更年期女性が健康対策のために「もう1品プラスする」なら何を選ぶべき?食事の改善、考える基準は

前編記事『更年期のホットフラッシュ、腸内環境とは関係あるの?「日本人女性が有利な点」って何ですか?』に続く後編です。

この記事では、腸活プロデューサーの長瀬みなみが、ホットフラッシュが腸内環境に与える影響の可能性や、現段階で発表されているエビデンスから改善のヒントを探ります。

アジア圏の女性は西欧に比べてエクオール産生能力が高い

エクオールの産生能力は、国や地域による差異も研究が行われています。2012年に日本女性医学学会雑誌にて発表された論文*3では、欧米の女性よりも日本を含むアジア圏の女性のほうがエクオール産生能力が高いという結果が発表されました。

 

腸内細菌の組成はそれぞれの地域で特徴があり、その特徴タイプをエンテロタイプと呼びます。欧米人のエンテロタイプと日本人のエンテロタイプは特徴が異なります。欧米系のエンテロタイプはタンパク質や脂肪を多く摂取する食習慣によって形成されます。

 

日本人のエンテロタイプは、穀物を主食とし、海産物の割合が多く、味噌や醤油のような大豆製品を積極的に摂取する習慣によって作られたエンテロタイプです。腸内細菌のエンテロタイプとホットフラッシュや更年期症状との相関は研究されていませんが、日本人的なエンテロタイプでは、エクオールを産生しやすい腸内環境である可能性があるのです。

 

食習慣の見直しから始めてみては

ホットフラッシュと腸内環境についてお話してきました。直接的な関係性があるかどうかはまだまだ研究の成果が待たれますが、相互に影響しあっている可能性は否定することができません。食習慣の改善が健康づくりに役立つことは間違いのない事実であり、少なくとも「試してみて損をする」ことはありません。

 

たとえば、日ごろ炭水化物摂取量が多いと自覚がある人ならば、食事の都度なにか1品をタンパク質を意識したものに変更する、ビタミンやミネラルを豊富に含む小皿を追加する、ヨーグルトや納豆など腸活を意識したメニューを毎朝1皿盛り込むなど、無理なくできる小さい1歩を踏み出してみてください。どれだけ小さなことでもかまいません、「できることを探す」のが大切であり、それこそが大きな変化を作り出す第一歩なのです。

 

更年期症状にはさまざまな治療や対処法がありますが、まずは誰でも手軽にスタートできる食習慣の見直しから始めてみてはいかがでしょうか。

 

 

[1]Freedman RR. Hot flash trends and mechanisms,Menopause 2002;9:151-152
[2]Atsushi Takahashi et al,Association of equol with obesity in postmenopausal women,Menopause 2021;28:807-810.
[3] 麻生武志 内山成人,「ウイメンズヘルスケアにおけるサプリメント:大豆イソフラボン代謝産物エクオールの役割」,日本女性医学学会雑誌 2012 ;20-2,313-332

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