしてるという感覚なのだそうです。でも、それよりもっとひどい人がいるということなんですよね。幸い、漢方薬のおかげで回復していきましたが、もう仕方ないな、何が起きても諦めるしかないなという気持ちでした」

 

準備もなく突然コロナに倒れたとき必要なものとは

すでに発症日から10日+解熱から72時間たち、自宅療養の解除基準を満たしているヨシコさんですが、少なくとも8月いっぱいは出勤せず自宅ですごすつもりでいます。最後まで濃厚接触者の問い合わせはありませんでしたが、実はご主人はイベントや外出の自粛をそれほどしなかったタイプ。それでも、発症3日前からは夫婦とも誰にも会っていないため、幸いにして濃厚接触者は出していないようです。

 

「私は軽症の部類でしたが、とはいえ十分すぎるほどに辛い闘病でした。ネットスーパーには助けてもらいましたが、便利だったのはヨドバシエクストリーム。実は食料・飲料も豊富に揃うんです。メイバランスという、食欲がないときに飲める栄養ドリンクが、注文すれば速攻で届くのがほんとうにありがたかったです。コロナのすさまじい倦怠感の中では、荷物の到着が翌日なのか数日後なのか、送料はと一つずつ確認するなんてことがほんとうに辛いんです。何も考えなくても、1点ずつでも、全部が速攻で届くのがどれだけありがたいか」

 

誰が罹患するかすでに予期できない新型コロナ。感染を知った瞬間は誰でもパニックになり、また闘病中も刻々と変わっていく容態にパニックになります。自分は冷静だと思っていてもパニックになってしまうのは仕方ない。だから「万が一死亡してしまった際の申し送り」を体力があるうちに書くことで少し安心を取り戻せたとヨシコさんは振り返ります。

 

「先にかかりつけ医にかかって方針の相談をできればまた不安度も違ったと思いますが、夫婦二人の世帯だとそもそもかかりつけ医がない。そして、相談先である保健所は機能していません。いま東京でコロナに感染するというのはこういうことで、大げさではなく、よほどの軽症の人以外は死を覚悟することになると思います。ほんとうに皆さん、自分だけでなく家族を守るためにも、感染対策は念入りに行ってください」

 

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