閉経の平均は?40代女性の不調を「かかりつけの婦人科」で相談するには

微熱が続く、ちょっとダルい、お腹の調子もなんだかよくない。でも風邪でもなさそう。

原因がわからない不調がずっと続くとき、あなたはどうしていますか? とりあえず薬局の総合感冒薬を飲む? ビタミン剤を買ってみる? 野菜をとったり、運動したり?

女性の心身の健康をケアしてきたよしの女性診療所」院長の吉野一枝先生からのアドバイスは、「そんなときのために、かかりつけの産婦人科医を持ってほしい」。でも、お産でもないのに産婦人科医?

 

まず婦人科、それから他科へ

これから50歳にかけて、少しずつ更年期へと向かっていくアラフォー世代。熱と咳など明らかな感染症の症状がある場合は別として、漫然と不調が続く場合はまず婦人科にきてほしい、というのが吉野先生の助言です。

「私たち婦人科はホルモンのエキスパート。いろいろ回ったけれど、結果的に更年期障害だったというケースはよくあります。ただし、微妙な不調のとき、自分でどの科にかかればいいかの判断は難しいもの。ですから、普段からかかりつけの婦人科を持ってほしいのです」

 

男性の健康管理は考えられているが

例えば会社勤務の人たちが受ける定期健康診断。実はあの内容は男性向けです。そもそも健康診断は明治期に炭鉱労働者を対象に始まったものだそう。今でもメタボなど男性の健康問題が中心で、女性のことはそれほど考えられていません。「日本は女性の健康管理については後進国。従来、更年期や思春期のことは誰も気にしない、研究しないテーマでした。女性には女性の健康問題があるにもかかわらず、です」。と吉野先生。だからこそ、私たちはある程度意識的に自衛をする必要があるのです。

 

戦後、女性の月経回数は激増した

吉野先生によれば、つい戦前まで、女性の生涯の月経回数は50回程度だったのだそう。生涯でたった50回だなんて、にわかには信じられませんよね。でも、かつての女性は次々妊娠出産を繰り返していたため、月経が止まっている時間が長かったのだそう。

昨今はこの状況も激変しました。11~12歳ごろ初潮を迎え、51歳ごろ閉経、30日周期というごく平均的な人の場合で、単純に掛け算して450回以上。毎月容赦なく繰り返される排卵と月経により、子宮内膜症、子宮体がん、卵巣がん、乳がんなどのリスクは上がっています。

 

女性の身体に「何が起きるか」を知っておく

一般に女性ホルモンというと、健康ホルモンとも言われるエストロゲンを指すことが多いそう。卵胞ホルモン・エストロゲンと、黄体ホルモン・プロゲステロンが身体のホルモンバランスをコントロールしています。

ところが、エストロゲンは35歳ごろから分泌が低下。40歳以降にはぐんと下がり、最終的に閉経に至ります。30代までは身体を守ってくれていた女性ホルモンが急に低下することで、高血圧、高脂血症、頻尿や尿失禁、動脈硬化、認知症、骨粗鬆症などにかかりやすくなります。そのほか、女性は男性の2倍うつが多いのですが、うつでの自殺率は男性より低いことが知られています。

イメージ通りのほてり、のぼせなどの更年期障害のほか、様々な不調が起きるものだということ、またそんな不調もこの先ずっとは続かずいつか終わるものだということを知っておくことは、この時期を乗り越えるために大切です。

 

「治療」を恐れず、まずは相談

こうした更年期障害はホルモン剤を使った治療も可能です。が、そもそも治療ができることを知らない人も意外に多く、また、知っていても「乳がんリスクが上がる」など過剰に怖がりがちなのだそう。すでに乳がんに罹患している場合など、ホルモン剤を使えないケースもありますが、そういう人もサプリや漢方などが使えます。「打つ手はある」のです。

「団塊世代が更年期にさしかかった結果、この10年20年でホルモン補充療法に使う薬剤の種類はずいぶん増えました。内服薬のほか、貼付剤やジェル剤などより使いやすいものも増えています」と吉野先生。それだけ「治療」を積極的に行う人が増えているのです。つらさを我慢せず婦人科医の診断を受けることが大事です。

 

生活の見直しで対処できることもある

このほか、充分な睡眠と適度な運動での規則正しい生活を送り、バランスのよい食事を選ぶことが重要です。サプリも積極的に摂っていくほうがいいでしょう。日本人は更年期症状の一つ、ホットフラッシュの発症が西洋人に比べて低いのですが、これは大豆イソフラボンをたくさん摂っているおかげではないかと考えられています。大豆イソフラボンを女性ホルモン状に働くエクオールに代謝できるかは、一説に幼少期の食生活に左右されるとも。でも、エクオールが代謝できない人はエクオールそのものをサプリとして摂取することができますからご安心ください。

 

日本の女性たちは我慢強い

このように、身体と心のセルフケアを重視する上で、もう2つ心がけたいのが「ストレスマネジメント」と、「かかりつけの婦人科(産婦人科)を持つ」こと。女性が一生つきあうホームドクターとして、ぜひ婦人科を選んでもらいたいのです。

吉野先生はこうエールを送ります。

「アラフォーからアラフィフは、男女均等雇用法が施行されたのち、がむしゃらに頑張ってきた世代。アィティブで積極的ないっぽう、どうしても仕事や他人の都合を優先し、無理をしがち。が、これからはどうか『自分ファースト』に切り替えていってください」。

 

 

吉野一枝先生/「女性医療者連合(JAMP)」発起人、副代表、「よしの女性診療所」院長(産婦人科医・臨床心理士)。帝京大学医学部卒業。東京大学医学部付属病院産婦人科、長野赤十字病院、藤枝市立総合病院などの産婦人科に勤務後、2003年によしの女性診療所を開院。2017年には発起人・副代表となり、全国の女性医師・歯科医師・薬剤師が集まって女性の健康推進を提唱する「女性医療者連合(JAMP)」を立ち上げた。 よしの女性診療所 http://www.drkazue.jp/link.html  日本女性医療者連合 https://jampwomen.or.jp/

 

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エクオールを手軽に摂取できる「エクエル」

この吉野先生の講演は、大塚製薬が実施する「ホルモンケア推進プロジェクト」の一環として行われました。女性の健康の鍵を握るエストロゲンとエクオール。大塚製薬が世界で初めて大豆を乳酸菌で発酵させて作ったのがエクオール含有食品が「エクエル」です。成分は大豆胚芽の成分とほぼ同じです。大豆のダイゼイン類がエクオールになったものが「エクエル」。抽出、合成、濃縮は一切せず、香料、保存料も仕様していません。

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