「誰かのぬくもりを求めていいですか?」アラフォー恋愛事情・40歳夏海の場合2
こんな風に、すぐ隣、自分の太ももと彼の太ももが10センチも離れていない距離に、男の人がいるなんて、どのくらい久しぶりなのだろう。
ホストクラブに行って、誰かを指名すれば、こんなにも簡単に叶えられることだったんだ。
「緊張してるの?」
ヒカリくんは、私よりも絶対に年下だ。
もしかすると10歳以上下かもしれない。
ちらっと、他のテーブルを見る。
薄暗くてはっきりとは見えないけれど、女性客の肩に手を回しているらしいホストもいる。
まるでカップルのような密接な距離で、その瞬間だけの恋人気分を味わう。
ヒカリくんの香水の柔らかい匂いが、漂ってくる。
そっと顔を上げると、彼の横顔が、間近に迫っていた。
男の人がすぐ隣にいるというのは、こういうことだったのだ。
そっとヒカルくんの手のひらを探した。
彼の膝の上に、それは置かれていて、銀色の大きな指輪が付いていた。
最近のホストは、スーツを着ていない人が多いという。
髪の色が黒く、髪型も落ち着いている人が増えているのだとかで、ヒカリくんも、ボタンをはだけさせたシャツに、黒髪だった。
普通の格好をしているからか、本当に、誰かとデートしているかのように錯覚してしまう。
けれどヒカリくんは、手を出してこなかった。
膝に置かれた彼の手は、動く気配がなかった。
>>誰かのぬくもりを求めていいですか?40歳・夏海の場合(3)につづく……「40女の恋愛事情」story6 毎週火曜18時更新中
この記事は
作家&エッセイスト
内藤みか
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