日本人の約7割が間違えている微妙な日本語!「〇〇を飛ばす」

「あの後輩、最近ちょっとたるんでいるから、檄(げき)を飛ばしてきたわ」
「部長が部全体に檄(げき)を飛ばしたので、少し活気が戻ったわ」

実はこの使い方NGです!

「檄を飛ばす」のは、「しっかりしなさーい」と相手に気合を入れることだと思っている人が多い。そのことが最近発表になった世論調査でもわかったので、ここotonasaloneで解説します。この記事を読んだ人はもう大丈夫。思い違いを直しちゃいましょう。

 

「げきをとばす」誤用のデータ

「げきをとばす」は、「檄を飛ばす」と書きます。本来は、「考えや主張を広く人々に知らせて同意を求める。」という意味です。
「檄」とは、簡単に言うと、木の板に書いたお知らせのことです。

中国,古代に,告諭,召集,詰責などに用いた公文書。また,その文章様式。もともと,戦いのときに起ったもので,天の時,地の利,人の和などから説き起して,味方を激励したり,敵に降伏をすすめたりする内容のものが多く,激しい表現をとる。最初は木札に書かれた。
出典 ブリタニカ国際大百科事典

このことから「広く知らせる」ことを表すようになりました。
ところが、世論調査によると、意味を誤解している人がまだ大勢いるという結果です。しかしその数はだんだんと減っています。そうです、昨今の国語ブーム、敬語ブームにのり、そして私も含めてですがネットなどで「正しい言葉」を伝える人や企業も増え、本来の正しい意味を取り戻す傾向にあるのです。そんな中、まだ間違っている方を使い続けているのは、いくら「言葉は変化するものだ」としても少し恥ずかしいこと。少なくとも「私は本来の意味を知っていながら、正当な理由があって、わざわざ誤っている方を使っているのだ!」と表すくらいの覚悟を持った方がいいのかもしれません。

 

世論調査はどうなっている?

文化庁「平成29年度『国語に関する世論調査』の結果について」によると、「言葉に対する感覚」の項目で、次のような問いがあります。

どちらの言い方を使うか<問 17>

  • (ア) 自分の主張や考えを、広く人々に知らせて同意を求めること
  • (イ) 元気のない者に刺激を与えて活気づけること
  • (ウ) (ア)と(イ)の両方
  • (エ) (ア)と(イ)とは、まったく別の意味
  • 分からない

ここで、正解である(ア)を選んだ人は、前々回の平成15年度、前回の平成19年度の結果を比べると、14.6%→19.3%→22.1%と増えています。先ほども述べた通り、言葉のブーム、コラムやブログなど、正しい意味を周知させるプラットフォームの普及により、間違えて覚えていた人が修正する傾向にあるといえるでしょう。

その証拠に、誤って広まったとされる(イ)を選んだ人は、前々回の平成15年度、前回の平成19年度の結果を比べると、74.1%→72.9%→67.4%と確実に減っています。確かに(ア)より多いのですが、それでも、徐々に減り続け、今回初めて70%を切りました。
数字だけを見ると、誤用している人の方がまだ多いので、「私は多数派でいいわ~」と考える人がいるかもしれません。

広辞苑でも「俗に」という言葉が添えてありますが、辞書にも載るようになりました。

1考えや主張を広く人々に知らせて同意を求める。
2俗に、元気のない者に刺激を与えて活気づける。
広辞苑第6版

しかし、正しい使い方をしている人が確実に増えてきており、誤った使い方をしている人が減っていることを考えると、どちらに切り替えた方がいいかはわかるかと思います。例にもれずこのコラムがそのような機会になることを祈っております。

 

日本語の誤用は、変化?退化?

先日、美輪明宏さんがテレビで、日本語の誤用乱用について、「これは言葉の変化ではなく退化です」と断言しておられました。私もそれに同意します。

人間にとって「変化」は大切なものであり、このような言葉の変化は原因を探る必要があります。そしてその原因が「楽だから」「みんながそう使うから」「使っている人が多いから」という安易なことでしたら、本来の意味で踏ん張るべきだと考えます。しかしそうは言っても流されてしまいますよね。なので、こんなコラムを読んだときに「ああ、檄を飛ばすって本来は、自分の考えを広く知らせることなのね」とちょっとだけ復習してくれれば嬉しいです。まさに私のコラムが、「檄を飛ばすに関して、本来の意味はこっちよ!」と檄を飛ばすことになりますよう。

 

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