いま58歳の直木賞作家・中島京子さん。50代の健康と「身体の変化」について教えてください!

中島京子さんの作品、何がいちばんお好きですか? 戦前から戦後への庶民の生活をいきいきと描き出した直木賞受賞作品『小さいおうち』でしょうか。それとも、認知症の父を送る10年を描いた『長いお別れ』?

語り始めたらきりのない作品ラインナップに、このたび3月20日に新刊エッセイ『小日向でお茶を』が加わります。

本作は雑誌『ゆうゆう』のエッセイ連載2018年10月~2022年9月の4年分をまとめたもの。ちょうど半分のところでコロナ禍へと突入するため、いま読むと「振り返り」として感慨深いライフスタイル記録の性質も備えています。

作中には中島さんならではの旅、グルメ、日々の食事、暮らしの姿のほか、意外にも身体の悩みの話題が多々登場します。現在58歳の中島さんに、この4年の間、あるいは50代に入ってから、どのような「変化」が起きたかを聞いてみました。すると、返ってきた答えは意外にも……?

(写真/©川上尚見)

 

コロナ禍で暮らしは一変したが、それ以前から私たちの身体は変化していた

――毎月1回の連載を時系列で収録した本作は、途中でコロナ禍の始まりが描かれます。歴史小説も手掛ける中島さんですので、後世に残す資料性も意識したのかなと勝手に想像していました。

いえ、資料とまでは考えていなかったです(笑)。ただ、私は日記をつけていないので、頭の片隅に「コロナはすごいでき事だし、本当は記録に残しておいたほうが」という思いがありました。東日本大震災のときにも同じようなことを考えましたが、この『ゆうゆう』の連載は毎月渡す原稿だったので、この間に起きることを書きとめておきたいという自分のニーズに自分で応えることができました。

 

――さて、冒頭は旅と食べ物のお話から始まります。改めて、私たちは2年もの間、こうした楽しみから遠ざかっていたのだなと驚きました。

あとがきにも書きましたが、コロナの前と後で生活スタイルが一変しています。コロナ前は確かに旅と食べ物のお話が多いのですが、改めて読み返してみると全体を通して身体の話がかなり多くて、なぜかなと考えてみると、50代、その前40代あたりから身体って変わっていく。メンテナンスなしには生きていけなくなるので、おのずと身体の話が多くなったんだなと(笑)。

姪が遊びにくると「叔母さんのお部屋にはマッサージ器具がたくさんあるね」と驚かれます。私はそういうさまざまなアイテムに助けられて生活しているんです(笑)。

 

――作中にもストレッチポールやフォームローラーなど健康アイテムが1話まるごとの話題として登場します。

ストレッチポール、本当におすすめですよ! ほかにも、机の上にかわいらしい木製のヘッドマッサージャーを置いて、ちょこちょこと頭や首をマッサージしています。アメリカのエリートがバランスボールを椅子にすると聞いて、それもすぐ試しました。でも、あまり使いやすくなかったので本棚の近くに移動して、マンガなんか読むときに上でぼんぼんと腰をリラックスさせています。

 

――やっぱり、作家さんって腰は悪くなるのでしょうか?

もちろん、それはもう! 座りっぱなしなので腰にすごく負荷がかかりますから、ときどきぎっくり腰にもなります。椅子も腰痛対策のものに変えました。一時期は高価な椅子にもトライしましたが、身体の高さに合わなかったみたいで、いまは背筋を伸ばしてくれるタイプです。

 

この年齢になると丁寧なメンテナンスが必要だなと気づいて、寝る前にストレッチを欠かしませんし、朝も目覚めのあとの朝ヨガがルーティンです。また、作中でも触れましたが、ピラティスと鍼には長いこと通っています。いま特に持病はないのですが、将来が不安なのでこまめにケアしています。

 

コロナ禍で変わったことって?「食事」と「体重」そして「むくみ対策」

――お食事も、もともと描き出される内容は極めて健康的でしたが、コロナ以降はより一層気を付けている印象です。

自宅ではどうしても好きなものを作って食べてしまうので、身体のメンテナンスというほどでないにしても、できる限りバランスをよくしています。コロナ前は旅行先で何を食べたという話が多いのですが、コロナ後は家で食べているので、たとえば……昨日食べたのは、ご飯にほうれん草のおひたし、きんぴらごぼう、里芋のお味噌汁、ご近所の専門店のおいしい焼き豚のスライス。この歳になると、美味しいなと思うのはお米に合うものですよね。お米と合うものって、つい「う、う、う、う、美味しい」って声が出ちゃう。日々こんなものを食べていけば、生活習慣病は大丈夫なんじゃないかな。

 

コロナ前は会食も多くて、どうしてあんなに食べてたんだろう?と思うくらい打ち合わせやら何やらでお食事してましたが、いまはオンライン打ち合わせも増えました。お会いする機会がないのも残念ですが、家で食べることでバランスが取れるようにもなりました。自炊は健康を後押しする側面があると思います。

 

――コロナ以降、身体や健康にはどんな変化がありましたか? 健康になった感じでしょうか。

それはもう、外に出なくなったので太りました! 特に最初の1年2年は3㎏くらい太ってしまって。コロナの途中からは「外に出ないんだから自分の体重管理は自分でがんばろう」と気を付けるようになって、ストレッチや腹筋などをルーティンに組み込みました。そういう意味では、身体がよくなったとまでは言わないけれど、この3年で自分の身体に対して意識を持つようになりました。

 

――周囲もみんな3㎏くらい太って、しかも落ちない!と言っています。日本人の平均体重が2㎏くらい増えたんじゃないかなと。

50代って代謝が悪くなるじゃないですか、だからちょっと太ってしまうと落ちにくいというのがあるし、私の場合はコロナ前からむくみがひどかったんです。夜って足がぱんぱんになりますが、私はさらに朝になってもぱんぱんなままだったりするんです。これはよくないなと思ってフォームローラーでふくらはぎをごろごろして、イテテテってなって。

 

――フォームローラーって痛いんですね? 気持ちいいだけかなって思ってました。

悪いところがある人は痛いんですよ。あと、私は足が攣るの。この4年5年で足が攣る頻度がすごく上がりました。朝なんて起きてうーんとベッドの中で伸びただけで攣っちゃうので伸びることすら怖いくらい。ミネラルや水分が不足すると攣ると言われるので寝る前に白湯を飲んでいたのですが、そんな中、去年の秋に翻訳家の金原瑞人さんにお会いしたときにストレッチソックスの存在を教えていただいたんですよ。

 

 

▶【後編】中島京子さんが「ひそかに悩んでいた」あの問題を一発解消してくれた以外なモノとは?

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