【40代編集部長の婚活記#282】恋人いない歴9年の40代独女が「囚われていた呪縛」
ジェンダーをこじらせて…
「こじらせジェンダー」でいることは、高校生くらいまではさほど問題ではなかった。地元という限られた世界で生きていたことと、高校生まで少年のような体型だったことが、功を奏した。
ところが、大学生、社会人となって世界が広がり、また遅ればせながら20代になって曲線的な体型に変化していったことで、自分の中でも「こじらせジェンダー」でいられなくなり、周囲もそんな風に捉えてはくれなかった。
お付き合いする人ができれば「私は女性なんだよな」と受け容れることもあったし、女性らいしファッションやメイク、髪を素敵と思う気持ちも芽生えた。
でも、仕事で知り合ったまったく男女関係ではない相手から胸の大きさのことを指摘されたときは、心の底から「胸を削ぎ落としたい」と思った。でも、恥ずかしがったりすると逆に舐められる気がして、むしろ開き直って強調するようなファッションを着ていたこともあった。
女性らしさに対する、相反する気持ち
大人になった「こじらせジェンダー」は、女性らしさを排除しようとする気持ちと、やっぱり女性的なものに憧れる気持ち━━2つの感情が複雑に絡み合っていた。
「男らしいね」「女にしておくのもったいない」なんて言葉をよろこび、「女らしいね」と言われないような行動、発言をする。女性扱いされないように。その一方で、かわいいもの、キラキラしたものが好きだったりする矛盾。
いわゆるミソジニー(男性にとっては女性蔑視だが、女性にとっては自己嫌悪)に陥ってしまい、自分の中の女性性を受け容れられないまま20代、30代、40代を過ごしていた。
さらにいえば、自分が「こじらせジェンダー」や「ミソジニー」であることにも気づいていなかった。
女性扱いはイヤだったハズなのに
そんな複雑な感情で40数年生きてきた私の「本質的な気持ち」に気づかせてくれたのが、ジェントルさんだった。
まず、彼のレディ・ファーストな立ち居振る舞い。
初めてのデートのときから、彼は一貫してレディ・ファーストだった。料理を取り分けてくれたり、ドアを支えてくれたり、歩くときやエスカレーターやエレベーターに乗っているときは私をエスコートするような立ち居振る舞いだったり。
過去のデート相手にレディ・ファースト的な男性がいなかったので、「え、こんなことしてくださるの!?」と感動したし、何より女性扱いされていることに「うれしい」と感じている自分に驚いた。