【更年期と自律神経】イライラ・多汗・不眠…更年期の不調は我慢不要!自分に合う「セルフケア」の取り入れ方
更年期のよくあるトラブル・お悩み
40〜50代の女性の身体は、ホルモンバランスの変化や、冷え、ストレスなどから不調が現れやすいという前提の状態に加えて、
●親の介護疲れ
●親が亡くなる
●子どもの反抗期
●子どもの受験
●子育ての終わり(空の巣症候群)
といった年齢的なライフステージならではの環境や悩みが重なることで、更年期症状が悪化しやすくなるのみならず、精神病を併発しやすいという怖さがあります。
ただでさえ更年期でイライラしやすくなっているのに、周囲の環境要因によってさらにイライラが募って「おかしくなりそうだ」と感じる人も少なくないでしょう。ですので、本書「更年期と自律神経をととのえる本」は更年期に悩まれているご本人だけでなく、ぜひご家族や周囲の方々にも読んでもらってください。 「こんな不調が現れるんだ」「ホルモンの分泌が低下するから不調が出るんだ」と、理解してもらうことが大切です。
そして、夜の時間帯に悩んだり、調べごとをしたり、あれこれと思いを巡らせたりするのはなるべく避けましょう。このあとご説明しますが、更年期症状は五臓の「腎(じん)」と「肝(かん)」の働きの乱れが大きな原因となることから、「腎」が活発に働く時間帯とされる17時〜19時から、心身ともにリラックスした状態を作っていくべきだと東洋医学では考えます。ただでさえ夜の悩みごとはズルズルと時間が過ぎてしまいやすく、スマホなどでの調べごとから脳が覚醒して寝付きが悪くなってしまいます。いつの間にかこんな時間になってしまった、と後悔した経験のある人も多いはず。
そうした時間を過ごしてしまうと、今度は「肝」が活発に働く時間帯(午前1時〜3時)の睡眠の質が阻害されます。
こういった五臓の働きの側面からも、夜はゆったりとした時間を過ごすことが不可欠だと覚えておきましょう。
また、更年期症状は、東洋医学でいう「血(けつ:血液やホルモンのこと)」の不調を整えると改善していきます。更年期は子宮のホルモン分泌の乱れが深く関わってきますが、東洋医学では子宮を「血の海」と表現するほど、血の働きに連動すると考えます。
そして、夜は陰(副交感神経)の時間帯のため、血の働きを良くするためには夜の時間帯の過ごし方がポイントになります。なぜなら、東洋医学では血のことを「陰血」と呼ぶほど陰の時間(夜)と密接に関わっていると考えるためです。
したがって、良い睡眠を取ることで血を増やすことができるわけですが、そのためにも五臓の「肝」と関係の深い「胆(たん)」が活発に働く時間帯(23時〜午前1時)には入眠できるよう習慣づけると、更年期には非常に良い養生となります。なかなか23時までに就寝できないという人も多いかと思いますので、その場合はいつもより10分でも早く寝ることを意識してみてください。
また、更年期のよくあるトラブル・お悩みとして聞くのが、ついイラッとして余計なことを口にしてしまい、人間関係のトラブルに発展して後悔するというパターン。人間関係のトラブルは余計なエネルギーを使いますし、血の消耗にも繋がるので注意が必要です。
イライラしてしまうのは血と陰の不足が原因です。これらが不足すると陽気(交感神経)が盛んになり、身体に熱が発生し、頭へと昇り、感情の起伏が激しくなってしまいます。
そこで、少しでも熱を鎮静させるためには、やはり陰(副交感神経)と関わりの深い血を増やす必要があります。睡眠の改善とリラックス法の養生を行い、血を全身にスムーズに巡らせて心身ともに余裕を作りましょう。
東洋医学で「心身一如(しんしんいちにょ)」と言いますが、精神的な疲れが溜まれば、肉体的な疲れも溜まりやすくなるのは必然。心と身体は切り離せない関係にあるのです。
さて、血を増やすためには睡眠の質の向上が大切であり、陰が徐々に強まっていく夕方以降の過ごし方が更年期症状を左右することをご理解いただけたと思います。近年、更年期症状が若年化している原因の一つとして、女性の社会進出などで夕方以降にゆっくりとリラックスできる時間が確保できていないこと、睡眠時間の減少や睡眠の質の低下が大きく影響していると私は考えています。
女性にとって睡眠の質はとても重要です。東洋医学では、男女も「陰陽論」にしたがって分けることができ、女性は陰に分類されます。そんな女性に関係の深い陰の性質が更年期時期に低下するため、更年期障害は女性に多い疾患になるというわけです。
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