更年期のメンタル不調はまず婦人科へ。どんな検査と治療が行われる?

2026.05.20 LIFE

「ホルモン補充療法(HRT)」以外の治療法についても教えてください

――検査の結果、例えば「乳がんの既往歴がある」「動脈硬化が進んでいる」などでHRTが受けられないと判断された場合、もしくは御本人が希望されない場合は、どのような治療がありますか?

 

HRTを受けられない方、希望されない方には、代替療法として漢方治療やプラセンタ療法、または植物性エストロゲン(エクオール)などで症状の緩和を図る方法があります。日々の生活のQOL(生活の質)を高めるために、検査と並行して対処法を試しながら、女性がこの時期を豊かな時間として過ごせるようサポートしていきたいと考えています。

 

――もし検査で「更年期のメンタルの不調」と判明した場合、こうした不調は年齢を重ねるにつれて収まっていくものなのでしょうか?

 

女性ホルモンが大きくゆらぐ更年期。体がその変化に少しずつ慣れていくまでの期間は人それぞれです。とはいえ、一般的には50代後半から60歳前半にかけて、つらい症状が落ち着いてくる方が多いといわれています。

 

――更年期と呼ばれる年代でメンタルの不調を感じている女性に向けて、治療を開始する前に知っておきたい心構えがあれば教えてください。

 

更年期の体調不良の治療は、すべての女性に同じ方法を当てはめるものではありません。たとえばHRTを受ける場合でも、他の治療法を選択される場合でも、大切なのは、その人自身の既往歴や体質、感じている不調、そして日々の暮らしに寄り添った「オーダーメイド」の視点です。自分のホルモンバランスを丁寧に見つめながら、足りない分を無理なく補い、その時々の体調やライフステージに合ったプランを選んでいく……。そんな柔軟な向き合い方こそが、心地よく続けるための鍵といえるでしょう。

 

そしてもうひとつ大切なのが、信頼できる専門医の存在です。定期的に検査を受けながら体の変化をきちんと確認していくことが、安心して治療を続けるための土台になります。

 

 

この記事の前編:50歳前後の「ささいなことで涙が出る」「不安で仕方がない」メンタル不調は、何科を受診すべき?

 

 

お話を伺ったのは

石塚 文平 先生(ローズレディースクリニック院長)

 

プロフィール

ローズレディースクリニック院長。聖マリアンナ医科大学名誉教授。昭和大学医学部卒業後、慶應義塾大学産婦人科、 カリフォルニア大学留学をへて、聖マリアンナ医科大学産婦人科教授、同大学生殖医療センタ一長、同大学高度生殖医療技術開発講座特任教授を歴任、2014年に同大学名誉教授、同年口ーズレディースクリニック院長に就任。早発卵巣不全の研究と治療に長年とり組み、日本国内のみならず、海外からも患者が訪れる。https://roseladiesclinic.jp/

 

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