【40代編集長の婚活記#155】フラれる予感⁉ 「恋人の病気」が発覚して
病気のときに痛感する「一人の不安」
当時の自分が感じた、一人でいることの孤独と不安を思い出していた。しばらくの間、眠れない日々が続いた。周囲のほとんどの人には気づかれないよう、淡々と仕事をしていたけれど。
あぁ、あのときの私は心から誰かにそばにいてほしかった。だから、彼も……。
アサミ「実は私も、数年前に検査である病気が見つかったことがあります。そのとき家に一人でいることが不安で不安で仕方なかったんです。そばに誰かいて欲しいと思ったんです」
少しでも彼の病気を理解したいし、孤独と不安を和らげたいと思った。
アサミ「だからジェントルさんのそばにいたいなって……。ごめんなさい、一方的ですよね」
自分のことをオーバーラップさせながら、精一杯、自分の気持ちを伝えた。
病気で悩む彼の、そばにいたい
そのメッセージに対して、すぐに返信は来なかった。さっきまではポンポンと届いていたのに。
もしかして何か発作が出て苦しんでいるんじゃないかしら?
返信がすぐ来ないことなんて今までだってあったけれど、心配でほかのことに手がつかない。居ても立っても居られないと感じたころだった。
ジェントル「不安もありますが、それ以上にアサミさんに迷惑をかけることはできないと思っています。どうかわかってください。すみません」
彼は一貫して、私に迷惑をかけたくない、ということを伝えてきた。
アサミ「はい、わかりました。迷惑だなんて思ってません。ジェントルさんは私にとって大切な人です。支えたいと思っています。でも、今夜はごめんなさい」
本当に迷惑だなんて思わなかった。それよりも、一人で病気と向き合っている彼の不安な気持ちを考えていた。何もできないけれど、そばにいたい……。
彼の本音がのぞいた?
ただ、その次に彼から届いたメッセージで、少しその気持ちが揺らいだ。
ジェントル「すみません。今は本当に無理なんです」
え……⁉ “無理”という言葉選びに、ドキッとした。
ジェントル「自分に何かがあって、離れて住んでいる子供に会えなくなると思うと恐怖です。今は健康を取り戻すことに専念させてください。お願いします」
なんとなく、私を拒む気持ちが垣間見えた。そうだ……彼には子供がいるんだ。そして元奥さんだっている。私と同じ一人暮らしの独身だけれど、そこは決定的に違う。
彼が一番大切にしている人は子供。何かがあったとき真っ先に伝えるのは子供であり、その子供と一緒に暮らしている元奥さん。おつきあいはしているけれど私じゃない。それは当然のこと。
ただ、私に頼るつもりはないという強い意志に一抹の寂しさを感じずにはいられなかった。
スポンサーリンク