更年期Q&A 更年期のホルモン補充療法は何歳まで続ければいいですか?他にも治療方法が?

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東京・銀座にある『女性の健康クリニック 小山嵩夫クリニック』。小山嵩夫先生は、25年以上にわたって更年期世代を中心に、女性の健康、QOL向上に尽力し、更年期治療のエキスパート。更年期女性の現状及び、臨床現場からの意見をいただいた。

【女性外来のパイオニア・小山嵩夫先生に聞きました#2】

Q.終わってみれば…で語られることが多い更年期症状。今の状況を客観的に把握するには?

A.簡略更年期指数(SMI)の活用もいいでしょう

「ご自身のツライ状態をきちんと聞いてくれる医師、更年期の治療法の提案やQOLを高めるアドバイスができるメノポーズカウンセラーを見つけることが大切です。また、自分の体を知るための簡略更年期指数(SMI)というものがありますので、これをネットからダウンロードしてチェックしてみてもいいと思います」

 

藤井「個人差があるとは言われる更年期症状ですが、私はSMIのすべての項目が中~強でした。今はHRTをしているため落ち着いてきていますが、自分の状況を把握するのに、SMIを定期的にチェックするのはありですね」

 

井一「このSMIは現在広く使われていますが、実は1992年に小山先生が策定したもの。このほか、日本産婦人科学会が2001年に発表した、21項目からなる日本人女性の更年期症状評価表も代表的です」

 

▶SMIが掲載された記事『「これって更年期かな…?」悩む前に知っておきたい「セルフ更年期指数チェック」って

 

Q.出てきている更年期症状ごとに適した治療法とは?

A.代表的なものは漢方とホルモン補充療法(HRT)

「更年期の不調は、女性ホルモンの低下だけでなく、自分を取り巻く環境、そして性格が絡み合い引き起こされます。そのため、のぼせやほてり、寝汗、関節痛や筋肉のコリ、体重増加といった身体的なものから、イライラや怒りっぽい、睡眠障害、気力の低下など、メンタル的な不調などさまざま。中でも、減少したエストロゲンを少量補充するHRT(子宮がある人とない人では、使用法に違いがあるため要確認)は、更年期症状には有効性が高く、ホットフラッシュや睡眠障害、気力の低下、肌や膣の乾燥といった症状に非常に有効です。

 

また、症状が強いと効果を自覚しにくいのですが、副作用が少なく、種類が豊富な漢方療法も有効。薬以外では、サプリメントやハーブ、アロマテラピー、マッサージ、鍼灸、ヨガや瞑想なども対処法として試してみて、症状緩和を感じられるようだったら取り入れていくのもいいと思います」

 

藤井「私は対処法も含めほぼすべて試している(笑)。でも、一番効果があったのはHRT。飲み始めて1週間くらいで不安症状が和らぎました」

 

井一「私は漢方療法が体に合っていたけれど、HRTを始めたくて婦人科を受診しましたが、断られてしまって。別のクリニックに行っても断られ、結局3軒も断られたんです(涙)」

 

Q.医師によってHRTを積極的にしないのはナゼですか?

A.医師の中にもまだまだ誤解があります

「2000年代にHRTと乳ガンリスクが注目され、一時HRTが忌避される大きな要因となりましたが、その後多くの研究結果から、乳ガンリスクは決して大きくないことが明らかになりました。ただ、このときの報告がセンセーショナルだったために、リスクを恐れ、治療に積極的ではない医師がいるのは事実です。また、更年期診察は話を聞くことが大切なのですが、保険診療だとこの時間を取ることが難しいという現状も関係していると思います」

 

井一「最近、更年期治療を診療科目に掲げている婦人科クリニックでようやくHRTを始められましたが、何とか気力を奮い立たせて相談しているのに、それをいとも簡単に『やらない・やっていない』と言われると、心がポキンと折れてしまいます。現代は更年期症状に悩む女性が多いのだから、この選択肢を誰もが受けられるようになることを切に望みます」

 

Q.HRTはいつまで続ければいいのですか?

 

A.一般に5年が目安ですが、制限はありません

「結論を先に言ってしまえば、HRTを制限する一律の年齢や投与期間はありません。日本産婦人科学科・日本女性医学会のホルモン補充療法ガイドライン(2017年版)では、5年以上のHRT継続で乳ガンが優位の上昇を示したことから、5年以上の継続を行う場合には、再度乳ガンリスクについて説明し、継続に同意を取る必要がありますが、当クリニックの患者様でも、一度HRTをやめても、しばらくするとまた始められる方が多くいらっしゃいます。HRTには、骨粗鬆症、脂質異常症、動脈硬化、うつ病など、病気の予防効果や健康増進効果もあるため、更年期を抜けた後も、これらを目的に続けられる方は多くいらっしゃいます」

 

藤井「私はHRTを始めて1年。30代のころのように、とはさすがにいかないけれど、気落ちは軽減され、毎日を過ごしやすくなったのは確か」

 

井一「このような方法があることを知っていると知らないとでは本当に違います。お守りがある感じですよね」

 

藤井「まだ月経が毎月規則正しくあるため、『いつ閉経するのか?』『いつまでHRTを続けるのか?』という自問は続きそうですが、希望すればずっと続けられるのは意外! もし止めたとしても、ラクになる方法を知っている、というのは、気持ち的に違うな、と思いました」

 

井一「読者からはこの先何が起きるのかの見通しを知りたいという質問をたくさんいただいています。ある程度予期していれば、同じ不調でも回避策も取れて過ごしやすくなると思います」

 

▶8月14日配信【この記事の続き】更年期と夫婦関係。どうすればこの辛さがうまく伝えられますか?【

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お話を伺ったのは…

小山嵩夫クリニック院長 医学博士

小山嵩夫(こやまたかお)先生

1968年東京医科歯科大学医学部卒業後、東京医科歯科大学医学部婦人科講師、同助教授を経て、1996年より女性の健康増進(若々しく元気に)を目的にした自費のクリニックを東京都中央区に開業。専門は、生殖内分泌、女性ホルモン、健康増進。2006年よりNPO法人更年期と加齢のヘルスケア理事長を務めながら、卵巣機能、女性ホルモンの啓発のためのメノポーズカウンセラー育成にも力を入れている。

 

女性の健康クリニック 小山嵩夫クリニック

更年期からの世代を中心に、女性の健康を総合的にサポートする自費クリニック。全身の基本的な検査から健康や老化度のチェックのための抗加齢的な検査を豊富に行っている。時間に余裕を持った診察と、ホルモン補充療法、漢方療法、オリジナルサプリの処方、各種点滴、膣レーザーの治療など、女性に寄り添う治療を提案。

 

東京都中央区銀座8-9-7 HULIC&New GINZA8 11F

TEL:03-6280-6201(要予約) 初診相談:03-6228-6132

http://koyamatakaoclinic.jp

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