保健所からの連絡が途絶えた。オミクロン対応、これは人災ではないか
早ければ2月上旬でピークアウトとも考えられていたオミクロン株の感染爆発。まだまだ予断を許さない状況が続きます。
陽性判定が出るまでのドタバタを聞かせてくれた大沢ミサトさん(45歳・会社員/東京都)一家の体験『オミクロンに一家で感染してわかった「これでいいのか」言い尽くせないほど理不尽なこと』に続き、その経緯を聞きました。後編です。
東京都から区に移管した瞬間に連絡が途絶えた
24日(月曜)には東京都福祉局が設置した自宅療養フォローアップセンターからSMSが届きました。
「20日に陽性の判定が出た夫に対して、この時点でやっと配食サービスの連絡が入りました。1人分だけお願いしたところ、25日にすぐ届いて。普段からネットスーパーも使っていますが、だるくて頭が回らず追加発注ができていなかったので、このタイミングで配食してもらえたのは本当に助かりました」
また、LINEで症状報告ができるようになったため、咳がひどくなったと記入したところ、数時間後に電話がかかってきました。
「悪化傾向にある人だけを拾い上げる仕組みなのはわかりますが、これが良し悪しで……咳喘息の症状が出ているが薬を飲んでいいのかがわからないと尋ねたところ、東京都のフォローアップでは判定できない、既往症がある場合は都から区の管轄に移るかもしれないと言われました」
しばらくして区の保健所から管轄が変わりましたと電話がきたものの、保健所も薬の服用については判断できず、かかりつけの医師に相談してくださいという返事に。
「医師でないと服用の判断ができないのはその通りで、正解の対応をいただいているのですが、明らかに忙殺されている区に私の担当が移ってしまったため、ここから二度と連絡がきませんでした。いっそ東京都とつながっていたほうが1日2回LINEで報告ができて安心感がありました」
その保健所からの電話も、21時半過ぎに「遅くにごめんなさい」とかかってきます。
「ごめんなさいもなにも、そんな時間に電話するくらい尽力してくれてありがたいなとしか思えないのですが、いっぽうで、デルタ株を経験したのに人海戦術のままという現実がどうなのか……対応方法をもっと変えられたのではないかと思いました」
備えはあればあるだけ役に立ちます。今すぐチェックして
幸いにしてクリニックとは連絡がつき、喘息の薬の服用タイミングの指示も受け、極端な悪化もなく快方に向かい、なんとか家族で感染を乗り越えられたというミサトさん。
「まだ喘息症状は残りますが、これがコロナ後遺症なのか、すでに飛んでいるスギ花粉なのか、何とも言えません。私たちはたまたま一家全員が重症化せず済みましたが、家族に1人陽性が出ると陰性の人にはいろいろな負荷がかかることは実感しました。感染する前から家事の軽減策を考えたり、ホテル療養に入ることも想定して連絡方法を作っておいたほうがいいなと思いました。備えはあればあるだけ役に立ちます」
まず、早め早めに発熱外来を探しておくことが重要。伸ばし伸ばしにしてしまうと、いざ発症したあと、身体が苦しい中で探すことになります。
「クリニックまでの行き方も確保しておく必要があります。既往症がある人はお薬を多めにもらうか、オンライン診療も探して処方を頼めるようにしておいたほうがと思います。私も、急激にコロナ症状が悪化していたら、咳喘息のことまでは頭が回らず相談できなかったと思います。また、ネットスーパーも案外と頭を使わないと注文ができないものだと実感したので、何度か使って慣れておいたほうがよさそうです」
3回目のワクチンはもう予約しました。今後の変異株もまだまだ怖い
ミサトさんの区ではすでに3回目のワクチン接種券が届き、3月上旬で予約を済ませています。いちど感染したならしばらくは感染リスクも少ないように感じますが、それでも3回目を急いで接種しますか?
「逆に、感染したので余計に怖いと思うようになりました。以前に感染した人がオミクロンにも感染した話を聞きましたし、ステルスオミクロンも話題です。また、軽症で済んだとしても、いちど感染すると誰かに移すのではないかという恐怖感が半端ないことも知りました。どれだけ対策しても安心はないのがコロナだと実感する体験でした」
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