#1もう、一生セックスしないのかも…。【40代、50代の性のリアル】
「終わり方」へのこだわり
「きっと自分のことが好きだからでしょうね。自分が大事。それもセックスが好きになれない原因のひとつかな。セックスって、男性が射精すれば終わりじゃないですか。女性がどれだけ満足しているかとか、このあとどうしたいかとかはあまり考えられず、男性が終わった時点でセックスも終了。女性が主導権を握ることもあるんでしょうけれど、結局、最後は男性の都合で決まるって、なんかヘンだと思っちゃう。たとえば食事をしていて、一方が食べ終わった時点でもう一方を待たずに勝手に席を立つってことないですよね。私、何ごとも終わりはきれいにしたいんです」
これもまた美意識なのだろう。ミナエさんはこうしたいろんな要素をもとに、いまの自分にセックスは特に必要ないと見極めているようだ。
「ええ、これまでも自分で決めてきたし、これからもそうしていくと思います。でも40代になってから、セックスがそんなに気持ちいいことなら、それを知らないまま終わるのも女性として生まれてきたのにもったいないのかな、という思いがふと胸をよぎるようにはなりましたね。だけど、やっぱり私にとっては親しい人たちと楽しく遊んだり食事したり、ひとりでぼーっとしながらあれこれ考えをめぐらしたりする時間のほうが大事。少なくともいまはそう思います」
40代、これからのセックス
この先、好きな人ができたらその考えは変わるのだろうか。
「『彼氏を作らない』という気持ちも、44歳になって少し変わってきました。先のことは決めつけなくてもいいですもんね。人生があと50年つづくとして、誰かと出会って交際するようなことがあったら、いままでやったことがないことをしてみたい。たとえば、思いっきり仲良しカップルになってみるとか(笑)。いままでは“サバサバ系”という自分のキャラに合わないとか、自分の美意識に反するとか、そんな理由でイチャイチャしたり甘えたりしたことってなかったんですよ。でも人生で一度ぐらい、ちゃんと恋愛してみるのもアリかもしれませんね」
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する・しない、したい・したくないに翻弄されるのは思いのほか苦しいことだけれど、ミナエさんは自分が欲しているもの、快適な状態にすなおでありつづけてきたため、いま自分が立っている性の現在地に納得している。そんないまがあるから、いつか訪れるかもしれない“ラブラブ期”には仲良しカップルぶりを見せてくれるだろうと思わせてくれる。セックスがあってもなくても、それはハッピーな体験になるにちがいない。
【編集部より】