
10万以下でも「医療費控除」を受けられる?何を準備すればいいですか?
元国税局職員さんきゅう倉田です。
芸人になって10年。始めた頃は、すべての芸人がネタだけで戦っていましたが、時代は変わり、特技や特殊能力で勝負するようになりました。
ぼくも、芸歴5年目くらいから、税の勉強を始め、今に至ります。勉強すると、好きになるものですね。毎日、税金のことばかり考えています。
今回は、12月に好評だった医療費控除について。一般的には、年間の医療費が家族合わせて10万円必要で、所得が200万円以下ならば、医療費が所得の5%を超えていれば医療費控除を受けられますよ、と紹介しました。
今回は、医療費控除の具体的な手続きを解説します。
マイナンバーカード方式とID・パスワード方式?
医療費控除は、社会保険料や生命保険料のように、年末調整では対応できません。あなた自身が確定申告をする必要があります。
確定申告は、自宅のパソコンで国税庁の「確定申告書作成コーナー」にアクセスするか、税務署や確定申告書作成会場で行います。パソコンがなくても、会社員、パート・アルバイトの方は、スマホでも確定申告ができます。
確定申告で個人を証明するためには、マインナンバーカード方式とID・パスワード方式があります。
ID・パスワード方式は、税務署や確定申告書作成会場で、職員に身分証明書を見せて発行してもらいます。前年に、確定申告をした方は、IDとパスワードを持っている可能性が高いです。前年の確定申告書の控えと一緒に、IDとパスワードが書かれた用紙を保管していないか、確認しましょう。
マイナンバーカード方式で申告する場合は、マイナンバーカードを読み込むカードリーダライタが必要です。
最近、AndroidやiPhoneでも、NFC(おサイフケータイなどに使われている近距離通信の規格の一つ)でマイナンバーカードが読み取れるようになったようです。パソコンとペアリングしたり、アプリをインストールしたり、いくつかステップがありますので、やや時間はかかりそうですが、ほとんどの人が自宅でマイナンバーカードを読み取れるならば、画期的な改善といえます。
医療費控除で準備する書類は2つ
確定申告で医療費控除を受けるなら、2つ必要な書類があるので、事前に準備をしましょう。
税務署に行ってから足りない書類がわかり、ゴネているお父さんやお母さんをみかけます。職員さんは薄給で頑張ってくれています。無茶で理不尽な要求は控えましょう。誰かが暴れると、その分、他の納税者への対応が疎かになります。
会社員、パート・アルバイトなら、勤務先から交付された源泉徴収票が必要です。提出の義務はなくなりましたが、これがないと、収入や源泉徴収税額がわからないので、確定申告書を作成することができません。
次に、「医療費の明細書」を準備します。
以前、医療費控除を受けたことがある人は、医療費の領収証を封筒に入れて、合計金額を封筒に書いて、提出していたと思います。今は、ルールが変わって、「医療費の明細書」を記入すれば良くなりました。
医療費の明細書は、住所と名前を書いて、医療費通知に記載された金額を書くか、医療費通知に記載されていなければ、領収証やレシートを見て、記入します。
医療費の通知は、健康保険組合が「医療費のお知らせ」などの名称で送ってくれるようです。それを見て、医療費の金額を書きます。
以下の①から⑥までが記載されているのが、医療費通知になります。
① 被保険者等の氏名、②療養を受けた年月、③療養を受けた者、④療養を受けた病院、診療所、薬局等の名称、 ⑤被保険者等が支払った医療費の額、⑥保険者等の名称
保険証を使わなかった支払いも対象になる場合がある
それ以外にも、自由診療で保険証を使わなかった場合や薬の購入があれば、医療費控除の対象になりますので、領収証やレシートを見て、名称、区分、金額を記入します。
最後に、控除額の計算をします。「保険金などで補てんされる金額」とあります。医療費控除は、あくまで、自分で負担した医療費のみを控除の対象としているので、加入している保険でまかなわれた医療費は、差し引くようになっています。
2月17日から確定申告期間です。制度を知っている人だけが、控除の恩恵を受けられます。制度を知らなかったために控除を受けなくても、行政はお知らせしてくれません。自分で勉強し、申告した人だけが、得をするので、日々、情報を集めるようにしましょう。
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