更年期でだるくて、やる気が出ず、気分も落ち込む。更年期症状と間違いやすい「橋本病」とは?

Q.最近、倦怠感が強くなにもやる気になれません。これも更年期の症状ですか?

イラスト/lely

【A】
理由のわからない倦怠感、つらいものですよね。

だるさ、無気力、うつといった不調の多くは、更年期からくるものです。日本の女性は一般的に50歳頃に閉経を迎えるといわれてきましたが、昨今の研究では平均値は52歳であるとされ、閉経前後の5年間が更年期と定義されています。つまり、47~57歳くらいの10年間が「更年期」にあたるのです。

更年期はさまざまな不調が起こりますが、その原因は女性ホルモンのエストロゲンの減少です。
エストロゲンは骨密度の維持や心血管疾患の予防、自律神経のコントロールなど、からだの機能に多く関わっています。

自律神経が乱れると、血行不良や睡眠の質の低下などのさまざま理由から、からだが疲れやすい状態になり、うつ病を引き起こす場合もあります。
しかし、原因不明の不調には、更年期以外の別の理由が隠れている場合も。

続いては、更年期以外の原因について見ていきましょう。

 

 

Q.更年期以外では、どのような原因が考えられますか?

イラスト/lely

【A】
だるさや無気力などの不調の原因は、更年期以外にも複数考えられます。

貧血、副腎疲労、肝臓や腎臓の病気、そして「橋本病」などの甲状腺疾患です。橋本病は自己免疫疾患という病気のひとつで、本来からだを守るはずの免疫が、細胞や臓器を攻撃してしまうことで起こります。橋本病により甲状腺に慢性的に炎症が生じることで甲状腺ホルモンが作られにくくなり、炎症が進行すると甲状腺機能低下症という病気を発症します。
具体的な橋本病の症状は、無気力や疲労感、倦怠感のほか、むくみや便秘などです。月経異常やドライマウス(口腔乾燥症)といった症状がみられる場合もあります。

 

 

Q.症状の原因を正しく見極めるにはどうしたらいいですか?

PhotoAC

橋本病はうつ病と似た自覚症状がありますが、橋本病の特徴として、のどぼとけ辺りにある甲状腺全体が腫れ、首に圧迫感があるのが特徴です。

まずは甲状腺の病気を専門的に診療してくれる、内分泌内科や耳鼻咽喉科で診察を受けましょう。
もし甲状腺の腫れ以外にも自覚症状があるなら、医師にすべて伝えましょう。

橋本病の検査内容は、主に血液検査や超音波検査です。血液検査では甲状腺や抗甲状腺抗体の検査、超音波検査では腫瘍の有無についても調べます。

しかし、甲状腺の病気は橋本病以外にもたくさんあります。自己判断せず、まずは病院で診察してもらいましょう。

 

つづき▶【後編】では、病院の検査でとくに甲状腺に異常がなく、症状が更年期からきている場合の対処法について教えていただきました__ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶

 

<この記事を書いた人>

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師

碇 純子(いかり すみこ)

薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/

●Medical Health CH:https://www.youtube.com/channel/UC7XLi90xVGs_NnKhowC0G2w

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この記事は
薬剤師 碇純子

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