「今度伺わせていただきます」はNG?丁寧なつもりの「過剰敬語」が逆に無礼なワケ

どの企業でも接客の方法については新人研修などで学習済み。

しかし、実際に業務が始まると、敬語以前に覚えなくてはいけないルールが山のようにあり、自分がお客さんに対して使っている敬語について、時間をとって検証、復習している余裕もありませんよね。

でも、実際に国が調査したアンケートによると、国語に関する意識は高まっています。

しかも、年々その数字は伸びているのです。

 

小学校から後回しにされる国語

 

日常の言葉遣いや話し方、あるいは文章の書き方など、国語について、どの程度関心があるかを尋ねた、
「非常に関心がある」(17.0%)と「ある程度関心がある」(59.2%)を合わせた「関心がある(計)」は76.3%となっている。

国語に関する世論調査2018年

 

さて、関心は高いのに後回しにされるのが、国語です。みなさん、実は学校でもそうだったでしょう。テストや試験の必須科目ではあるけれど、日本語なのでなんとかなる。そう思って国語の学習は後回しにしていませんでしたか? 確かに算数や数学のように、習ったことがすぐに役立つ即効性がないのが国語です。しかし、だからこそ、じんわりとしかし確実に学力や仕事に差が付くのが「国語」なのです。
そういう意味で、近年「実は国語の力って、人生を左右するのでは?」と気づかれ、様々な国語力、敬語本などのブームになりました。世論調査の結果もそれを反映していると思われます。

 

二重三重敬語の罠

さて、そうは言っても、私のような専門塾は別にして、世の中には敬語を学びなおす機会は、ほとんどありません。敬語に関する本もたくさん出ていますが、全部読んだからと言って、何かごっそり身に付くわけではありませんよね。そして、とりあえず、今、目の前のお客様に、とりあえず丁寧に話しておこうとすると、二重三重敬語になりやすいものです。しかし、相手が皇室である以外は、最上級の敬語を話す必要もなく、例えば接客業ですと、むしろシンプルに直すことで、無礼がなくなります。まずは二重三重に重ねた敬語をやめてみましょう。

 

二重三重敬語の例と改善

ちょうど美容院にいる時にこの原稿を書いていますので、美容院で思いつくシーンで書いてみます。

 

  • 今度伺わせていただきますね。

「伺う」は「行く、訪ねる」の謙譲語。はい。すでに十分です。
これに「いただく」という謙譲語が覆いかぶさるように使われているというわけです。
「今度伺いますね」これで十分です!

 

  • おっしゃられる通りです。

「おっしゃる」は「言う」の尊敬語。はい。すでに十分です。
これに「られる」という敬語表現。多すぎです。
「おっしゃる通りです」これで十分です!

 

  • 前回、お越しになられたのは3週間前です。

「お越しになる」というのは尊敬語。はい。すでに十分です。
これに「られる」の敬語というパターン。重なっています。
「前回、お越しになったのは3週間前です」これで十分です!

 

  • 雑誌はご覧になられますか?

「ご覧になる」は「見る」の尊敬語。はい。すでに十分です。
これに「なる」の敬語というパターン。重なっていますね。
「雑誌はご覧になりますか?」これで十分です。

 

  • お首の方、お苦しくはございませんでしょうか?

「お」が2か所に、意味不明の「方」そして「ある」の敬語「ございます」でめちゃくちゃなパターン。
「首は苦しくありませんか?」でOKです。

たとえが分かりやすいように美容院を挙げましたが、実際はどの業界でも聞かれる過剰敬語。

・実はシンプルで十分

これくらいに構えていた方がよいのです。一か所だけ集中して敬語にし、あとは丁寧語レベルで大丈夫

しかし、髪を触るという、ある意味距離感がない職場で、親しさも必要な美容院。敬語はなかなか難しそうです。

「敬語の本を出版してくださいよ。僕、拝読させていただきます。」

 

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