泣きたくても泣けないあなたへ【暮れの酉 幸せに気づくエッセイ♯8】
占い好きのあいだで当たると評判の占い師、暮れの酉さん。彼いわく、「運がいい」とは“幸せに気づきやすくなっている状態”のことをさすのだそう。誰のまわりにも幸せのきっかけはあるのですが、運が悪いとその幸運に気付きづらくなってしまいます。巡ってくる幸せを逃さないようにすることが大切なんですって。
そんな暮れの酉さんからのお守りのようなエッセイが電子書籍『あなたの目の前にある 幸せの気づき方』(暮れの酉)になりました。ながらくオトナサローネで連載されていたエッセイは、「読むとまるで占いに行ったあとのようにスッキリ前向きになれる」と人気を博しました。あなたに訪れる“幸せ”を逃さないための、暮れの酉さんのエッセイの一部をお届けしますね。
気持ちに向き合わず、感情を押し殺していませんか?
「涙活」というのが一時ハヤりましたよね。涙を流すことで、緊張状態をつくる交感神経からリラックス状態にしてくれる副交感神経に切り替わり、ストレスを解消することができるというものです。たしかに泣くことで、張り詰めた心を解きほぐしてくれそうですね。「自然に泣けないから、わざと悲しい映画を見たりして意図的に泣く」というのが涙活なんですが、悲しいときに自然に泣けるほうがなんだかよいような気がします。なんていうものの、実は僕も泣けないんです。
傷ついて悲しいときに泣ければいいのですが、悲しい気持ちから目をそらしてしまうんです。気持ちに向き合わずに逃げ道をつくってしまう。子どものころから泣くのを我慢してきたからかもしれません。「ここで泣いちゃいけない」という我慢をした経験は誰にでもあると思うのですが、「ちゃんとしなきゃ」という気持ちが強かった分、我慢も多かったような気がします。自分の気持ちを押し殺しているうちに、どんどん泣かなくなり、悲しいときやつらいときだけでなく、うれしいときや感動したときにも、心の振れ幅が小さくなってしまったように思います。
泣きたくても泣けないと思っているあなたも、もしかして、感情を押し殺したことが積み重なっているんじゃないですか。子どものころは感じるがままに泣いたり笑ったりしていた人も、大人になると感情を抑えなくてはいけない場面が多くなってきたのではないでしょうか。社会生活を送るうえで、感情に振り回されるのは困ります。荒れ馬に振り回されるのではなく、きちんと手綱を締めておくことは大切です。しかし、ずっといい子にしていろと言われては、どんな名馬もくたびれてしまいます。手綱をゆるめてのびのびさせてやることも、同じように大切なのではないでしょうか。
感情を押し殺して「いい子」を装ってきた人は、僕を含め、自分の感情に鈍感にならざるを得ません。自分の気持ちに背を向けて、見ないようにしてきたのですから。
気持ちを言葉で表現することも苦手なのではないでしょうか。ずっと心のなかにためてきたものを、我慢の末に爆発させてしまうというやり方でしか、気持ちをぶつけられないという人もいるでしょう。
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