やっと別居したのに、夫の怒鳴り声が頭から消えない。妻を苦しめたモラハラの“後遺症”

2026.09.09 LIFE

離婚や別居をすぐに選べない背景には、夫からの言葉の影響もある

振り返ってみると、Sさんには「夫に依存している部分があった」という自覚があるそうです。

夫はSさんに対して、「ダメな妻」「無能な母親」「ブス」「ババア」などの言葉を浴びせ、仕事や趣味、友人関係までも否定してきました。そのたびに、Sさんの自信や自尊心は少しずつ削られていったといいます。

「何もできないくせに」「本当にダメな女だ」と言われ続けるうちに、Sさんは、夫がいなければ自分は生きていけないのではないかと思い込むようになっていました。

「夫は私に暴力を振るうわけではなかったので、私のためを思って言ってくれているのだと勘違いしていました。

本当は、夫と離れることで自分の体と心を守ることができるはずなのに、私は今も、夫と別居していることに不安を感じています。

夫と離れたことで、夫に嫌われるのではないかと不安になるのです。嫌われたら離婚しやすくなるのだから、むしろよいはずなのに、それでも夫に嫌われることが怖い。いつも夫に嫌われないように気をつけて生きてきた習慣なのかもしれません。

そして、夫に憎まれることもとても怖いのです。夫が私にどんな復讐をしてくるのか考えると、怖くて仕方ありません」

毎日のように暴言を浴びせられたり、無視されたりしていると、自分の意思や感覚に自信が持てなくなっていくことがあります。

何が正しくて、何が間違っているのか。自分は本当に悪いのか。冷静に判断することが難しくなり、夫の言うことやすることがすべて正しく、自分が間違っているのだと思い込んでしまうのです。

「自分が至らないから夫は怒る」「自分がきちんとできていれば、こんなことにはならない」。そう考え続けるうちに、「自分はダメな人間だ」という思い込みが深く根づいてしまうこともあります。

こうした状態から抜け出すためには、自分が夫から何をされているのかを、第三者の視点で見つめ直すことが大切です。

夫と一定期間離れることで、少しずつ冷静さを取り戻し、自分が置かれていた状況を客観的に見られるようになる場合もあります。そして、「悪かったのは自分だけではなかった」と気づけることもあるのです。

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