「更年期って、あきらめも大事だと思う」 俳優・鈴木砂羽さん×産婦人科医・三輪綾子先生 「更年期の対処法」リアルトークイベントで飛び出した 「意外な言葉」とは?

2023.07.25 WELLNESS  [PR]

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やる気が起きない、眠れないなど、多種多様な不調に悩まされる更年期。閉経前後の5年、合計10年を指すこの時期をどれだけポジティブに過ごせるかは、女性にとって切実な問題です。

 

そこで、オトナサローネが進める更年期の啓発活動「アフタヌーンエイジプロジェクト」は、アクティブに日々を過ごす俳優の鈴木砂羽さんと産婦人科専門医の三輪綾子先生をお迎えして、「更年期の対処法」リアルトークイベントを開催しました。その模様を一部編集して全文ログでお届けします!

 

「鈴木砂羽さんってどんな人?」当日のアーカイブ動画はこちらから!

鈴木砂羽さんの更年期症状との向き合い方とは?

井一編集長:俳優・鈴木砂羽さんをお迎えして、「40代50代女性の『ゆらぐ体調』どう保てばいいんですか?」というテーマで、自分らしく輝く秘訣をお聞きしていきます。さっそくですが、鈴木さんは、ゆらぎ年代だと思いますが、更年期症状はどのように経験されていますか?

 

鈴木さん:今、まっただなかです。症状は40代前半から始まりました。当時は、メンタルが一定化してなかったんですね。45歳ごろは仕事が忙しく、体調が悪いのか、精神的につらいのかわかる間もなく駆け抜けていましたね。夜、動悸がして眠れないこともありました。

 

仕事のプレッシャーもいろいろあって、精神的にバランスを崩してゆらいでいるのかなと思っていたのですが、後から調べたらこれも更年期症状のひとつだということが判明して。

 

そして、40代後半になって、本当に生理がきつくなりました。みなさん女性だからお話ししますけど、血の雨が降るみたいで、立った瞬間「あーっ!」ってなるくらい。顔も真っ青になって、クラクラきてしまって、それで体を調べたら子宮筋腫が発覚しまして。さて、どう乗り切っていくかと考える40代後半でした。今はホットフラッシュが常にあります。

 

井一編集長:そういった更年期症状への対処は、どのようにされていたのでしょうか?

 

鈴木さん仕事をしていると、体調不良をどうしても無視してしまうんですね、舞台に立たないといけない、本番が始まるというときには、それに蓋をしていかなといけない。そういうことを当たり前のように過ごしてきた10年間だったと思うんです。その場しのぎで鎮痛剤を飲んだり、漢方を処方してもらったり。あとは、自分の主治医にこまめに診ていただけたのはよかったなと思います。

 

井一編集長:三輪先生、このような症状にはどのような対処法があるんでしょうか?

 

三輪先生更年期症状は本当に色々な症状があって、10人いれば10人それぞれの症状があり、一概に言うのは難しいんです。この症状が更年期です、更年期ではありませんという線引きも難しいんですね。

 

他の病気ではないと診断し、これはおそらく更年期だろうということで治療に取りかかります。ただ、治療をするのか、どういう治療を選ぶのかはその人の更年期症状の程度や、日常生活にどのくらい影響を与えているのかによって選択肢が変わってきます。

 

ホットフラッシュが辛くてワッと汗が出てきて、これでは人前に出られないという患者さんには、ホルモン補充療法などが必要になってきます。一方で、症状は軽いけれど気になる人には、運動をおすすめしたり、食生活の見直しや睡眠のとり方についてお話をしています。

 

井一編集長:バランスのいい食生活も必須だと思いますが、鈴木さんは食べ物で気をつけたこと、積極的に摂取したものはありますか?

 

鈴木さん:鉄分をとったほうがいいと言われていたので、焼き鳥屋ではレバーを頼んでいました(笑)。あとは、小松菜やほうれん草をお味噌汁に入れたり、色々なフルーツと合わせてスムージーにもしました。とにかく自分ができることを投入しようと思って、1週間分の小松菜をゆでて小分けにしておき、今日はパイナップルと、今日はりんご……と飲んでいたんですけど、三輪先生、これって効果ありますか?

 

三輪先生:そうですね、一定の効果はあると思いますし、気に掛けるということが非常にいいと思います。

 

井一編集長:大豆はいかがでしょうか?

 

鈴木さん発酵食品として味噌汁や、納豆が大好きなので、手っ取り早く朝食を食べるときは納豆ご飯にしています。だから大豆はクリアできているのかなと思っています。

 

井一編集長:日常的にたっぷりとっていらっしゃるということですね。

 

鈴木さん:ええ、大豆製品は好きですね。

 

井一編集長:三輪先生、食事やサプリメントでポイントとなることはありますか?

 

三輪先生食事はバランスよくとることが大切ですが、自分のライフステージによって必要な栄養素が変わってきます。例えば、生理が重い方は鉄分をたっぷりとったほうがいいですし、閉経後の方なら骨粗鬆症予防にカルシウムやビタミンDを積極的にとるといいですね。自分に必要な要素は何なのか、何をケアしていけばいいのかを考え、少しずつ変化させていくというのがいいと思います。

 

ゆらぎの幅は人それぞれ。悩みを分かち合い理解することが大切

井一編集長:更年期に対する鈴木さんのお考えと乗り越え方は?

 

鈴木さんみなさんご経験かと思いますが、本当に日々つらくないですか? 本当に家も出たくないし、誰にも会いたくないし、本当にきついなという日があると思うんですよ。

 

47~48歳くらいからは、外に出たくなかったり、誰にも会いたくなかったこともたくさんありました。ただ、ちょうどコロナだったので外出せずにいられたし、仕事も少なめだったので、だいぶ隠れられました。そして、引きこもろうと決めて。誰にも会いたくないし、しゃべりたくないし、ちょっと買い物に出かけただけで疲れたーと帰ってくることもあったので、それでいいと思ったんです、私。

 

家族やパートナー、仕事関係の人に、「ちょっと更年期でつらいんで」と普通に言っていいのだと思います。そう すると、同年代のお友だちや仲間と「つらいよね」って言いながら手を取り合える。そうやって乗り越えてきた気がします。

 

友だちもそういう年齢にさしかかっているので、よく聞くんですよ。年下のお友達には「私もそうだったんだよ」と言うと、すごくほっとしているみたいです。「無理に動かなくていいよ」「できる範囲内でできたら、今日は帰れば」「もう、いいじゃない?」って言いながら、女性同士で助け合いましたね。

 

井一編集長:症状を分かち合い、助け合いながら乗り越えてきたということですね。

 

鈴木さん:千差万別の症状があり、Aさんはここがつらい、Bさんは違うところがつらい、でもそのどちらがよりつらいかという話ではないですよね? だから、みんなで手を繋いで乗り切っていきたいなと思います。

 

 

井一編集長:医師として三輪先生から、ぜひ、ひと言アドバイスをお願いします。

 

三輪先生:先ほど鈴木さんがおっしゃったように、理解者を増やすのは、非常に大事なポイントだと思います。自分のつらい症状をこの人はわかってくれるとか、つらいからお休みしたいんだということを許してくれるような人間関係の構築は、医療者が介入できないところなので、ご自身で築いていってほしいですね。ただ、つらいけれど頑張らないといけない時は、私たち医師がいますので、一緒に解決していけたらと思います。

 

井一編集長:ありがとうございます。みんなで助け合いながら、そしてお医者様の力を借りながら乗り越えていくということですね。ここまで、私たちゆらぎ年代において大切な成分への理解を深め、食生活から改善していけるヒントをいただけました。

 

砂羽さん、仕事との両立方法は?「まずは自分をよく知ること。諦めも時には大事」

井一編集長:さて、ここからはみなさんからいただいた質問コーナーです。まずは鈴木さんへの質問です。鈴木さんは、急に休めないお仕事だと思います。体調が悪い時の乗り切り方、体調を悪くしないために心掛けていることを教えてください。

 

鈴木さん:これは、やるっきゃないんですよ。その日、どんなにつらくても撮影や本番はやってきて、みなさんに迷惑かけることもありますけど、なぜか不思議と気合いを入れるとその時だけできるんです。根性論になって申し訳ないですが、本番がはじまる直前だけは「この一瞬だけ頑張ろう」と立ち上がってやれるんです。急に声が出なくなったりした時はお休みしないといけないのですが、多少だるいとか、今日は気分が上がらないとなっても、「これは役だから」と思ってやるようにしています。仮面を被ることしかできないんですが、でも、みなさんはそこまでする必要はないと思います。

 

井一編集長:立ち上がろうとするときに、元気を出す言葉はありますか?

 

鈴木さん:普通によっこいしょ、どっこいしょって言ってますね(笑)。

 

井一編集長:わりと男らしい感じなんですね。

 

鈴木さん:そういう声が出ちゃいますね。机に手をついて「よっこいしょ」と立ち上がることなんて昔から日常茶飯事で。若い時からだるいキャラクターだったから(笑)。今の方が元気なくらい。

 

体調を悪くしないためにすることですよね? それは、自分のことを理解することです。みなさん、意外と自分のことをわかっていない。ダメ出しではなくて「こういう私だから」とありのままの自分を知ることですね。

 

三輪先生もおっしゃっていたように、知った上で仲間を作って、みんなで乗り切っていくこと。体調が悪くなるのは誰しもあることだから、体調が悪くなったときに責め過ぎないことです。女性だからゆらいでしまうのは仕方ないこと。開き直るという言葉は好きじゃないけれど、諦めてください。

 

諦めるって投げやりな言葉と思うかもしれないけれど、「あきらかに見る」ということだと思うんですね。自分のことを明らかにする、つまり自分を知ることが元気のタイミングのもとになるんじゃないかなと。私はこうだから次はこうなるって、スイッチもわかってくる。そうすればその日ダメだったとしても、3日後の私は違うって思える。そんな風にして日々乗り切っていって、過去のことは忘れちゃう。失敗したこと、ダメだった自分は過去なので忘れて、今を生きるようにしています。

 

どんな症状がどのくらい出たら、婦人科にかかるべきなのでしょうか?

井一編集長:ありがとうございます。続いて、三輪先生へ質問です。最近、汗をかきやすくなったかな、疲れやすいかなという自覚症状があります。まだ、生理周期は乱れていません。毎年、人間ドックを受けていますが、今のところ指摘を受けていません。どんな症状がどの程度出たら婦人科にかかるべきでしょうか?

 

三輪先生:更年期に限らず、生理痛もどのくらい重かったら産婦人科に行ったらいいですか?と一定の基準を求める方が多いのですが、つらさは人とは比較できないものです。自分がつらかったら受診していいと思います。受診したときに自分が置かれている状況、こういう治療にトライしてみたいと1回相談して、そこからできることを選択すればいいと思います。そのうえで、これは合わなかったなとか、こっちならいけそうと、1回で正解を出すのではなく、少しずつ改善していくといいと思います。

 

更年期で気分が落ち込む…「無理に上げなくていいんです、もうがんばらなくていい」

井一編集長:鈴木さんへ質問です。とうとう年代的にも更年期と付き合わなくてはいけなくなりました。仕事の休みがとれず、体が重くて気分が下がっているときの気分を上げる方法を伝授していただければ。

 

鈴木さんね。もういいんですよ、上げなくて。無理に上げなくていいんです! ポジティブシンキングって言いますけど、ポジティブにすればするほど反動が大きいんですよ。振り子と一緒で、自分の気持ちを大きく振っているとすごい振り回されてしまう。今の時期だけでも振れ幅を少しずつ減らしていくと、これくらいならいいかもという幅がわかります。自分の感情に振り回されていると、すごく疲れるんです。だから、自分の気持ちを平らにしていく。だからといって真っすぐな平らにはならないじゃないですか、体調が悪いんだから。せめて振れ幅を少しずつ、少しずつ小さくしていく。自分はゆれてるなっていうくらいにしておけば、感情のアップダウンが激しくならないもの。体力も奪われなくてすみます。

 

どうしてもムカついてムカついて仕方ない時は、外に出て走ったり、歩いたりしてみてください。私は最近、キックボクシングをしてるんですけどね、わーって手足動かして発散して、日常になったら振り子を少しずつならしていって、自分の機嫌を取ることが一番だと私は思っています。

 

井一編集長:なるほど。自分のご機嫌をとってコンディションを整えるということですね。

 

鈴木さん:女の人は感情の生き物だから、感情にめちゃくちゃ左右されてしまうんですよね。誰が何を言った、パートナーやお隣さんがこう言ったといちいち振り回されているとめちゃくちゃに疲れてしまいます。ただでさえ体が重くて疲れちゃうのに。だから、気にしないこと。何か言われても「うんうん」と流すくらいがいいんです。

 

少し訓練が必要なんですけど、「大丈夫、大丈夫。そんなことで怒る自分じゃない」としていくと、だいぶ楽になります。みなさんも経験者だと思うので、自分の感情に振り回されているなと思った瞬間に「怒るのやめておこう」って思えれば、体力のロスも少なくなると思っているんです。

 

サプリはどう飲んだらいい? 薬といっしょに飲んでもいいの?

井一編集長:続いて、三輪先生へ質問です。更年期の症状は我慢せずにサプリなど摂取したほうがいいのでしょうか。

 

三輪先生:トライしていただいていいと思います。上限摂取量があるサプリも、範囲内であれば飲んでみる価値はあります。ただ医療者が寄り添ってみているわけではないので、解消しきれない症状があれば婦人科を受診して薬などほかの治療もトライしてみてもいいですし、併用してもいいと思います。

 

井一編集長:サプリの飲み合わせで気をつける点はありますか?

 

三輪先生:薬と代謝経路が一緒のものがごく一部あるので、それは注意が必要ですね。基本的には薬との併用は問題ないでしょう。

 

つらすぎる更年期症状…「でも、そのうち慣れて、まーた出た出たって余裕で受け入れるようになります」

井一編集長:気になるものがあれば、ひとまず試してみていいということですね。では、鈴木さんへ質問です。

 

40代半ばから子宮筋腫による大量の不正出血があり、ホルモン剤を服用中です。薬の副作用もあり、動悸、胸苦しさ、めまい、吐き気、寝付きの悪さといった更年期症状に悩まされています。更年期症状の緩和に役立った食事、サプリ、メンタルの保ち方などがあれば教えていただきたいです。

 

鈴木さん:つらいですよね。眠れないことが私もありました。寝汗がすごかったり、動悸もありました。先日、雨がすごく降った時にめまいがして、起き上がれないと思ったんです。だから、一日起き上がりませんでした(笑)。今日はダメかもと思って。めまいがする時は立つと危ないので、そういう時は、じっとしています。

 

でも、不安になったんですよ。救急車騒ぎになったらどうしようって。でも、待て待てとじっとしていたら、半日くらいしてなんとかなりました。更年期症状も、もう6年生くらいになったのかな。経験として、「これは更年期系だな」とわかるので、40代ののときよりは動揺しなくなったんです。「また、でたでた」となって、じっとしていました。最近は深刻に考えないようにしています。

 

かかりつけ医がいれば、どんどん相談をした方がいいと思いますし、私は漢方も飲んでいますね。色々な種類があるんですけど、数種類飲んでみたり、とにかく症状を自覚すれば、あまり怖くないのかなと思っています。

 

メンタルは、誰しも通る道だと思って、深刻にならないことかな。この世の終わりだと思わず、「今日はこんな日だな」と思えばいいんです。ただ、めまいなんかが出ると不安なんだよね。それは私もわかります。

 

井一編集長:ある程度は時間の経過とともに慣れていくからあまり不安がらないでいいよと?

 

鈴木さん:そうですね。今、みなさんの中に不安な方はいらっしゃいますか? それとも、私みたいに「でたでた」と思うのかな……。

 

井一編集長:(手を上げていただいて)不安だという人のほうが、やや多い感じがしますね。

 

鈴木さん:慣れていくにも段階がありますよね、三輪先生。

 

三輪先生:そうですね。年齢的に更年期がそろそろくるぞっていう恐怖心があるんですよね。そういう方が多いので、出たら病院に行っていいんだよって言ってあげることが大切です。気になったり、つらかったら相談にいらしてください。みなさん、普段から気軽に産婦人科には行けないと思っているようなんですね。行くなら健康診断のデータを準備していかなければならないとか、自分では不調に感じているけれど「何でもないです」と言われたらどうしようとか……。

 

鈴木さん:そうなんですよね。このくらいで行っていいのかと思ってしまいますね。

 

三輪先生:気負わずに受診していただければと思います。

 

鈴木さん:治療も人によって向き不向きがありますよね。だから、色々と試してみていいんですよね?

 

三輪先生:はい。更年期に対してはホルモン補充療法があるんですが、得意な分野と不得意な分野があるんです。例えば、ホットフラッシュはほてりに対しては、ホルモン補充療法は非常によく効くんです。しかし、気持ちの不安定さ、不眠には弱かったりします。いくつか薬を合わせてオーダーメイドで対処していかないといけないんです。

 

鈴木さん:私もいくつか薬を試していて、それが劇的に効くのかはわからないけれど、メンタルな部分が大きいと思うので、お守り的に漢方やサプリを飲んでいます。怖いけど、怖くないんです。色々と試してみればいいと思います。先生がおっしゃったようにオーダーメイドで、自分の更年期を乗り切って行こうと思えればいいのかな。

 

私はYouTubeで更年期の人向けの音楽を聴いています。それを聴くと眠れる気がするんです。ベッドで流しておくと寝落ちするので、案外効果あるのかなって思います。

 

更年期を終えてからも症状は出ますか?どんな症状が出るのでしょうか

井一編集長:そんなものがあるんですね! 私も探してみます。では、最後の質問です。これは三輪先生へ。

 

更年期は閉経前後5年と聞いたことがあります。48歳で閉経して、今、58歳なので、更年期から外れると思いますが、更年期を終えてからも何か症状は出るものでしょうか。一般的な更年期には、特に症状がありませんでした。ホルモンバランスの乱れ等で、更年期後の不調の可能性があれば予防を含め教えてほしいです。

 

三輪先生:更年期症状という枠にはめていいかというのはおいておき、老年期と呼ばれる時に出てくる症状がいくつかあります。最近注目されているのが、GSMといって、尿路や腟周りの症状が出てしまうことです。エストロゲンの分泌が減ると、腟が萎縮してきて少し痒みや痛みが出てきたり、頻尿など排尿に関する症状が出てくることがあります。症状を緩和するお薬もありますし、イソフラボンの摂取もエストロゲンの補充療法としてはいいものですので、予防にも期待できまると思います。

(編集部より・GSM/閉経関連泌尿生殖器症候群とは三輪先生のご説明の通り、女性ホルモンの分泌量が低下したために起きるデリケートゾーン周辺の症状のことです。尿もれ、頻尿、腟のかゆみ、性交痛などが代表的。進行すると子宮脱などが起こり得ます)

 

井一編集長:その老年期にも「ゲニステイン」がいい?

 

三輪先生:そうですね、ゲニステインはしっかりとエストロゲン受容体に結合しますし、形がエストロゲンに似ていて同じような働きを発揮してくれますので、有効ですね。

 

井一編集長:更年期の後にもゲニステインのサプリメントなどはとっていったほうがいいのでしょうか。

 

三輪先生:もちろん症状の有無、程度によりますが、摂取して問題ないサプリメントなので、継続して問題ありません。

 

井一編集長:骨粗鬆症やGSMに対しても、長い間ケアを続けていったほうがいいということですね。

 

三輪先生:そうですね。試してみるのはいいと思います。

 

井一編集長:女性にはゲニステインですね!

 

鈴木さん:ゲニステインがすばらしいということですね。「ゲニステイン」という成分は、エストロゲンに似た成分として注目されているんですよね?

 

三輪先生イソフラボンの中でいくつか種類が分かれていて、みなさんイソフラボンがいいというのは聞いたことがあると思うのですが、その中で何が一番効率がいいのかということですね。ゲニステインはエストロゲンの作用がありますし、抗酸化作用もポリフェノールと同じようにあるので、お得なんです。

 

鈴木さん:女性はよく錆びちゃうって言いますから、ゲニステインで抑止がかかると言われると気分が上がりそうですね。ただでさえ、ここに立っているのが必死なので、そういう効果があるのは頼もしいですね。

 

井一編集長:ありがとうございます。そろそろお時間ですが、どなたか会場からご質問はありますか? そちらの方、どうぞ。

 

質問者キックボクシングはいつ頃からやっているんでしょうか。

 

鈴木さん:今年に入ってからです。それまではヨガをやっていて。ヨガもとってもいいんですけど、まだまだやってやるぞ!まだできるぞ私!って気持ちがあって。ハードなヨガもやっていたけれど、50歳になったのでもっと前に攻めたいなと思って始めました。

 

三輪先生:実は、私もキックボクシングやっているんです。

 

鈴木さん:先生も! いいですよね?

 

三輪先生:めちゃくちゃストレス解消になるんですよ。

 

鈴木さん:みなさん、ストレス、ものすごく溜まっていませんか? むしゃくしゃするというか、イライラするというか……。

 

三輪先生:そのストレス、汗をかいてすっきりした!と切り替えられるんですよね。

 

鈴木さん:とにかく、怒りとか不満とか持ち越さないっていうルールを決めたんです。なので、その日、30分とか1時間集中して、「すべて水に流します」という気持ちでいくといい。みなさん、キックボクシングおすすめです。

 

井一編集長:更年期症状にはキックボクシングとゲニステインですね!

 

鈴木さん:そうそう、ゲニステインもお忘れなく!

 

減少していく女性ホルモンをサポートする注目の成分「ゲニステイン」

井一編集長:ここからは産婦人科専門医の三輪綾子先生に、ゆらぎ年代の女性たちを守るゆらぎ年代健康成分「ゲニステイン」についてお話しいただきます。

 

三輪先生:ゲニステインを紹介する前に、更年期症状についてお話しいたします。更年期症状は40~50代の閉経前後の女性に見られる不定愁訴です。不定愁訴といっても一人一人異なり、千差万別です。代表的な症状は、ホットフラッシュ、イライラが認識されやすいですが、疲労感、気分の落ちこみ、肩こりなども該当します。

 

お悩みの深さによっては病院受診を考えるのでしょうが、ホットフラッシュは短時間で収まることもありますし、頭痛、気分の落ちこみだけなら病院に行くほどではない、我慢できなくはないとやり過ごす人も多いのではないでしょうか。

 

では、なぜ、さまざまな症状が起こるのでしょうか。それは、閉経前後に女性ホルモンであるエストロゲンの体内での濃度が大きく変化するからです。更年期のエストロゲンの濃度が大きくゆらぎながら減少して、閉経後にかなり少なくなります。このゆらぎが更年期症状として現れると考えられています。

 

女性ホルモンの分泌が激減した老年期では、骨粗鬆症や動脈硬化などさまざまな疾病に繋がることがわかっています。女性ホルモンと女性の健康状態には密接な関係があるのです。

 

三輪先生:そこで、注目したいのがイソフラボンです。大豆などのマメ科に含まれるフラボノイドです。日本人は豆腐、納豆、豆乳、油揚げ、味噌、しょう油など日常の食事で大豆食品を摂取していますが、イソフラボンはこれらの大豆食品に多く含まれています。

 

大豆イソフラボンにはいくつかの種類がありますが、そのひとつが「ゲニステイン」という成分です。大豆イソフラボンには配糖体とアグリコンのグループがあります。配糖体の構造のなかで、糖の部分をグリコン、糖がついていない部分をアグリコンと呼びます。

 

イソフラボンアグリコンは、すばやく体内に吸収されることがわかっています。「ゲニステイン」もイソフラボンアグリコンの仲間で非常に吸収性に優れています。

 

大豆イソフラボン、ゲニステインが更年期において注目されているのは、女性ホルモンに似た構造で、同じような作用を示すからです。女性ホルモンが減少する時期に、大豆イソフラボンを摂取することで女性ホルモンの働きを補ってくれます。

 

 

三輪先生:海外の臨床試験でもほてりの回数が減少するというデータがあります。ただし、大豆イソフラボンを1日30~160mgという高用量を摂取した場合のデータです。

 

日本では内閣府食品安全委員会によって大豆イソフラボンの摂取上限量の指針が出されています。大豆イソフラボンには女性ホルモンの作用があるため、過剰に摂取した場合のリスクを考えた結果、さまざまな臨床試験から安全摂取量を1日70~75mgと設定。また、大豆や大豆加工品などの食品として1日40~45mgを摂取していると試算し、通常の食事以外、サプリメントなどで摂取できる1日の安全な上乗せ摂取量を30mgと設定しています。

 

国内の臨床試験において、ゲニステインを50%以上含む大豆イソフラボンアグリコンを1日25mgを摂取することで、各種の更年期症状が緩和されるという結果があります。抑うつや不眠症状の改善、ホットフラッシュ、発汗、冷え、疲労、めまいの症状も継続的摂取によって改善することが明らかになりました。

 

海外の研究報告では1日30mg以上の摂取となっていましたが、日本の研究結果では、イソフラボンアグリコンのなかでも体内吸収性が高く、女性ホルモン作用の強いゲニステインが多く含まれている大豆イソフラボンを摂取したことで、30mg以下でも効果を発揮したのではと考えられています。

 

この結果を受けて、日本産科婦人科学会が制定している産科婦人科ガイドラインにおいて更年期症状の推奨対応として低用量の大豆イソフラボンを用いることが記載されています。

 

乳がんリスクの低下や骨粗鬆症予防にも「ゲニステイン」が力を発揮

三輪先生ゲニステインは乳がんのリスクを低下させる効果があることも報告されています。約2万5,000人を対象とし、血中イソフラボン濃度と乳がん発生率との関係性を調査。その結果、血中ゲニステイン濃度が高いグループほど乳がんの発症率が低いことがわかっています。この結果を受け、乳がん診療ガイドラインには、大豆食品もしくはイソフラボンの摂取が乳がん発症リスクを減少させる可能性があると記載されています。

 

更年期以降に気になる不調に対する大豆イソフラボンの効果を紹介します。大豆イソフラボンを摂取すると腰椎骨密度が増加するという結果があり、骨粗鬆症の予防が期待できると考えられます。また、大豆イソフラボンはポリフェノールの仲間なので、抗酸化作用があります。エストロゲンにも抗酸化作用がありますので、減少後はゲニステインが補ってくれるのです。

三輪先生:最後にまとめますと、大豆イソフラボンのひとつであるゲニステインは、女性ホルモン作用が強く、アグリコン形なので体内に吸収されやすく、更年期症状の改善効果があります。また、乳がんリスクの低下や骨粗鬆症予防、抗酸化作用なども期待できます。ゆらぎ年代以降の女性にとって心強い成分ですね。今日は「ゲニステイン」という言葉をぜひ覚えて帰っていただければと思います。

 

とっておき情報!「更年期にゲニステイン」その理由と摂取方法って?

井一編集長:ここで鈴木砂羽さんと、キッコーマン ニュートリケア・ジャパン株式会社櫻井さんにご登場いただきます。

 

さきほど、ゆらぎ世代が意識したい食生活やサプリメントのお話がございました。鈴木砂羽さん、ゲニステインのサプリメントのアンバサダーになられたんですね?

 

鈴木さん:はい、今日はみなさんに、「ゲニステイン」という言葉を伝えるために参りました。

 

井一編集長:ゲニステインはゆらぎ年代にうれしい成分なんですよね。企業でサプリメントの開発マネージャーをされている櫻井さん、ぜひじょうずなサプリメントの活用法について教えてください。

櫻井さん:ゆらぎ年代の女性には試してもらいたい成分です。もちろん、日ごろの食事から大豆製品を食べていただくのがいいのですが、吸収性のよい形でとるには大豆を発酵した味噌くらいになるので、塩分やカロリーを考えるとサプリメントで取り入れるのが、手軽だと思います。

 

上手に取り入れるには、やはり続けること、習慣化が一番大切です。サプリメントは食品あので、飲む時間に決まりはありませんが、飲むタイミングのルーティンを作っていただくのがいいと思います。朝食後、夕食後など1日のなかでどこが取り入れやすいのかを模索していただければと思います。また、目につくところにおいておくのも飲み忘れを防ぐポイントになります。

 

以前、砂羽さんのお話しで、水と一緒にベッドサイドにおいていているというのがありまして……。目につくところにあると、今日は飲んでいないなとか気づけるので、とってもいいなと思ったので、ぜひみなさんも参考にして取り入れてみてください。一度、二度飲み忘れていつでも再開できますので、気負わずに続けることですね。

 

薬と違ってサプリメントは食品ですので、変化を穏やかに感じられる方が多くいらっしゃいます。1週間くらい飲んで、劇的な変化がないと飲み続けていいのかしら?と思うのですが、飲んでいることでいつも通りにいられることがいいと思います。

 

サプリメントを飲んでいることで、気持ちの波が減る、穏やかに毎日が過ごせることが、ゆらぎ年代にとって大切なことです。サプリメントはお守り的にそばに置いておいてもらえるのがいいと思います。

 

ベッドまでの道にコップやサプリをあれこれ置いて、ついでに飲む。そのくらいでいいんです!

井一編集長:最後におふたりからメッセージをいただけますか?

 

櫻井さん:今日のようなイベントを通じて、ゆらぎ年代の女性は色々な情報を知る、情報を得ることが必要だなと私自身も勉強になりましたし、大事なことだと思っています。セルフケアというと、運動やストレッチなどいろいろあると思いますが、サプリメントは水があれば飲めて、手軽にできるセルフケアのひとつとして知っていただけるとうれしいです。

鈴木さんゆらぎ年代の方、みなさんにお伝えしたいのは、がんばらないでくださいということです。サプリメントは、続けることが大事。1日2日くらい抜けたとしても、飲み忘れたと気落ちせず、そこからまた続けていけばいいんです。ゆるく長く続けていくことが、本当に大切なことだなと私自身、実感しています。

 

私はベッドの横に1袋置いています。どんなに疲れていても眠くても、どんなに酔っぱらっていても、それを一粒飲むとホッとします。起きたときも、おはよう!っていいながらお水を飲むついでにサプリメントを飲む。ながらでいいんです。飲み忘れてしまうという人もいるけれど、ゆるゆるでも続けていけたらいいじゃん!くらいの気持ちで、ぜひ続けてほしいと思っています。女性同士励まし合って、楽しくゆらぎ年代を乗り越えて行きましょう。

 

井一編集長:飲めた自分がえらい。今日、サプリ飲めた!えらい!くらいに褒めてあげるのがよさそうですね。

 

鈴木さん:そうですよ。他にやることがいっぱいあるんだから、飲めた!くらいでいいんです。私はメイクもベッドに行くまでに落としてやるっていう気持ちでいます。だから、ベッドに行く道のりにいろいろと置いておくといいですよ(笑)。みなさん、まず今日この会場にいらっしゃっただけでえらいんですよ!

 

井一編集長:そうですね! 本日はありがとうございました。

 

 

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取材・文/岩淵美樹 撮影/佐山裕子(主婦の友社写真室)