会話なし、レス1年以上。相手の好きなところも忘れてしまい…。30代夫婦の「危機的状況」を脱するカギは?【精神科医がアドバイス】

喧嘩すら起きない「無関心」が、心を冷やしていく

Q.会話なし、レス1年以上。夫婦なのに「他人」より遠い
(30〜39歳/女性/おでんさん)

結婚3年目、夫との会話が減った。仕事から帰っても「お疲れ」「ご飯ある?」だけ。休日も別々に過ごすことが増えた。レスも1年以上続いている。夫は口数も少なく、何を考えているかわからない。

子供の話が出ても「まだいいんじゃない?」と流されてしまう。もはや子供が欲しいのか、自分でもわからない。

義母からは「孫はもうちょっとかかりそう?」とプレッシャー。友人夫婦は幸せそうに見えて、比べてしまう。離婚するほどの理由はないけど、このまま一緒にいる意味も見出せない。

夫の好きだったところも忘れてしまい、自己嫌悪。診療に行くほどじゃないと思うけど、この停滞した関係をどうすればいいのか。

仕事のストレスを家庭に持ち込んでいる自覚はあるけど、改善できない。Tomy先生、愛情が冷めたわけではないのに心が離れていく夫婦関係を、どう修復すればいいですか?

 

「会話がない」のではなく、意志を持って「していない」だけ

A.「好き」の反対は嫌いじゃなくて「無関心」よ

ごめんなさい。結構危機的状況かもしれないなと思っちゃいました。一緒にいる意味って、探すものではなくて、ただ感じるもの。

お話を聞く限りだと、二人の間に流れているのは無関心。好きの反対は嫌いじゃありません。無関心なの。

まだ毎日お互い好き勝手言い合って、喧嘩ばかりしているほうがいいわよね、とすら思うのよ。

だって「怒り」っていうのはね、相手に「わかってほしい」「変わってほしい」というエネルギーのぶつかり合いでしょ?

形は歪んでいても、それはまだ相手への希望という「愛」が残っている証拠よ。でも無関心は「どうでもいい」という冷徹な放棄。そこにはエネルギーはおろか、愛の欠片もない真空状態があるだけなの。

「愛情が冷めたわけではない」とおっしゃるけれど、今の状態は冷めかけている可能性があるのではないかしら。そして、それすら認めたくない気持ちがあるのではないかしら。

ではここからどうしたらいいか。まずはコミュニケーションよ。

コミュニケーションって、無関心だと取らなくなる。そして取らなくなると無関心になる。それがスパイラルのように続いて、本当に冷めてしまうのよ。

逆に言えば、コミュニケーションを取ると、お互いへの興味が増す。興味が増すとコミュニケーションが増える。そういうスパイラルも作れるということです。

 

「共体験」がコミュニケーションの着火剤になる

というわけで、会話をするべき。会話って、勝手になくなるものじゃない。会話していないのよ。自分の意志で会話をやめているの。

「疲れるから」「面倒だから」って、会話のシャッターを下ろしていては、変わるものも変わらないわ。

あなたは「平和を守っている」つもりかもしれない。けれど、それは二人の関係への「期限切れ待ち」と同じこと。言葉という栄養を与えなければ、愛なんてあっけなく餓死しちゃうわよ。

だから、何でもいいから会話を増やす。おはよう、おやすみ、ありがとう、ごめんなさい。こんな基本の言葉からちゃんと言う。

なぜ友人夫婦が仲良く見えるか、考えてごらんなさい。めちゃくちゃコミュニケーションをとってるでしょ。仲が良いって、コミュニケーションが頻繁なことよ。話題がないとか言わないで。無理にでも振るの。

あと、コミュニケーションをとるときに大切なのが「共体験」。一緒に何かを体験して。すると、それに関して自然と会話が増えるから。

一緒にテレビを見るとか、新しくできたお菓子屋さんのケーキを一緒にシェアするとか、何でもいいの。

今言ったことを、今日からでもいいから、少しでもいいから実行して。まだ大丈夫なうちにね。

 

【Tomy先生のアドバイス】
今の二人は「無関心」という危機的状況よ。 「話題がない」なんて言い訳せず、無理にでも話しかけて。 同じケーキを食べるだけでも、会話の糸口になるわ。

 

ここまでの記事では、人生の焦りや「理想の人生」という思い込みとの向き合い方、そして会話が減った夫婦関の係性についてご紹介しました。つづく関連記事では、更年期の不調との向き合い方や、「空の巣症候群」と呼ばれる心の変化についての話をお伝えします。
つづき>>「女性として終わってしまった感覚」…50代、体と心がバラバラになる「説明できないつらさ」は更年期のせい?【精神科医がアドバイス】

 

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著者略歴: 精神科医Tomy
1978年生まれ。東海中学・東海高校を経て、名古屋大学医学部卒業。医師免許取得後、名古屋大学精神科医局に入局する。日本精神神経学会認定専門医。精神保健指定医。39万フォロワー突破のX(旧・Twitter)が人気で、テレビ・ラジオなどマスコミ出演多数。著書『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)に始まる「1秒シリーズ」は、36万部突破のベストセラーとなった。『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)の小説シリーズも反響を呼ぶ。『精神科医Tomyの気にしない力』(だいわ文庫)、『精神科医Tomyが教える50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)ほか著書多数。

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