よりよく更年期を過ごすため「手放したほうがいい」ものとは 吉川千明さん #2
この1年で激変した私たちの美容。いま注目すべきこと、大切にすべきことは何なのでしょう?
ステキに年を重ねている美の専門家たちに「いま大切にしているキーワード」を聞いていきます。
シリーズ6人めは、吉川千明さん。5日連続でお伝えするキーワードのうち、2日めは「持続可能な暮らし」です。
眉は生命力の現れです。必ず、きちんと描いてください
–誰かと会うこともなく、在宅してばかりのコロナ禍、他人からの目線を意識する機会が激減しました。
私は51歳のときに夫と離婚しました。今は犬一匹と一緒に一人暮らしなのですが、努力をやめると谷底に落ちちゃう気がするの。ご飯だって何でもよくなっちゃうし、きっと家の中も散らかしはじめたらぐちゃぐちゃになってしまいます。
作るのをやめたり、こだわりをやめると、何もやらなくなる。そうすると、ドドドってすべてが崩れて、必ず体調も崩れると思います。
だから、美への思い、元気にしてくれるものへの思いは、私の日常を支える柱なんです。
–吉川さんはメイク推進派ですね。たとえば在宅の日のメイク、ここだけはという点は?
私はこれまで、50代を中心に、女性の美容カウンセリングを1万人くらいやってきました。大人の女性はだいたいメイクが薄いの。特に眉が薄いです。
また、マスカラをつけていない率も高い。中には、人生でこれまで一度もマスカラつけたことがありませんなんて人もいるのよ。
私、どんな方にも、まず必ず眉を丁寧に描いてくださいと申し上げています。
なぜなら、眉は生命力の現れだから。それが薄ぼけたら、病気みたいに見えてしまいます。
命のある幸福さは、生命がゆらがないと気づけない
–生命力。この1年は、生命について、死をリアルに捉える機会が誰しも激増しました。
さらに、今年は東日本大震災から10年でしたね。友人のこともあって、私は3.11にはいろいろ思い出して1日涙に暮れていました。
亡くなった人たち、残念だよね。まだやりたいこともあったのに。
今、私たちに命があり、こうして過ごせていることは幸福だって、元気な間には気づかないんだよね。
–コロナ禍はある意味、その幸福に気づく機会になったかもしれません。
私は、そう見えないかもしれないけれど(笑)、手を抜かないタイプ。熱くなるし、徹底的にやるしね。割と大きなものにも噛み付くし。よく怒っていたわね。
しかし、やり過ぎ。仕事も家事も、子育ても自分でやらないと、ちゃんとやらないと気がすまないし、いつもリラックスできていなかった。だから離婚することになったのかもしれません。
もう少し手を抜いて、我慢して、適当に他人に合わせてやればそんなことにもならなかったことでしょう。そういう我慢って、サスティナブルじゃないよねって、今は、思います。
昔の私は、「助けて〜」って言わなかったし、言えると思っていなかった。
サスティナビリティって、「自分自身の内面」も含みます
–環境だけではなく、自分自身の内面の持続性を考える時代がきた、ということでしょうか?
そうですね。コロナのおかげで、いろんなことがわかりました。
ともすれば自然環境や働き方、社会など「自分以外の外側」しか指さないように感じる「持続可能」という言葉。でも、実は自分の内面も持続可能かどうかが重要だなって。
離婚もしたけれど、私はいろんなものを手放しました。それまでやっていた仕事も、役割や肩書きも。このままいくと病気になるな、もう辞めた方がいいなと感じたから。
人生もサスティナブルでいたい。だって、健康を壊して終わってしまうなら、どんな努力も意味がない。命を取られちゃったらもう人生がないから。
コロナのように、どんなに気をつけていても病気になることだってあるんです。
そもそも、辛いことがあんまり強すぎるなら、離婚していいし、会社なんて辞めていい。異動したいと言っていい。逃げていいのよ!
–在宅勤務が進んで、仕事のストレスって本来なくていいものだったなと皆が一斉に気づきました。
ね、みんな気づいたよね。あんなに厳しい顔して一生懸命通勤してたのに、会社は急にこなくていいよって言い出すしね。
そもそもあなたは、あなたがそんなに苦しいと感じる環境にいちゃいけないの。そんな環境は手放してください。それが、私の考える、私たちにとってのサスティナビリティです。
友達が亡くなってしまったことは、私にとってとても大きな衝撃でした。彼女の無念を思うと、他のことなんてどうでもいいって思います。
彼女、いい家族に囲まれて、、、。ほんとうにいい人だった、、、。ここで命が終わったことは本当に無念だったと思います。もっと生きたかっただろうと思います。
私も離婚したり、いろいろ怒ったりしてきましたけれど、どんなことも、自分の神経をすり減らすには値しないんです。
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