「誰かのぬくもりを求めていいですか?」アラフォー恋愛事情・40歳夏海の場合2
初めて入ったホストクラブの店内は、想像していたよりも、ずっと品が良かった。黒っぽい壁に、スワロフスキーのように輝くガラスがたくさん貼りめぐらされている。シャンデリアも同じトーンの物が下げられていた。
本当に衝動的に、入ってしまった。
こういうところには、一生ご縁がないものかと思っていたのに。
私のような、いかにも仕事帰りのようなビジネスバッグを持った女もいるのだろうか。
>>誰かのぬくもりを求めていいですか?40歳・夏海の場合(2)……「40女の恋愛事情」story6 毎週火曜18時更新中
「何? 店の中、珍しい?」
ハッとした。
私の向かいの席には、さっきの彼がいる。
私の手を引いて、ここに連れてきてくれた、彼。
名前はヒカリくん、というらしい。
「ホストクラブって、もっと派手なところかと思ってた」
「店によっていろいろだよ。うちは割とシックなほう」
改めて顔を見る。
彼はとても綺麗な顔立ちをしていた。
大きな瞳は、どこか冷たそうで、目と目が合うと、どぎまぎしてしまう。
「ねえ、俺を指名してよ」
「指名って……?」
「俺がお姉さんの専属になるってこと」
この記事は
作家&エッセイスト
内藤みか
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