更年期で「腸内細菌」も変化するってホント?「腸の性差がなくなる」と起きてしまうことって

閉経の前後10年の更年期には、女性の体にあらゆる”ゆらぎ”が起こります。体調不良や見た目に注目が集まりがちですが、更年期をキッカケに腸内環境や腸内細菌も乱れてしまうことがわかっています。腸内環境はあらゆる病気との関係も解明されており、すぐにわかりやすい不調を起こさなくても、乱れた状態が続くのは避けたいものです。

 

今回は、更年期によって腸内環境が乱れてしまう理由と生活の中で取り入れたい腸内環境を整えるTipsについて、腸活うんち専門家の長瀬みなみがご紹介します。

 

腸内環境には多様性が大切

私たちの腸の中には約1000兆個の腸内細菌が生息しています。腸内細菌が活動しあらゆる代謝物を作り出すと、それらが血液や神経を通じて全身をめぐり健康に影響を与えています。腸内細菌の代謝物は1種類だけではありません。腸内環境の良し悪しや腸内細菌の多様性によって、そのときどきで変化するのです。

 

腸内細菌の多様性の低下はあらゆる病気の原因になっていることもわかってきています。大腸がん、潰瘍性大腸炎(IBD)、糖尿病、動脈硬化などは、腸内細菌の多様性の低下と密接な関係が示唆される疾病です。

 

腸活では、よい働きをしてくれる腸内細菌の数を増やすことや、健康に悪影響を及ぼす可能性がある腸内細菌をなくすことをイメージする人も多いです。しかし、腸内細菌に多様性があれば、その割合によって腸内細菌の働きがコントロールされ、私たちの健康を保ってくれます。排除したり、厳選するのではなく、さまざまな腸内細菌の種類を増やすことが大切なのです。

 

更年期で腸内細菌の多様性は低下

更年期を迎えた女性は、閉経が近づくにつれて、腸内細菌の多様性が失われていきます。まだ明確な因果関係は解明されていませんが、ホルモンバランスの乱れや加齢が原因と考えられています。

 

実は、腸内細菌の多様性にも性別による差異があり、女性の方が男性に比べて多様性が高い傾向にあることがわかっています。しかし、30代をさかいにだんだんと多様性が低下していき、60代になると男性とほぼ同じ状態に。男性に比べて、女性の方が腸内環境の変化も大きいのです。

 

また、腸内細菌の多様性は、腸内細菌が作り出す「エクオール」によっても左右されることもわかっています。エクオールを作り出すことができる腸内細菌を持っている人は、日本人の2人に1人と言われており、エクオール産生能力がある人の方が能力がない人に比べて、腸内細菌の多様性が高いのです。更年期不調の有無や重症度もエクオール産生能力によって影響を受けますが、その裏には腸内細菌の多様性も関係しているかもしれません。今後、研究が進んでいくことに期待しましょう。

 

エストロゲン減少が腸内環境悪化の原因に

閉経が近づくにつれ、卵巣機能が低下するためエストロゲンの分泌は減少していきます。しかし、脳の視床下部からはお構いなしにエストロゲンを作るように指令がでます。エストロゲンを十分な量を作る機能はすでにないため、いつまでもエストロゲン量が足りない状態が続くと、視床下部からは指令が出続けてしまいます。視床下部はホルモン分泌だけでなく、自律神経にも影響を及ぼしているため、エストロゲンが減少すると自律神経の乱れも引き起こしてしまうのです。

 

腸は自律神経によって働きをコントロールされている臓器です。自律神経が乱れれば、腸の働きも低下してしまいます。結果として、腸内環境は悪化。便秘や下痢をはじめとした胃腸障害を引き起こすこともありますが、身体的な不調が現れない場合もあります。不調があってもなくても、腸内細菌の多様性の低下には繋がっており、全身に悪影響を与える可能性は否めません。

 

腸内細菌の多様性を高めるために

更年期による体の変化は抗えないものですが、腸内環境を整えて多様性を高めるためには日々の努力が必要です。最も大切にしたいのが「食事」。バランスが良いことはもちろん、あらゆる栄養素の食材を豊富に食べることから始めてください。

 

腸内細菌は、私たちが食べた食事をエサとしてさまざまな代謝物を作り出しています。エサによって代謝物が代わり、健康への効果も変化するのです。さらに、ある腸内細菌の作り出した代謝物が、別の腸内細菌の代謝をサポートする働きをする場合もあります。バランスの良い食事をすることで、腸内細菌の働きを最大限に引き出すことができるかもしれません。

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