コロナ後遺症に苦しむ人たちが例外なく口にする言葉とは?免疫学者がそんな人たちに「伝えたいこと」

東京都は17日、新型コロナウイルスの警戒レベルを引き上げました。すでに「第8波」に差し掛かったと見られています。
そんな中、「不謹慎と言われるかもしれないけれど、ぼくはコロナにさっさと感染して、即元気になるのが、いま最良の選択肢ではないかと思っています」と述べるのは免疫学者・外科医・漢方医の新見正則先生です。

感染した人はみんな後悔する。でも、後悔なんてしなくていいんです

――私はインフルエンザもコロナも従順に接種を受けるタイプなので、打たないという選択をするほうが勇気がいります。
それでいいんです。この局面で大切なのは「運と直感と健康力」だとぼくは思います。直感は研ぎ澄ますことができますから、直感に従って打とうと思う人は打てばいいし、打たないという選択肢もいまや否定できません。ただし、打たない選択をするなら弱いカードとはいえ明らかに1枚捨てるのですから、その分だけ自分を守る努力をしないとなりません。
逆に、ワクチンを打ったからといって安心はできません。現状はワクチンを打っても他の対策を怠れば感染する可能性があります。さらに言えば、どれだけ頑張って対策をしても運がないなら感染します。これだけ広く流布したならもう感染は運の問題でしかない。これらに対策するには健康力を高める、すなわち免疫力です。
――健康力を高めるとは?
普段の生活を少しだけ「健康によいこと」側に振り向けて、コツコツと積み重ねてください。一つ一つの行動を「健康側」で選択していくんです。
ラーメンと焼き鳥だったら焼き鳥で肉を食べる、お酒とお茶を選べるなら2杯目からはお茶にする、夜更かしをせず寝られる日があれば迷わず寝る、朝はがんばって一定の時間に起きる、一駅歩けそうな日は敢えて歩く、お風呂に浸かる時間がある日は浸かる。体内でビタミンDが合成されるよう、日光も浴びましょう。
中でも、食事、睡眠、運動はいくつかある選択肢の中から積極的に健康度の高そうなものを選んでください。逆に、これを食べるだけで、これをするだけでと、1つで解決するように宣伝している何かは大抵信頼性が高くないです。健康はカードを1枚ずつたくさん持つことで作られます。
――健康の実践は本当にコツコツとした積み重ねだということですね。
ぼくはコロナ後遺症の患者さんがたの診察もするのですが、みなさん例外なく「なんでかかってしまったんだろう」、あそこで何をしたせいか、ここで何をしなかったせいかと、過去を悔いています。特に、ワクチンを打たなかった人は、打っていたらこんな目に合わなかったんじゃないかと悔いている。もしかしたらその通りかもしれないのですが、病気と戦う際、この「悔いる」という気持ちがいちばんよくない。何一つ状況をよくしてくれないんです。
新型コロナはまだ流行から3年しかたっていない感染症で、わからないことがたくさんあります。ワクチンを打ったのに感染して後遺症に苦しんでいる人もいれば、ワクチンを打っただけで後遺症になった人すらいる。ちなみにその人はワクチンを打ったことのほうを悔いています。ですが、少なくともコロナ後遺症に関しては「必ず治るよ」と言ってあげられるから、悔いないでほしいんです。コロナ後遺症で死亡した人は、自死なさった方以外はいないんです。

感染したかなと思ったら、最初になにをすればいいのか?「ラッキーと敢えて言ってほしい」

――がんばって免疫力を高めたとして、もし感染してしまったらどう対応すればいいのでしょう?
まずは、すぐに休みます。仕事中でも帰ってください。帰宅したら温かくします。万が一感染しても発症しないよう免疫を働かせるにはまず冷やさないことが大事。飲み物も食べ物も室温も、すべてにおいて冷たいものは止めます。お風呂に入るなら髪はきちんとドライヤーで乾かしましょう。

そして、漢方を使いましょう。わが家の常備薬は、娘が「麻黄湯」ツムラ27、ぼくは「葛根湯」ツムラ1、家内は「麻黄附子細辛湯」ツムラ127です。みんな体質体格が違うので違う漢方です。さらに、ぼくはフアイアという抗がんエビデンスが生薬の普及活動をしていますが、これも飲みます。

漢方は健康な人が飲んでも何も起きませんが、感染したかなというときに飲むと体がほてって汗をかくので、ああ感染していたなとわかります。漢方薬を飲んで布団に入るとパジャマが濡れるくらい汗をかきます。翌朝はスッキリ目覚めて終了。ただ、コロナ自体が軽症で済んでもコロナ後遺症は発症することがあるので、ここは要注意です。あとは「ラッキー」と敢えて言ってほしい。
――ラッキー?コロナに感染してラッキーという意味ですか?
ぼくは、トライアスロンの自転車の練習中、転倒して肋骨を数本折る大けがをしたときも、痛いのをこらえながら敢えて「ラッキー」と口にしていました。ラッキーなんてありえないシーンだからこそ、あえて「ラッキー」と口に出すことで自分の運をすべて幸運側に振り向けたんです。結果、自分の脳が「この機会を幸運と捉える」ようになり、療養期間に本の執筆をしたり、中国語の勉強をしたりとアウトプットを出す余力を作ることができました。結果的に、客観的に見ても確かにラッキーかもねという状態で療養を終えることができました。
口に出すことは大事です。ぼくは外科医として長くがんに向き合い、命を落とす人たちも見つめてきました。仮に諸行無常の運命が待つとしても、「ラッキー」と口に出すことでその事象がもつ意味合いは変えていけるということを肌で知っています。
――なるほど「これから感染する人へ」というメッセージとして理解できました。でも、まだまだ感染は怖いです。
ワクチンを不本意ながら接種して「こんなにひどい副反応が出るなら打たなければよかったと」感じる人が、それでも次にまた接種するのは、自分が感染することで周囲に感染させることへの恐怖感もあるのではと思います。
作家の塩野七海先生と対談したときに先生に言われました、「人間なんてちょっとくらい迷惑をかけあったほうがいい」と。
ワクチンは万能ではなく、免疫力アップのカードの一つに過ぎません。打たないことも否定せず、打ったとしても安心せず、いろんな対策をしようね。万が一重症化したらみんなで救おうね。そういう世の中にならないと、これからも何度も襲来するであろうコロナの波を乗り越えられない。ぼくはそう思います。

新見正則医院 院長 新見正則先生

1985年慶應義塾大学医学部卒業。93~98年英国オックスフォード大学大学院留学。98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。2008年より帝京大学医学部博士課程指導教授。2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。現在は乳がん患者に対するセカンドオピニオンを中心に、漢方、肥満、運動、更年期など女性の悩みに幅広く寄り添う自由診療のクリニックで診察を続ける。がん治療に於いては、明確な抗がんエビデンスを有する生薬、フアイアの普及も行う。最新刊の『フローチャートコロナ後遺症漢方薬』(新興医学出版社・刊)がアマゾンでベストセラー。

 

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編集部より*文中「免疫力」という表現が使われています。人体の免疫機構は数値で測定できないため、新見先生もかつてはこの表現を使用していませんでしたが、本庶佑先生が2018年にオプジーボでノーベル賞を取ってから、本庶佑先生がNHKで使うようになり、NHKでも「免疫力」を使用するようになりました。人体の免疫機構を総合的に向上させる状態を示すのにわかりやすい言葉であるため、本稿でもこの表現を使用しています。

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この記事を書いたのは
OTONA SALONE編集長 井一美穂

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