認知症予防に「脳トレ」の効果は期待できない!?全米医学アカデミーが発表した「予防のためにまずやって!」意外な2つとは【医師に聞く】
「認知症予防には『脳トレ』だと思ってた!」家族の介護歴4年のライターが知った新たな事実
―――「認知症の基礎知識」から「周辺症状が自然と消えるケア技法」までいろいろ教えていただきましたが、ぜひ「予防」の観点からもお聞きしたいです。母や叔母は今のところ自律して生活ができていますが、物忘れの自覚もあり「もしかして認知症?」と不安に感じることが増えたと言います。予防に効果的なのは、ゲームやパズルなどの「脳トレ」なのでしょうか?
本田 美和子先生(以下、本田):おっしゃる通り「日々、脳を鍛えたら認知症を防げるんですよね? 『脳トレドリル』を頑張ります」といった声はよく耳にします。これまでも、認知症予防として「脳トレ」に関する情報があらゆるところで紹介されてきたからかもしれません。
一方で、実際にそれが認知症の予防になるかどうか、脳トレの効果について科学的な研究が進められてきました。すでに発表されている個別の研究論文を集めて、その効果について客観的・系統的に分析した結果では、脳トレを行う前と行なった後での認知機能には大きな違いはなく、その効果については限定的である、という結論が出されました(コクランレビュー「軽度から中等度の認知症をもつ人々のための認知トレーニング」)。
―――そうなんですか? てっきり効果があると思っていました。でも、改めて自分に置き換えてみると、計算やクイズ系はちょっと苦手な分野です。ならば体を動かしたり、料理をしたり……そういったことのほうがストレスはないので、予防になりそうな気もします。
本田:まさしくそうですね。楽しい時間を過ごすことが何よりも大事です。
全米医学アカデミーが認知症の予防について発表した報告書(認知機能低下と認知症の予防)でも、脳トレについてはあまり効果が認められず、血圧を高すぎないように保つこと、さらに高血圧・肥満・うつ病など認知症との関連が示唆されている状況の改善に役立つ運動が推奨されています。
現段階で認知症を完全に予防できると証明されている手段はありませんが、「血圧の適度なコントロール」と「適度な運動を継続して行うこと」の2つが認知症の予防に役立つと考えられていますね。
▶まずは「立つ」だけでもいい
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