54歳、太ったのは更年期のせい?【100人の更年期#1】
一般に、閉経の前後5年を更年期と呼びます。日本人の閉経の平均年齢は50歳なので、45-55歳の世代は更年期に当たる人が多いもの。身体の不調に苦しみ「更年期障害」の状態に至る人もいます。
初潮を迎えた人ならば必ず誰しも迎えるのが閉経、そして更年期。なのに、親しい友人と生理の話はできても、「更年期の具合はどう?」とはなかなか話せないものです。私は正常なの?みんなどんな経過なの?この状態、治るの?
主婦の友社オトナサローネ編集部は、ごく普通に日々を暮らす同世代の女性100人がいまどのような更年期を迎えているのか、そのあり方を取材していきます。
1回めの今回は、「それほど目立った症状もなく」更年期を過ごしている54歳の女性。でも、そんな彼女でも2つ困ったことがあるといいます。
(ご本人の年齢や各種の数値は取材時点のものです)
【100人の更年期♯1 54歳・信金勤務】
プロフィール
54歳、夫と2人暮らし、東京都在住。4歳下の妹がいる。 当時69歳の母を卵巣がんで、祖母を子宮がんで亡くした経験から、 婦人科系の病気には留意してきた。
筋腫切除の経験で「軽め」を予想、その通りに
大学入学と同時に実家を出たので、母の更年期がどうだったか、まったく聞く機会がありませんでした。いま54歳ですが、同じ年の友人の話と比べても、私の更年期障害は今のところ軽い症状のようです。
52歳のとき、それまで重いけれども順調だった生理が突然不順になりました。大量の出血が3週間くらい続いて、ようやく終わったとおもったらまた1週間後に始まり、3週間続く、というサイクルが半年くらい続きました。それからは徐々に量が減り、間隔もあき、昨年53歳の2月が最後の生理でした。
最初は突然の不順に驚いて婦人科に行きましたが、特になんともなくて、これは自然なことですと言われました。「これからどのくらい続くんですか?」と聞いたら、人それぞれで、半年くらいの人もいれば、2、3年続く人もいると言われました。
でも、この軽さは実は予想していた通り。私は44歳のとき子宮筋腫を切除したのですが、切除前の半年、薬剤名を覚えていないのですが、なにかホルモン剤か類似のものを注射して筋腫を小さくしました。
このとき医師に「閉経と同様の状態になるので、人によってイライラや動悸、のぼせなど、更年期障害のような強い副反応が出ます」と説明されていたのですが、私は全然、何も出なかったんです。
更年期障害にはものすごい個人差があり、私は症状が出ないタイプなんだなと、この時楽観的になりました。
とはいえ、あとから「汗」「悪寒」がやってきた
人によって症状の出る順番も違うと言われますが、私は昨年最後の生理が終わった頃から、普段かかない汗をかくようになりました。
暑さやヨガで出る汗とはまったく違う汗。体の中から湧き出てくるぞという、じわじわとした感じがあって、そのあと染み出るような汗がじわりと出てきます。
熱さや寒さ、体温、その時の感情と関係があるわけでもなく、突然この汗は出ます。電話をしているとき、歩いているとき。何の脈絡もなく、1、2分ほど続きます。
でも、私はじわっと「汗ばむ」状態で、流れ出ることはなく、ちょっとハンカチで押さえるくらいで大丈夫でした。流れ出す友人や、座っていた椅子に汗のしみができてしまう知り合いもいて、対策が大変だと言っていました。
このほか、もしかして更年期症状ではないのかもしれませんが、手足のしびれもあります。つま先からぞわぞわした悪寒のようなしびれが、ゆっくり、じわじわじわ上がってくるんです。
私は左半身だけしびれ、だいたい2、3分で収まるのですが、この間は収まるまで待っているしかありません。2、3日に一度はありました。明け方にこの悪寒が出ると目が覚めてしまいます。
とはいえ、全体的に日常生活に支障はなく、仕事にも特に影響はありませんでした。
もう一つの困りごと、「太った」のは更年期のせい?
もう一つ、これも病院で検査していないので私の場合は更年期と紐づくかわからないけれど、この2、3年急に太り始めました。下っ腹が出るようになったんです。
食べる量が増えたわけではないし、生活パターンも同じ。でも、以前なら少々食べ過ぎても数日気を付けて調整すれば元の体重に戻っていたのに、戻らなくなりました。
私が太る言い訳にしているだけかかもしれませんが、自分では、代謝がものすごく落ちてるんだと思っています。
4歳下の妹に聞いてみると、やっぱり太るね、お互いいま人生マックスに太ってるよね、という話になります。妹はいまちょうど生理不順が始まったくらいですが、姉妹とはいえ体質はかなり違うので、「私はこうだったけれど」と伝えるにとどめています。
この症状は老眼や白髪と同じ「状態の変化」
私は日常に支障がなかったこともあり、更年期は病気ではなく、人として誰もが通る道と捉えていました。老眼や白髪と同じ「状態の変化」に過ぎない。でも仕事に支障をきたしたり、生活維持が無理になっていたら、治療していたと思います。
事前のイメージでは、更年期障害といえば、汗、うつ、めまい、イライラという感じでしたが、友人との話題は「汗」「太る」がメインでした。客観的にわかるからでしょうかね。何人かは病院にかかってホルモン補充を受けました。主な症状が汗でも、たかが汗とは思うなかれ、ひどい人は治療すれば楽になります。
先日、同じ年の4人で女子会をしました。みんな今はもう「抜けて」います。友人とはみんなで、何かが悪いと全部更年期のせいにしています。太る、目が悪くなる、疲れやすい、肩こり。でも、それみんな昔からだよね……。
「皮膚炎かと思っていたらどうやら更年期症状だった」という友人もいました。3、4年前、ずっと湿疹が収まらず、家にダニがいるんだと思って家中を燻蒸したのによくならず。あちこち病院を回るうち、実は更年期の症状だと診断されていました。
夫とは「ネタにできる」関係を保っています
夫と私は生活のリズムが違い、もともと一緒にいる時間が少ないので、一緒にいるときは手をつないだり、起きたらぎゅっとハグしたりするのが普通。一緒にいる時間が少ないから喧嘩する時間もない(笑)。
でも、性的な要求は、もともと弱かったのですが、生理不順のあたりで私の側からはガクっと減りました。夫はニコニコしながら「じゃあほかでしてくるから!」と言うので、お腹をパンチするまねをして終わり。こういうことをネタにできる関係性でよかったなと思います。本当にそうなったら?うーん、夫も気の毒だなとは思いますが、実際にそうなったらふざけんなですけどね。
「イライラ」の種を持っていたことに自分で気づく
私の友人たちからは「イライラ」という症状の話は出ませんでしたが、周囲を見ていると、更年期ではじめて自分がもとからイライラしやすかったことに気づく人もいるのかも?と感じます。イライラしている自分が、更年期というフィルターを経てはじめて自覚できるというか。
怒ったり、悲しんだりしても、だいたいその先に起きることはこの程度か、というのがもうわかってしまう年齢ですよね、更年期の時期って。だから、なるべくおだやかに、起伏なく、周囲とうまく調和しながら暮らしていきたいなって思います。
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