52歳にして初めてスキューバのライセンスをとったら「更年期の身体の弱点」と向き合うことになった話【更年期50代のアフタヌーンエイジ日記】♯36

小中学生保護者の皆様、夏休みはいかがお過ごしでしょうか。

中学生になればもうずいぶん手は離れるでしょうけれど、それでも部活のお弁当やら塾弁やら、いろいろ「親の仕事」はありますよね。

子ども小5の我が家はまだ給食文化圏にいますが、早朝の電車に乗り込む部活の中高生を見かけるたび、「この子どもの数だけ『暑い中に持たせるお弁当』に苦慮するお母様がいらっしゃるのよね…」とため息をついています。

さて、先の週末、私は52歳にしてスキューバのライセンスを取得しました。この年で新しく何かをすると、本題とは関係ない部分に「わかる」ことが出てくるんですね。そして、若いころは理解できなかったであろうそれらの関連性に、いまの私たちは気づくことができるというお話です。

【更年期50代のアフタヌーンエイジ日記】♯36

50代になってみると、かつての印象ほどは「コストがかかる」趣味ではないものたち

今回は初日がプール実習でしたが、海況がよければ最初から海で行うこともあるそう。

私のママ友界隈はもれなくスキューバのライセンスホルダーで、すでに昨年子どもが1人PADI「ジュニア・ダイバー」を取得しています。PADIのジュニアライセンスは10歳から取得可能で、10歳11歳までは12mまで、12歳から14歳は18mまで潜ることができます。15歳以降は大人と同様のライセンスに切り替えが可能。

 

学生時代や社会人若手のころ、スキューバって旅費やら装備やらも必要で、お金のたくさんかかるゴツい趣味でしたよね。ところが、スキューバのコストそのものはこの30年ほぼ変化していません。ですから、50代になって見てみると「あれ、意外とできるかも」というプライスな点にまず驚きます。最近周囲が始めるゴルフもきっとこんな感じなのね。

 

今回は三浦半島エリアのショップにお世話になりましたが、このエリアでのライセンス取得費用を見ていくと、閑散期ならば一式5万円台などのショップもあります。品川から逗子って実は50分ほどなので、横須賀線へのリーチがよいお家ならば、たとえばJR逗子駅からの送迎可能なショップを選べば「通い」での取得も可能です。

 

今回は1泊は素泊まりの民宿、1泊は鎌倉に別宅をお持ちのママ友に泊めていただき、3日連続の講習で取得しましたが、要するに長い休みを確保して沖縄やら西伊豆やらで泊まりがけで取らなくても、毎週土曜の3回通いに分けることもできるのですね。現に今回3日目から合流したパパ&娘ペアは、2日連続で講習を受けたあと、1週間あけてもう1回受講の予定です。こういうこと、私は30代のころは知りませんでした。

 

アウトドアレジャー、コロナ禍はむしろ「楽しむ人が増えていた」そうです

「沖縄でーす♡」って書いても信じちゃう風景ですが、神奈川県の三浦半島。背後の畑では枝豆育ててました。

今回は子どもグループで一気に取得したのもよかった。子どもにも「海こわい」「海の中こわい」などいろいろな思いがあると思いますが、「お友達と一緒だとノリでイケちゃう」。あんまり恐怖心を持たない子も、とても慎重な子もいましたが、ワーワーいいながらみんなで何とかしていくのが見て取れます。親子でもいいし、お友達とでもいい、「一緒に誘い合わせる」と楽しさもその分増えそうです。もちろん、一人で参加してもスタッフが寄り添ってくれるので楽しい。

 

大人も子どもも同一の学科試験を受けますが、落とすための試験ではありませんから、どこのショップでも合格するまでサポートしてくれると思います。学科は事前学習が前提ですが、あとから合流したパパ友は海域まで向かう車の中で超絶集中してテキストの残りを終わらせていました。

 

ショップの方に伺いましたが、コロナ禍では感染リスクの少ないアウトドアレジャーを模索したご家庭も多く、近郊部でのスキューバ人口は「増えた」そうです。親子連れで、またはライセンスを持つ親に連れられて子どもが取得というケースが格段に増えたとのこと。反抗期の子どもでもスキューバなら嫌がらず親と一緒に出かけてくれるので、見ていてほほえましかったとの話でした。

 

ライセンス取得後もお道具一式は6000円ほどでレンタルできますから、初期コストもそれほど巨額にはなりません。パパと子どもが一緒にできるうえ、パパの負荷が低いという点で、キャンプの次に着手してよいアウトドアなのかも。

 

自分の「もともと弱いところ」は、物理的な圧がかかることでよりはっきり自覚できる

子どもは一緒に遊んでれば何でも楽しい。みんなで助け合いながら勝手にうまくなってくれました。

さて、掲題の内容です。更年期とスキューバに何の関連が……?と思うでしょうが、個人的にはものすごくありました。

 

更年期症状の多くは「もともと弱いところ」に出がちです。若いころから片頭痛を持っていた人は頭痛に苦しむことがあり、寝つきが悪い人ならば睡眠に障害が出ることも多いでしょう。

 

私の場合、ストレスが耳に出るタイプです。30代には仕事のストレスで突発性難聴になりましたし、高齢出産後の育休復帰時にはワンオペに疲れ果てて再び聴覚障害が出ました。この43歳での聴覚障害が長い長い更年期障害への入り口でしたが、でも今から1年前に始めたHRT(ホルモン補充療法)がピタリと奏功、人生ではじめて心身ともに健康になりました。なので、耳に出るなんてことはきれいに忘れていました。

 

ところがスキューバをしてみて改めて判明しました。私は水中での耳抜きがものすごくへたくそだった。

 

耳抜き、飛行機で耳をポコっといわせるアレです。飛行機なら難なくできるのですが、水は空気よりはるかに高密で急速に圧がかかるため、できない人がいるんですね。私が器質的にできないのか、単にへたくそなのかはいまの時点ではわかりませんが、とにかく3日潜って全部失敗しました。察するに、生まれつき耳の何かが弱かったということなのかなと思います。そういえば車酔いもすごかったし、なるほど。

 

初日のプール講習時点ではまだ「慣れたらできるでしょ」とナメていたのですが、2日目、実際に海に12m潜ってみてもやっぱり抜けません。「これは気合の問題ではなさそうだ」と気づき、スタッフからアドバイスをもらい、ハウツーも検索して3日目もいろいろな方法を試しました。でも、海中では焦りがあるからでしょうか、抜けたような気がしていてもやっぱり抜けてなかったみたい。理屈の上では時間をかけてじわじわと潜っていけば大丈夫なのでしょうが、抜けてるのかどうかの判断もできないのが初心者というものなのです。

 

耳だけではない、膝も痛い。身体が持つ「弱い部分」に向き合うことになった

海での練習にあとから合流したパパ&娘。大人と子どもがまったく同一の課題に取り組むことって、そういえばほぼないですよね。

耳抜きがうまくいかない場合は耳が痛いだけでなく、聞こえもおかしくなります。聴力低下は起きていませんが、ぼわーんとタライをかぶったままのような聞こえです。大きな声、甲高い声や音は頭の中でぐわんぐわんするので、静かに生きていかねばなりません。

 

もう数日たちましたがまだ聞こえがおかしく、先ほどは同僚に「井一さん声がすごく小さいけど喉は大丈夫ですか?」と心配されました。ありがとう、音がこもってるからどのくらいの大きさで発声すればいいのかわからないのです。

 

プラスして、15㎏弱のタンクを背負うのですが、海から上がってきた瞬間の1歩目で左膝にものすごい負荷がかかり、心の中でギャっと叫んでしまいました。そうだった、私はもともと膝も悪いんだった。

 

ただし、こういうことが頻繁に起きるわけではもちろんなく、一緒に行った大勢のメンバーの中で「何かがあった」のは私くらいです。耳抜きも、たまたまうまくいかないことは「みんな一度は経験したことある、大丈夫」なことだそうで、いずれも過剰に恐れる必要はありません。

 

更年期のホルモン変動って、身体にとって「2気圧分以上の負荷」なのかもしれない!

ママ友はみんなお料理が先生クラスに上手。今回はカレーロイヤーゆっこ先生のお宅でカレーのおもてなしをいただきました。

逆に言えばですよ。今回は10mちょっとのところまで潜ったので2気圧強でしたが、更年期症状が出る状況というのは、物理的ストレスに換算すれば「2気圧かかったくらい」だと言えるのかもしれない。すごい、私たち気圧が1ではない的世界を知らずのうちに耐えてたのかもしれない。

 

千葉大学医学部産婦人科の甲賀かをり教授にお話しを伺った際、「更年期症状は客観的症状と主観的症状に分けることができる」と教えていただきました。検査を行うことで客観的に判明する高脂血症や骨粗しょう症などの症状と、ホットフラッシュやイライラ、睡眠障害など主観でわかる症状という分け方です。

 

メディアではよく、更年期症状を主訴の側から「イライラ系」「ホットフラッシュ系」のように分けていきます。でも、「自覚症状が中心か、測定してわかるものか」という2つの側面から見てみると、水圧というある種の負荷テスト下でトラブルが出た私の「耳」「膝」は、先々なにか大きな問題が起き得る隠れ部位なのかもしれない。痛みというのは主観だけれど、これも「客観的症状」の一種と言えるのかもしれない。なるほど。

 

「普段じゃないことをしてみること」でこのように何かが起きた場合、30代なら不安で右往左往したでしょうけれども、50代になるとこうして「なるほどな」と余裕を持って受け入れることができるのがちょっと嬉しい。若いころよりも知恵がついた自分に気付けるのが嬉しいのです。体力はどんどんなくなっていくけれど、知恵は生涯増えていきますから!

 

と、ここまで書いた内容をママ友に確認していただきましたら、おひとりからこんなお返事が。

「今朝のヨガでの教え。骨は18歳をピークに強くなることはないけど、筋肉はストレスかければ何歳でも成長する。知恵と同じかな?」

うんうん、ほんとに。知恵も筋肉もつけていける! だから私たち、これからも全然大丈夫!

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