【ストレス緩和に聞く音楽】ビートルズの名曲を楽しんでストレスをやわらげよう

生きていくうえでストレスは、あって当たり前。でもストレスをため込まないことが大事なのです。ストレスをため込まないためには、どうすればいいのでしょうか? ストレスに関する書籍の多くは、「ものごとを前向きに受け止める」「〝こうあるべき〟ではなく、柔軟に考える」など、心からストレスにアプローチする方法を紹介しています。でも本当にストレスできつい思いをしているときに、心の在り様を整えるのはけっこう大変です(以上書籍より抜粋)。そこで今回は、腸研究の第一人者、松生恒夫先生による著書『大丈夫! 何とかなります ストレスは解消できる』から腸の状態を整え、腸へのストレスを減らすことで、脳や心を元気にする方法をピックアップしてお送りします。【腸と健康 #10】

 

音楽を聴いて副交感神経優位に

私はビートルズの大ファンで医学の道へ進んでからも、ビートルズに関する情報収集は欠かしませんでした。そして、胃腸の働きを改善する音楽療法についてまとめた『ビートルズでおなかスッキリ』(法研)というCD付きの単行本や、彼らの食事を中心にまとめた『ビートルズの食卓 彼らは「食の世界」でも先駆者だった!』(グスコー出版)を出版し、日刊ゲンダイには『ビートルズの食生活』という連載記事も寄稿しました。彼らが年齢を重ねてもスリムな体型を維持し、メタボにならなかった秘訣はこれらの著書に書きましたので、興味のある方はぜひ参考にしてみてください。

 

ここではビートルズの名曲を楽しみながら、ストレスを軽減する暮らし方について少しだけお話ししましょう。現代人の暮らしは交感神経優位に傾きがち。その結果として腸や脳にストレスがたまり、心身のあちこちに不調やトラブルが現れてくるのです。

交感神経と副交感神経という2つの自律神経がバランスよく働いてこそ、人は健康な心身を維持できます。そこでたとえばビートルズの楽曲を暮らしにとり入れてみてはどうか、というのが本項のテーマです。

まず一日の始まりである朝。朝起きたばかりは誰でもボーっとしているものです。そんな脳にスイッチを入れるのが脳幹網様体です。脳幹は脳全体の下部にあり、脳幹の背中側にある網様体が刺激を受けると脳全体が目覚めて活動モードに入ります。

脳幹網様体を刺激するのは、光、音、味覚、皮膚や筋肉からの刺激などですが、いきなりアップテンポの曲で刺激するのではなく、朝はゆったりとした曲調がいいでしょう。たとえばジョージ・マーティン・オーケストラの演奏する『This Boy』はスローテンポであり、かつ親しみやすいメロディでおすすめです。

午前中しっかりと仕事をした後のランチタイムには、やはりスローテンポの『Fool on the Hill』『Here There and Everywhere』など。疲れた脳をリラックスさせるには最高の曲だと思います。

日中ずっと活発だった交感神経は夜に向けて少しずつその働きを低下させ、夜の休養タイムに向けて副交感神経が優位になってきます。一日の疲れをとるため、夜は脳をクールダウンさせることが必須。つまり脳幹網様体への刺激を遮断させたいので光、音、味覚、皮膚や筋肉からの刺激を控えめにしましょう。

そして夕食時には『Let it Be』や『The Long and Winding Road』(ホリーリッジ・ストリングス演奏)などがおすすめ。寝る直前にはエンジェル・ウィスパーズのオルゴールアレンジの『Good Night』もいいでしょう。

 

ビートルズの歌詞にもストレス対策のヒントあり

大好きなビートルズの曲を繰り返し聴いていると、そのテンポやメロディだけでなく歌詞にもストレスを軽減するヒントが含まれている気がしてなりません。たとえば前項でもご紹介した『Let it Be』という曲名は日本語に訳すと「あるがままに」です。『Let it Be』はビートルズのラストアルバムに収録されている名曲ですが、同じアルバムの収録曲『I’ve Got a Feeling』はおなかの中から感じる感覚、第六感を大切にしろと訴える歌詞です。そして『The Long and Winding Road』。この曲名を和訳すると「長く曲がりくねった道」となりますが、大なり小なりストレスは誰にでもある、そのストレスのある道を歩んでいくのが人生だ…、そんなふうに言われているような気がするのは私だけでしょうか?

 

 

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大丈夫! 何とかなります ストレスは解消できる

松生 恒夫 ・著 中村知史・イラスト 主婦の友社・刊

 

あなたのそのストレス、軽くなります!

腸研究の第一人者、松生恒夫先生による、

腸からはじめるストレス解消アイデアが満載です。

 

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