【人生最後(かもしれない)ダイエット戦記19】たったひとつの冴えたやせるやり方?

生きていくにはナニが必要?マネー?ラブ?ライフ?どれかを割り切ったときにやせるらしいです。でもシャレにならない副作用もあるらしい…。

【人生最後(かもしれない)ダイエット戦記】Vol.19、始まります。

前回までのあらすじ:「ピンときたダイエット方法はあれこれ迷わず即試す」アラフィフ藤井。
16/10/3の連載第1回では63.8㎏、17/4/2の第18回で61.0kgと、8か月たっても体重はあんまり変わりません。
結果は見えてくるのでしょうか。

イケメン化していく私

週3回、肉体労働に勤しんでいます。ええ、ロシアンマフィア(仮名)に外堀埋められ、依頼された肉体系アルバイト作業から逃げられません。

 

マフィアは「名誉ある男」と自らを呼び、所属する組織を「名誉ある世界」と呼び、売春と薬物に手出ししないそうです。でも人身売買はするんだね、キミって。ま、いちおう女だもんね。

 

そんなわけで私は肉体労働とライティング業のダブルワークです。よって早寝早起きで生きております。

 

単純計算すると、週3で8時間の負荷の重いエクササイズを有酸素運動と無酸素運動をセットでやっているとも言えます。しかし筋肉痛と無縁な自分の頑強さが恐ろしくなる始末です。某大ヒットアニメの

 

「現実を受け止められないところだよ!」

 

ですよ、まったく。

 

私をそこに連れていったのは、「子豚ちゃん♡」とセクシーに囁きかけるR-18ボイスな全裸の超美形王子様(リビングレジェンドあるいは氷上の皇帝)ではなく、ハハッ!女ロシアンマフィアだけどね!

 

そんなこんなで仕事で失敗しつつも、慣れてまいりました。その頃には体重計に乗らなくても、体型が大きく変わっているわけです。特にお腹回り。骨がないところから脂肪は落ちるんだね!と笑っている場合じゃありません。

 

腹斜筋がぐいぐいと自らの存在感をアピールしている状態です。なんつーか…そう、アスリート並みに浮き出ています。ついでに背筋も猛烈に存在感をアピール。後ろ姿限定で現在の私は滅茶苦茶イケメンです。

 

後ろ姿で語れるイケメンな私は、来月48歳を迎えます。

 

規則正しい生活と運動の弊害

一見、早寝早起きと運動が習慣(ってより、すでに義務)という生活は健康的です。確かに自宅に閉じこもって、脳みそと手だけ使う毎日よりは明らかに健康的だとは思います。しかし本人の許容範囲を超えた場合はどうなんでしょうか。

 

その答えは春から夏に切り替わる時期に起こりました。

 

風邪をこじらせ、仕事を休まなければならない羽目になったのです。季節の変わり目で風邪は体力が落ちて、抵抗力も低くなっているときに起こりやすいもの。だから長引きやすいし、重症化しやすいわけです。

 

それに当てはまりました。

 

自然に治らない風邪はしんどい。医師からの処方薬を効かせるためだけに食べる食事は虚しい。なによりも寝込んでいる時間はまったく稼げないのが哀しい…。そんなわけで自らの脂肪たちがとりあえず生命を支える糧という状態に人生で初めてなりました。

 

こんな体験、したくなかった。

 

私が食欲を落とすレベルで体調崩すって、ホントにありえないんですけどー!人生始まって以来の(したくなかった)体験だよ!

 

そのくらい許容範囲を超えた健康的な生活は体力をゴリゴリ削ります。こんなときは誰かに八つ当たりしたくなるものです。しかし我が相棒は「あーはいはい」という塩対応こそが相手を支える本物の愛情と認識する男なので期待できません。

 

ならばこの事態を招いた根源、つまり犯人に向けましょう。

 

「おい、ロシアンマフィア。お見舞いに来い。ついでに病院も持ってこい!」

 

我ながら無茶を言うものです。

 

結果としては冴えたやり方だろうけど

そしてロシアンマフィアはビタミンCのサプリメントと、テイクアウトにしてもらったらしい参鶏湯を持って、我が家にやってきました。

 

「鶏丸ごとで、さらに滋養強壮効果のある漢方薬も入ってるからすごーく効くよー。食欲なくてもスープなら大丈夫でしょ?うふふふー」

 

美しく微笑みながら甘ったるい声で語るロシアンマフィアは天使の顔をした悪魔だと断言するしかありません。私はジャージ姿で、さらにいえば死んだ目で彼女を眺めていました。

 

「私、ちゃーんとアナタに愛はあるのよー。愛がなきゃ、こんな僻地までクソ重い参鶏湯持ってこないでしょー。特別にテイクアウトしてもらったのよー」

 

不信感しか映ってない私の目を平然と見つめられるロシアンマフィア。こいつの血は何色だ!?と私はぼんやりと思いました。

 

「っていうか、やせたねえ」

 

「ああ、健康的な生活が度を越して、不健康にやせましたけど?」

 

「ねーねー、体重測定しよーよ」

 

「ああ?病床にいた人間にそういうことさせるのか?」

 

「励みになるかもよー」

 

で、久しぶりに我が家の体重計に電源を入れ、測りました。

 

60キロ。

 

「あーはははー、やせたやせたー。えらいえらいー」

 

「不健康にね」

 

「最後に会ったときより、3キロはやせたね」

 

「不健康にな」

 

彼女は口元だけで微笑み、ばっと腕を広げました。

 

「祝福のハグしてあげるー。おいでー」

 

腹立ちまぎれに彼女の腕の中に納まると、ふんわりといい香りがしました。

 

「あのねえ、私の仕事に役立ってくれるアナタを私が手放すわけないでしょ。大事にするわよ。私のおカネを稼ぐ助けをしてくれる私のいい子だもの」

 

私は何してるんでしょう。この女、何言ってるんでしょうか?

 

とりあえず形になるレベルでやせたことは確かです。

 

教訓:健康的な生活はやせる。ただし自らの許容範囲を超えると、不健康にやせる。

結果:注意しよう。

 

ちなみに医師からの処方薬、休養、参鶏湯、ビタミンCのフルコンボで、こじらせていた風邪はあっというまに治りました。

 

今回の体重:60.0キロ(スタートから-3.8㎏)

 

 

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