あなたは経験ありますか? 人生で初めて「痴漢にあった」かもしれない話

2018.10.22 LIFE

本当の痴漢件数はどれだけあるのか

先にあげた警視庁の調査による痴漢(迷惑防止条例違反)は約1,750件というのは、あくまでも検挙された件数にすぎません。

痴漢被害にあっても、結局泣き寝入りする件数が、一体その何倍あるのでしょうか。

私のように声を出し、睨みつけ、突き出そうとしても、逃げられてしまったら警視庁の痴漢件数にカウントされません。

さらに言えば、静かな抵抗しかできない女性、怖くてガマンするしかなかった女性はたくさんいるわけで、もちろんそれも痴漢件数にカウントされません。

 

なぜ痴漢はなくならない?

46年間、痴漢にあわない人生を歩んできました。高校生までは満員電車に縁のない生活を送りっていたし、大学生・社会人になって満員電車に乗ったことはたくさんあるけれど、たまたま被害に合いませんでした。

だけど今回、痴漢にあったかもしれない経験をし、改めて感じました。

なぜ、日本において痴漢はなくならないのでしょう。

 

刑罰の問題? 性の問題? それとも

それほど「刑が重くない」からでしょうか。

痴漢事件の法定による刑は、

迷惑防止条例違反の場合で常習でなければ「6月以下の懲役または50万円以下の罰金」

常習であれば「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」

つまり、罰金刑になる可能性が高く、刑務所に行かなくてすむケースが多いのだそうです。

 

 

また、痴漢行為は病気──「性依存症」という見解も目にします。

ストレスだったり、快楽だったりが原因とも言われていますが、それならばなぜ痴漢被害者の多くが女性なのでしょうか。

 

日本社会では現代でも残る「女性蔑視」が痴漢の背景にある、という見方もあります。

だとしたら、私は山手線の電車内で見知らぬ男に蔑視されたということなのでしょうか。

 

痴漢冤罪の報道はあるけれど

なかには「痴漢くらいのことで」と思う人もいるかもしれません。そして、今回の私の件は痴漢かどうか定かではありません。

ですが、得も言われぬ不快感と悔しい気持ちは消えません。もっとひどい被害にあったかたなら、さらに深い心の傷を負っています。

 

痴漢に関する報道で、「痴漢冤罪」がクローズアップされる昨今。痴漢の冤罪にあったときや痴漢の冤罪を避ける対策といった特集を目にすることはあります。それも必要なことではあります。

でも、痴漢冤罪よりもはるかに数多く起こっている「痴漢被害」をどうしたらよいかについては、さほどクローズアップされていないのではないでしょうか。それは、痴漢があまりに多く日常化しているため、報道するほどめずらしいことではないから?

痴漢をなくすにはどうしたらいいか。

女性専用車両を設置するといったことで解決されない現実があります。刑を重くして罰することなのか、病気として社会的に認識させ治療を強化することなのか、教育や報道によって変えられるのか……。

改めて考えさせられる出来事でした。

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