年齢に抗うことをやめてみた|50歳までにやめること
オトナサローネの読者のみなさん、こんにちは。「予防医療」のスペシャリストで、医師の桐村里紗です。
この連載では、人生100年時代の折り返し地点、50歳になる前にやめたい悪習慣についてお伝えしていきます。
今日は、年齢を意識せざるを得なくなる年代に、あえて「年齢に抗う」をやめることを提案します。
【ネオヘルスケアドクターLISAの「50歳になる前にやめる100のこと」#5】
アンチエイジングは「気分」じゃない
最近、心がざわつくのです。
「アンチエイジング」という言葉に。
日本の女性が、ある程度の年齢に達すると、なんだか強迫観念のように自分の年齢に抗わなければならない気配が周囲からじんわりと迫ってきます。
「若いね」が女性にとっての最高の褒め言葉である日本社会ですから、女性のピークは20代という考え方が暗黙の了解になっています。
アイドルや少女趣味のアニメ文化をもCOOL JAPANとして世界に輸出した日本ですが、男性陣は、他国と比較しても若い子推し比率は多めのようですね。
男性の描く理想の女性像が集合意識に刻み込まれている為か、当の女性陣も30代を超えたら「私、もうおばさんだから…」などとぼやき始め、オンナとしての人生は終焉を迎えて…
なんて、ちょい待ち!
前半戦も終わらぬうちから、試合放棄するなんて!
青臭い20代に本当に戻りたい!?
本当に、若さは価値で、年齢を重ねることは否定され、抗わなければならないことなのでしょうか。
自分について考えると、20代など、浅はかで穴があったら入りたいほどの経験も多々ありますから、二度と戻りたくありません。
確かに、写真を眺め返すと、やっぱり今より若いのは確かです。
が、
So what!? ですよ。
私自身の現在の見た目としては、4年前から始めたサーフィンのお陰で、手の甲にも頰にもシミもできてしまっておりますよ。
自然派ですので、レーザーも未踏ですし、コンシーラも塗っておりませんので、包み隠さず。
ただし、自分としては、総合力として、圧倒的に今の方がイケてます!色々な意味で!
自己肯定感、上等です。
年齢に抗いたいと願う、その心は、今の自分を否定することでは無いでしょうか。
本来、年齢を重ねることは、経験を重ねること。
辛いことや苦しいことも様々に乗り越えて、思考の枠組みは広がり、人間的にも深みが増していきます。
それなのに、若くないというだけで、自己否定する必要ありますか。
ココ・シャネル曰く、女は40から
恋愛や愛情面についても、ネガティブに考える必要はありません。
若さだけが取り柄で青臭い20代の頃は、表面的な美しさのみに誘われた男性がホイホイ寄ってきたかも知れませんが、そんな男との関係は長続きしません。
年齢を重ねて、内面的な人間力も踏まえて好きになってくれる男性の愛こそ、大切にすべきです。
生涯、恋愛を楽しんでいたココ・シャネルも、
女は、40を過ぎてから初めて面白くなる
と仰っておりますよ。
でも、自己否定していたら、せっかくの魅力もかすんでしまいます。
今ここ最高の自分を毎日祝う
人生日々学びですから、日に日に人間として成長して豊かになるとすると、毎日が自分のピークです。
だから、今ここ最高!
と、堂々と言い、年齢を祝っても良いのではないでしょうか。
確かに、放置してしまうと、年々お肌も内臓も衰えてきます。
それに対して何も対策をするなという訳ではありません。
心構えとして、年齢を否定することをやめて、年齢を重ねた自分を肯定し、受け入れ、愛すること。
その上で、その自分が常に最高に輝き幸せでいられるように、ヘルスケアやスキンケアをポジティブな気持ちで行うこと。
「アンチ」は、ちょっと時代とも合いません。
今の気分は、もっと、軽やか。
年齢に抗うのではなく、年齢と共にある美しさへ。
【ネオヘルスケアドクターLISAの「50歳になる前にやめる100のこと」、週1回、土曜の夕方に配信!】
文/内科医・認定産業医 桐村里紗
tenrai代表取締役医師。1980年岡山県生まれ。2004年愛媛大学医学部医学科卒。内科医・認定産業医。治療よりも予防を重視し、最新の分子整合栄養医学や生命科学、常在細菌学、意識科学、物理学などをもとに、執筆、webメディア、講演活動などで、新しい時代のライフスタイルとヘルスケア情報を発信。著書『日本人はなぜ臭いと言われるのか 体臭と口臭の科学』(光文社新書)ほか。
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