神戸っ子マストの絶品手土産♡「フロイン堂」のビスケットとパイ

年末年始は実家の赤穂郡で過ごした私ですが、年が明けて、神戸に戻ると、正月気分もじわじわトーンダウン。お重の中の栗きんとんやお土産に持ち帰った羊羹など、和菓子を堪能した年始ですが、日常暮らしが始まると、おやつに楽しみたくなるのは、洋菓子。洋菓子の街・神戸に居る時間の方が、故郷よりも圧倒的に多くなってしまったせいかしら。

(取材・文/スイーツライター いなだみほ)

 

とはいえ、神戸に戻ってまず最初に食べたいなあと思ったのは、真っ白な生クリームを使ったショートケーキでも、洋酒の効いたフランス菓子でもなく、これ。神戸市東灘区岡本にある老舗ベーカリー「フロイン堂」のビスケットとパイです。

ビスケット 5枚入り340円、10枚入り680円。ハート型のパイ、パルミアは5枚入り410円。

「フロイン堂」は、創業1932年。のどかな岡本の町に昔からずっと変わらず在るパン屋さんです。戦災も阪神淡路大震災の被害も免れた店構えは、古き良き昭和の雰囲気を醸し出すノスタルジックな一軒家。木枠の懐かしい引き戸の奥に見えるレトロなショーケースには、看板商品の食パン、食パン生地にくるみを混ぜ込んだくるみパン、ずっしりとした田舎パンやライ麦パン、ぶどうパンや揚げたてをこぞってお客さんが買いに来るあんドーナツ、ぶどうドーナツなど、変わらない味が並んでいます。

 

「フロイン堂」のご主人は、現在84歳の現役パン職人・竹内善之さん。先代が亡くなった38歳の時、「親父さんの味を続けなければ…」と2代目として跡を継がれました。

 

竹内さんのパン作りは、朝早く起きて、まず大きな木の桶で生地を30~40分かけて手で捏ねることから始まります。店の奥、半地下になった工房は、まるで秘密基地のよう。手捏ねした生地は、木製のホイロで発酵させ、昭和19年から使い続けているレンガ窯で焼いていきます。家と一体となったようなレンガ窯の大きさ、古さは圧巻!そして、パンを捏ねる桶や生地を入れる容器の年季の入り具合にも驚きます。「このレンガ窯や道具じゃないとうちのパンもお菓子も作れないんです」と竹内さん。「特に窯は日本でいちばん古い、一層式の窯じゃないでしょうか。戦災、地震にも耐え抜いたがんばりやの窯なんですよ」と語ってくれました。

朝いちばんに窯に火入れをし、レンガを焼いてその余熱でパンを焼いていくスタイルは、今もずっと変わらず。数年前までは、くぬぎなどの薪をくべて火をおこし、パンやお菓子を焼いていたそうですが、現在は薪が手に入りにくくなったことからガスに変更。「薪でもガスでも、温度調整が難しいんです」。生地の膨らみ具合で窯の中のどのあたりに並べるか、位置を調整したり、焼き上がりの時間なども毎回微調整。季節や天気によっても生地の状態も変わります。

さて、午前中のハード系、午後の食パンが焼き終わったら、お菓子の時間です。パンを焼き終わった後、窯の余熱で焼いていくのは、ビスケット、パルミアという名のハートの形のパイ、バターケーキの3種類。パンを焼くためにしっかり高温になったレンガ窯が、少しずつ温度を下げ、じんわりとビスケットやパイに火を通していくところを想像するだけでも楽しい!タイミングが良ければ、ほんとうに焼きたてほやほやのビスケットやバターケーキを購入することもできるのもうれしい限りです。

もちろん、ビスケットもパイも卵を泡立て器で泡立てたり、生地を手で折り込んだとすべて手作業。そのため、多くは作られていないのですが、1枚1枚に愛情がたっぷり注がれているように感じずにはいられません。大きな丸やハートの形は、素朴!大きさや焼き色が少しずつ違っていたりするところも、手作りならではなのです!

 

ここでしか買うことができないから!と手みやげにされるお客さまも多いのですが、「自分用のおやつに!」と購入する神戸暮らしの人が多いのも実情。こうべっこのおやつの時間には、その素朴な丸い形のビスケットやハート型のパイが……。パンはもちろん、このビスケットとパイも、先代の味を守り、受け継いでいるご主人・竹内さんのように実直で素朴でやさしい味がします。

 

神戸を訪れた際には、ぜひ「フロイン堂」でビスケットとパイを!ここにしかない味を持ち帰ってみてください。

フロイン堂

神戸市東灘区岡本1-11-23

☎078-411-6686

営9:00~19:00

日曜、祝日休み

Pなし

阪急岡本駅から徒歩1分

 

(取材・文/スイーツライター いなだみほ)

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