尿もれだけじゃなく、「後ろ」のほうも悩みは多い。まるっと鍛えるケーゲル体操とは【宋美玄×アルテイシア】5

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更年期世代から始まり、閉経後の女性の約半数に起こると言われている「GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)」。

ひらたく言うと尿漏れ、頻尿、性交痛など「おシモ」の諸症状のことですが、なかなか周囲に相談しにくく、ひとりで悩んでいる女性も多い問題です。

そこで今回オトナサローネでは、産婦人科医の宋美玄先生と作家のアルテイシアさんをお招きし、読者50名の皆様と一緒に「おシモ」の問題に関してオープンに話す公開オンライン取材を開催しました。

1時間半の取材を13本の記事に起こし、丸ごとお届けする本連載。この記事は5本目です!

<<一本前の記事「更年期の生理不順は閉経のサインばかりじゃない。気をつけたほうがいい『病気』とは」を読む

【宋美玄×アルテイシア公開取材全文ログ#5】

更年期は遺伝する?

アルテイシアさん:更年期に関しては、私は母が早めに死んでるし、そもそも絶縁してたのでわからないんですけど、遺伝ってあるんですか?

 

宋先生:ん~、たとえば早めに閉経するとかは、多少は家族性はあります。

 

アルテイシアさん:母がきつかったから、自分もなるかも…くらいには、関係ある?

 

宋先生:いや、更年期が遺伝するっていうのは、あまり聞いたことないです。「お母さんがこうだったから」っていう呪いがかかってる人がいるけど、それはあまり気にしなくてもいいですよ。何人かの姉妹でも、更年期の出方はバラバラですから。

 

アルテイシアさん:確かに、生理の重さも違うもんね。

 

宋先生:妊娠のしやすさも違ったりしますから。

 

おしっこを「我慢しない」と頻尿になる!?

アルテイシアさん:また別の問題ですが、頻尿。私の友達でフェスに行ってた子が、もう行けないって言ってます。頻尿だから。

 

宋先生:頻尿問題は、日本の、小学校のときの授業が悪いって言われててね…。おしっこって我慢したら病気になるっていうイメージない?

 

アルテイシアさん:あ~なんか、我慢しないほうがいいっていうイメージはある。

 

宋先生:膀胱炎になるとかいうイメージがあるけど、実は「ちょっと行きたいくらい」で我慢しないでトイレに行きまくってると、貯められない膀胱になってしまうんです。で、膀胱訓練っていって、我慢してもらう訓練するんですよ。貯められる膀胱にするために。

 

アルテイシアさん:そうなんだ! じゃあ、ちょっと我慢してから行く…くらいのほうが頻尿対策になるの?

 

宋先生:ただね、切迫性尿失禁っていって、「トイレに行きたい!」ってなったら、もう待ったなしで間に合わないタイプの尿失禁の人もいるから、そういう場合は色々薬が出てますので我慢しないでください。そうじゃなくて単に頻尿だったら、まずは一回我慢してみる。そして、(我慢する時間を)伸ばしていく。でもフェスは厳しいかもしれないね。

 

アルテイシアさん:フェスで、カレー屋の横とかで尿漏れパンツを売ったら、売れる気がするんだけど(笑)

 

宋先生:尿漏れパンツも、「咳き込んでちょっと漏れる」くらいは受け止めてくれるけど、膀胱に溜まった一回分全部は受け止めてくれないよ。

 

アルテイシアさん:そうなると介護おむつだね…。頻尿っていうのは年齢的に避けられないものなのかな?

 

宋先生:まあ、ある程度は出てきちゃうね。私たちは寿命が長くなりすぎて、個人差はあるけれど、手術をしたりとか、薬を飲んだりとか、そういいう色んなものが避けられなくなってきている。

 

アルテイシアさん:50年の耐久くらいでしか膀胱も作られてないと思うから、100年には対応してないよね…。もう、体中のパッキンが緩んでる気がして、肛門も心配。オナラが出た瞬間に、便がでたかも?ってドキッとする。前門の虎、後門の狼。

 

宋先生:それは出産後の人には多いかも。肛門括約筋が出産時に断裂してて、若さで補ってたけど、アラフィフになって症状が出てくる人はいるね。

 

アルテイシアさん:便漏れのほうが一大事だよね。肛門にもケーゲル体操とかが効くのかな?

 

宋先生:ケーゲル体操は肛門にも効きます。尿道、膣、肛門をまるっと締めてる筋肉だから。

 

ケーゲル体操は、骨盤底筋のうち一番浅いところにある恥骨直腸筋に効くものです。恥骨直腸筋は、尿道、膣、肛門を締める随意筋(自分の意思で締めることができる筋肉)。肛門を締めたり尿を我慢したりするときに感じる「キュッ」とした感覚なんだけれども、間違ったやりかたによって腹圧がかかって、より骨盤底筋にダメージを与えてる場合があるから、一度理学療法士の指導を受けるのが望ましいけど…。

 

基本的には、「尿がしたい!」とか「尿がいっぱいだけどくしゃみが出そう!」みたいなときにギュッとしめると一応なんとかなる…みたいな体操のことです。俗に言う膣トレやな。

 

アルテイシアさん:膣で吸い込むようにギュッと上げる感じだね。

 

宋先生:背筋を伸ばして、臓器を全部持ち上げてからギュッと持ち上げるのが大切。姿勢が悪いまま締めても腹圧がかかっちゃう。

 

アルテイシアさん:背筋を伸ばしてやるのが大切なんだね。みなさん、今画面の後ろで鍛えてると思うけど(笑)頑張ってみんなで鍛えていきましょう!

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■アルテイシアさんの作品は!

 

離婚しそうな私が結婚を続けている29の理由』650円(10%税込)/幻冬舎

ヘルジャパンを女が自由に楽しく生き延びる方法』781円(10%税込)/幻冬舎

田嶋先生に人生救われた私がフェミニズムを語っていいですか!?』1650円(10%税込)/KADOKAWA

 

■宗美玄先生のクリニックは!

丸の内の森レディースクリニック

東京都千代田区丸の内1・5・1 新丸の内ビルディング9F

サイトはこちらから

 

(文/星雅代)

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