元国税芸人が東大に入学してみてわかった。東大合格者の「ほとんどに共通すること」とは

オトナサローネでの連載をまとめた書籍(電子)『お金持ちがしない42のこと』がロングセラー人気の、元国税芸人・さんきゅう倉田さん。この3年間は仕事の傍ら受験勉強にも専念する多忙な日々を送っていました。晴れて合格、23年4月に東京大学文科二類に入学したことは大きく報道されましたから、ご存じの方も多いでしょう。

マネーエバンジェリストとして経営者層に囲まれていた日々から一転、今度は10代の学生たちに囲まれる暮らしを始めた倉田さん。しかし、周囲の東大生らと接するごとに、彼らの瞬時の判断や教養、その合理性に「学ぶことばかりだ」と言います。

これまでの「お金持ちの行動様式」から発展して、「教養、努力する習慣、瞬時の判断力を備えた『文化資産持ち』の行動様式」の世界を伺っていきます。

 

現役卒業した日大、いま入学した東大。2つの大学を比較して「まず違うこと」は

2023年4月から東京大学に通っています。3回受験して文科二類に合格しました。

 

すべてゼロから勉強して、3回で合格なら悪くないと思います。しかし、多くの受験生は現役で合格します。おそらくその割合は7割くらい。残りが1浪で、2浪以上のいわゆる「多浪」はほとんどいません。

 

彼らは毎日高校に通いながら、東大受験のために勉強をしていました。ぼくも仕事をしながら勉強していましたが、それ以上に彼らには時間がなかったはずです。にもかかわらず、現役で合格。一体いつから勉強を始めていたのか。

 

東京大学には40人程度で編成された「クラス」が存在します。このクラスは科類と言語選択によって振り分けられ、種々の委員や旅行、学祭などではクラスを単位として活動します。なお、大学によってはクラスが存在しません。例えば、千葉大学にはクラスが存在せず、通学している友人の友人は「友達ができない。東大のような連帯感がない」と嘆いていました。

 

ぼくが以前通っていた日本大学理工学部建築学科には、100人単位のクラスが3つ存在しました。クラスの人数が多いと、同じ集団に所属しているという意識は希薄になります。同じクラスの人たちに、特段気持ちが傾くことはありませんでした。そう考えると、40人程度のクラスは適当だと思います。月並みな言い方ですが、ぼくの所属するクラスは「みんな仲良し」というコピーがしっくりくるようなクラスです。昼休みも1カ所に集まっているので、ときどきこれまでの人生がどのようなものだったのか聞いています。

 

約40人のクラスメイトは、ほとんどみんな中高一貫校から東大へ進学している

およそ40人のクラスメイトはほとんどが中高一貫校出身です。いまクラスメイトの自己紹介が掲載されたパンフレットを確認しましたが、中高一貫校でない公立の高校出身者は4人でした。加えて海外の高校出身者も数名いますが、8割程度は中高一貫校出身です。東大生で中学受験をしていない人は1割程度かもしれません。

つまり、みんな小学校の頃からこれでもかこれでもかと勉強しています。自分が小学生だった頃と比較してみましょう。ぼくは塾にもいかず、景品が欲しくて入会した進研ゼミも真面目にやらず、習い事といえば週3回のサッカーだけ。勉強とは程遠い生活を送っていました。

 

一方、彼らは週に数回は塾に行き、授業がなくとも自習室に行き、夏期講習や冬季講習を受け、模試の結果に一喜一憂して、勉強に励んでいました。文科一類で入学した友人は言います。

 

「日本史は小学校のときに勉強したから、東大受験ではそんなに勉強しなくて済んだ。大半は昔やったことを“思い出す”って感じだった」

 

高校でも日本史を習わず、東大受験で初めて日本史と邂逅したぼくとは生き方が全く異なります。文系で東大受験をすると、日本史と世界史と地理の中から2科目を選択することになります。日本人として、社会人として日本史を未習のままではいけないと思い、ぼくは日本史を選択しました。自分の所属する国の歴史を知らないなんて、恥ずかしいことだと思いました。 

 

しかし、勉強を開始したのは35歳。当時小学生だった彼らより、自国の歴史を知らなかったことになります。反対に、中学受験をしている子どもたちは、日本史や地理など特定の分野では大人の知識を上回る。いま皆さんの周りに、そういう小学生いるでしょうか。自分の好きなもの、例えば、生物や宇宙が好きな子どもはいるかもしれせん。そういった本人の好きな分野ではなく、愛着のない分野において豊富な知識を持つ小学生がいるでしょうか。

 

そういった特別な知識を得て、彼らは中学受験を乗り越えています。そして、中学と高校でも勉学に励み続けて、東京大学の赤い門を叩くのです。

 

つづき>>>そんな東大生たちは、いったいどんな経歴を経て入学していくるのか?そのスタートは思ったとおりの…

参考文献
受験と教育の情報サイト inter-edu.
https://www.inter-edu.com/univ/2023/jisseki/todai/ranking/
2023年8月15日閲覧

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