
「中学受験はうちの子には不要」と考える親が「大正解」である決定的な理由【池上彰の未来予測・前編】
2040年に働き盛りとなる今の子どもたちに必要なのは“幅広い教養”
変化のはやい時代になり、スーパーのレジなど当たり前にあった仕事が減っていき、AIにまつわる新しい仕事が増えたり、と
人間が担う仕事の内容や種類も変わりつつある今の時代。
子供が将来、自立をして飯を食える大人になるために、今身につけるべきことは何なのか。
「子どもが進路について考えるとき、『こんなに何教科も勉強する必要はある? 将来役立つスキルに絞って勉強したほうがいい』と考える子などがいます。
これに関する答えとして、大人としては『ひとつのことに没頭するのもいいけれど、子ども時代には興味のないことにもいろいろと触れてみて、視野を広げたり、教養を身につけたりしてほしい』と考えます。
社会に出て働くとなれば、スキルはもちろん重要になります。教養はいずれじわりじわりと役に立ち、生涯使えるものなのです。たとえば『寿司職人になりたいから勉強なんか必要ない。早く修業して一人前になりたい』という進路の決め方も、もちろんいいでしょう。
しかし、『いずれ自分の店を持ちたい』という夢もあるのなら、経営について学ぶ必要があります。魚などの仕入れ値が変動すると店の利益率はどうなるのか、多くのお客様に来店してもらうためにはどういうマーケティングや広告活動をすべきなのか。最低限の経済学の知識や社会動向を知っておかないと、経営はうまくいきません。
大人になっても必要な「教養」は軽視せず、学べる機会に、自ら積極的に学んでほしいと思います」
「変化」は時にネガティブに捉えられがちですが、終身雇用時代の終わりを前向きに捉えれば、自分なりのアイデアやスキルを生かし活躍できる時代になるということでもある。
仕事の選択肢が増え、今後ますます転職でキャリアアップすることが当たり前な世の中となるなら、幅広い教養を身につけることが自己実現していくにあたり今以上に、重要になっていくのかもしれない。
いつの時代も子どもは遊びを通して人間力を学ぶ
もうひとつ、池上先生が子育てに迷える私たちにおくってくれているメッセージがある。
「今の子どもたちは、2040年に向けて『人間力を生かした働き方』ができる人になるべきです。AIに仕事を奪われない人は、人間力のある人だからです。小さな頃から塾に行って知識を詰め込むよりも、友だちと外で遊ぶほうが人間力を鍛えることができます。
私の子どもの頃は、野原でいろいろな年齢の子どもたちが一緒になって遊んでいました。自然と「年齢の違う人たちに目配りをしながら、どう統率していくのか」というリーダーシップを身につける子が出てくるのです。みんなが同じ年齢だと必要のない統率力、リーダーシップが、異年齢だからこそ必要になってくるというわけです。それが結果的に、人間力や思いやりにつながります。
今はそうした機会があまりないため、保育園や幼稚園、小学校などで「縦割り」の時間が設けられ、異なる年齢の人たちとの交流が図られています。
また昔は、親が地域で活躍しているところを子どもたちも見ていました。お祭りや町内会、子ども会などの手伝いをしたり、町内でトラブルがあると仲裁をして解決に導いたり、今振り返れば、そうした親の後ろ姿を見ることも子どもにとって人間力を身につけるための勉強になっていたなと思います」
塾やそのほか習い事などで子供の自由な時間を奪いすぎると、本来遊びの中で学ぶべき人間力が育まれなくなってしまうことも。子供を思えばこそですが、”勉強”と”遊び”のメリハリを親自身が意識していきたいですね。
前編記事では子供にとって必要な教養と遊びについて触れました。続く後編では、中学受験の過熱による教育格差の問題により、日本に起こりうる未来の教育についてのお話を紹介します。
▶▶▶池上彰の未来予測「2040年、教育格差により日本は階級社会になる」そのとき必要な能力とは【後編】
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