
なんでもかんでもポチるのは卒業。買い物で失敗しない方法とは?【悩みを手放す21の方法#5】
曹洞宗徳雄山建功寺第18世住職で、庭園デザイナーの枡野俊明さんの新刊『悩みを手放す21の方法』(主婦の友社)の中から、自分がラクになれるヒントを8回に分けてご紹介します。
今回のテーマは「吟味して買う」です。
▶前回のテーマは「姿勢」
『実年齢よりも若くみえるためには、常に「姿勢」をキープ!』
「物」と「心」は相関関係。心が整えば部屋も整う
ほうっておけばどんどん増えていくさまざまな「物」たち。多くの物を持つことが豊かさの象徴ではなくなった現代こそ、禅的なものが重要になるのかもしれません。
修行中の僧を「雲水(うんすい)」といいます。これは「行雲流水」という禅の言葉に由来し、ゆく雲のごとく、流れる水のごとく、師をたずね道を求めて旅をする存在という意味です。
旅ですから、荷物が多いと困ります。持ち歩くのは着替え、食器としての応量器(おうりょうき)、傘、坐蒲(ざふ)くらい。人間が持つべきものの必要最低のものであり、これで十分といえるかもしれません。
しかし人間には欲があります。「あれもこれも」「もっともっと」と物を増やし、それが身の回りを煩雑にし、生活を複雑にしてしまうのです。
雑然とした部屋に暮らすのはもう嫌だ、すっきりした空間で生活したい……そう思ってもなかなか変えられないという人は少なくないでしょう。物への執着が、私たちの中には必ずあるものなのです。
禅には「形直影正(かたちなおければ、かげただし)」という言葉があります。形(姿勢や所作)が美しければ、その影(心)もまた美しくなるという意味です。室内や持ち物も同じです。部屋が整いすっきり暮らす人は、心も穏やかに整います。心が乱れているときには、部屋も乱れるのです。
穏やかで前向きな心でいたければ、まずは部屋を整えましょう。部屋が片づいたことで気持ちまですっきりした、という経験は誰にでもあると思います。物と心は相関関係。何を持つか、どれだけ持つかは、人生において重要な選択だということを忘れてはいません。
禅では、簡素な生活こそ美しいと考えられています。簡素とは、ムダなものをそぎとし、自分にとって真に必要なものだけを残して大切にしていくことを意味します。
部屋の中にあるもののなかにも、 「この茶わんでお茶を飲むと心が落ち着く」「これを着ているときには気持ちが華やぐ」というものはあると思います。それこそが、あなにとって価値あるものです。価値とは金額だけの問題ではありません。
一方で「これはなくてもいい」と思えるものはありませんか?たとえば着ていない洋服や、使っていない食器や電化製品。「高かったから」「いつか使うかもしれない」と思うと捨てにくいものですが、3年間一度も使っていないものは今後もその機会はないはずです。いつまでも置いておくことで生活空間を狭め、心を乱しているのだとすれば、この機会に手放してみてはいかがでしょう。使ってくれそうな人にお譲りする、ネットのフリーマーケットに出してみる、ボランティア団体に寄付するという方法もあります。どうしても引き取り手のないものは、残念ながら捨てざるを得ません。
▶〈つづきを読む〉『欲しいと思ったら行うようにしたい習慣って?』
悩みを手放す21の方法(枡野俊明著/主婦の友社刊)
プロフィール
枡野俊明(ますの・しゅんみょう)
1953年、神奈川県生まれ。曹洞宗徳雄山建功寺第18世住職。庭園デザイナー。多摩美術大学名誉教授。大学卒業後、大本山總持寺で修行。「禅の庭」を通して国内外から高く評価される。芸術選奨文部大臣新人賞受賞、ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章を受章。2006年ニューズウィーク日本版「世界が尊敬する日本人100人」に選出される。『禅僧が教える不安に負けない心の整え方』(主婦の友社)など著書多数。
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